「悪魔vs天使」シリーズの二大人気キャラ。スーパーゼウスとスーパーデビル

「箱に入ったチョコの前から何番目にヘッド(キラシール)が入っている」説が噂されたり、買うのはひとり3個までだったり、友達との交換でモメたり…。

あの伝説のお菓子「ビックリマンチョコ」「悪魔vs天使」シリーズが生誕30周年!

1985年に誕生し、91年までに全31弾が発売された「悪魔vs天使」シリーズ! その後、「新決戦 スーパービックリマンチョコ」「ビックリマン2000チョコ」などの新シリーズや、かつての人気シールを復刻させる限定シリーズを数年おきに発売したりと、ビックリマンは今なお俺たちのコレクション魂を熱くする存在だ。

そこで今回、ロッテのビックリマン担当、本原正明さんにブーム当時の裏話を聞いたぞ!

―ヒットの要因とは?

本原 悪魔、お守り、天使の三すくみの構図をつくり、壮大なストーリーを持たせたことがヒットの要因でしたが、連続した物語を背景にするのは前例がなく、かなりの冒険でもありました。

―「悪魔vs天使」シリーズ以前はどうだったのでしょうか?

本原 それ以前にもいくつかシリーズがあったんですが、人気が下降気味になってきていて、もうビックリマン自体の販売をやめようかという議論が出ていた状態だったため、当時の担当者が「ラストチャンスを」と懇願。

そうして実現したのが『悪魔vs天使』シリーズ。第1弾発売からじわじわ人気が広がり、80年代後半には売り切れ店が続出するほど品薄になりました。

最盛期は年間4億個も製造!

―子供たちのクチコミから大ヒットし、最盛期は年間4億個も生産していたとか。

本原 悪魔は通常の紙シール、お守りは透明シール、天使はアルミシールと素材を分けたのも初めての試みでしたが、アタリ感、ハズレ感をわかりやすくしたことで子供たちの心に刺さったんだと思います。

―特にヘッドのキラシールが出た時のテンションの上がりっぷりはハンパなかったです!

本原 見た目の豪華さだけでなく、希少性も高かったですからね。そういえば『ヘッド』『キラ』という呼び方は弊社発信の用語ではなく、最初は子供たちの中から自然発生的に生まれた言葉だったんですよ。

つまり、ビックリマンは当時の子供たち、つまり俺たち が育てたカルチャーだったのだ!

(取材・文/昌谷大介【A4studio】 取材協力/ロッテ 撮影/佐賀章広)