曇ってはいるものの、波も穏やかで前回のような大変な思いはしなくて済みそう

春が近づき、天気や海況などに振り回された週プレ釣り部。海上もわずかに暖かくなったこの時期、やっと環境は整った! ということで週プレ釣り部も出勤!

***今回のターゲットは「魚の王様」と言われるマダイ。もちろん食べたいという思いもあるが、それ以上に楽しみなのが“釣り方”だ。この魚の釣り方は、地域や季節によって様々。しかし近年、大フィーバーしているのが「一つテンヤ釣り」だ。釣り道具屋には必ず専門コーナーがあるほど。

この釣法は千葉県大原港が発祥で、名物のビシマ釣り(割ビシという小さなオモリを等間隔で道糸に挟んで底まで垂らす、手釣りの伝統釣法)や中オモリを使ったシャクリマダイから派生してきた最新釣法だ。

なぜ大ブームとなっているかといえば、何しろ釣れる! なんでも釣れる! しかも大型魚が釣れる! さらに、ライトタックルで軽装備、小さなハリ付きのオモリに冷凍エビを刺すのみというシンプルなことも魅力。細仕掛けなのでスリリングでゲーム性もあり、魚との交信が面白くポジティブな釣りなのだ。

テンヤ釣りはエビをタイに発見させ、基本的に海底から上へ上へ誘っては落として食わせる釣り。だから底を感じることが重要。テンヤが着底してからの動きをイメージしながら誘い、エサがどこをどのように動いているのか、集中して感じ取り、自ら魚信(アタリ)を出さなければならない。そこがたまらなく面白い。

今回のマダイ釣りで使用するテンヤ。尾羽をカットしたエビを切り口から針を入れて真っ直ぐなるように付ける

小さなオモリに2本のハリを付けただけ。シンプルな仕掛けだからこそ釣りの醍醐味(だいごみ)があるのだが、逆にシンプルなので道具選びは慎重に行なわなければ、小さな魚信を逃してしまうことにもなりかねない。そのため、今回は詳しく道具を紹介しよう。

道具は命!!

まず使用するのはスピニングロッド、一つテンヤ専用、もしくはライトソルトゲーム用のロッドで長さが2.3~2.5mくらいが扱いやすい。ロッドの調子は基本7:3で魚が掛ったら胴に乗せられる。竿先でわずかな動きをとる“目感度”と手の中でとる“手感度”を兼ね備えたロッドがベストだ。平穏な海況で軽いテンヤを使う場合は柔らか目のロッドに利がある。

リールはスピニングリールを使用。大きさは2500~3000番、機能性や操作性なども気になるが、一番重要なのはドラグ性能。大型の釣れる可能性が大きい釣りなので、値段は張るが、いざという時に滑らかにブレーキがかかるリールが理想だ。

もちろん道糸も細くて高強度のPEライン(0.6~0.8号)を。細いラインを使用する理由はなるべく潮の流れの抵抗を受けないことで、ラインが流れず真っ直ぐ立つからだ。また、底立ちがより明確となる。

PEラインは引っ張り強度はあるが、擦れに弱いのが玉にキズ。なのでPEラインの先糸(リーダー)として、フロロカーボンを結び、根周りの擦れなどに対応する。リーダーは2~3号を3~5mとり、結び目は直結でFGノットのような摩擦系の編込式はより強度がある。

最後はテンヤだが、マダイは盲目。ただ明暗は区別がつくらしい。従って、海の中で黒っぽい色と白っぽい色の2種類の分け方で検討すると良い。好奇心旺盛なマダイは、反射的な光やキラキラと輝く光には興味を示すのだ。

色とりどりのテンヤとカブラ

テンヤは4~6号を使用しよう。潮の流速や海底の起伏や形状にもよるが、風も波もないベタ凪の場合10m=1号、つまり、6号テンヤの使用水深は約60mになる。

もし深い場所で釣る時は、テンヤと同じ仲間でカブラというオモリに。水深が比較的浅い場所で使うテンヤに対し、深い場所ではカブラを使うのが一般的だ。テンヤは円錐の頭を潰した形で、海の中に落ちて行く時にフラフラと左右に揺れながら落ちる。一方、カブラは丸いので、海の中を直線的に落ちて行く性質がある。

【タックルデータ】ロッド:SHIMANO 炎月 一つテンヤマダイSS 255MH・全長2.55m ・6:4調子テンヤ:5~15g・スピニングリール仕様リール:SHIMANO TWINPOWER C3000SDH・ダブルハンドル・ラインキャパ(PE0.8号150m)ライン:PEライン・0.8号 200m・10m毎/色付で1m毎のマーク付リーダー:フロロまたはナイロン・2.5号3m・PEに直結(FGノット)テンヤ:炎月テンヤ・8号~12号・タングステンオーバルテンヤ・8号~12号・鉛

【エサデータ】赤エビ(冷凍生エサ)サルエビその他:まるきゅうエコギア、スイムシュリンプ

(4月5日配信予定の第2回に続く)