夢のドラマ出演が実現、新たなステージに向け輝きを増すキタリエこと北原里英

先日、AKB48から新潟のNGT48に移籍することが決まった“キタリエ”こと北原里英

そんな彼女が、2013年に放送され話題となったドラマ『みんな!エスパーだよ!』のスピンオフ特番『みんな!エスパーだよ!番外編~エスパー、都へ行く~』(4月3日、テレビ東京系にて深夜0時12分~)に出演する。

このドラマ、『デトロイト・メタル・シティ』作者・若杉公徳氏の同名原作漫画も人気で、パンチラやら男子の妄想がうずまく内容が反響を呼んだが、一体そこに彼女が出演してどんなことになってしまっているのか?

ドラマの放送直前!ということで早速、本人にドキドキな中身を教えてもらうべく北原さんを直撃!

* * *

ーというわけでございまして、『みんな! エスパーだよ!』にご出演されるということで…。

北原 そうなんです! ありがとうございまーす!(張った声で)

ーものすごくテンション高いですね!

北原 そりゃあそうですよ! 『みんな!エスパーだよ!』は大好きなドラマだったので。今回出演することになって、またレンタルして観たんです。本当に面白いし、特に10話は何回も観ちゃいました。夏帆ちゃんと染谷(将太)君のやり取りで、ホテルに行きたいんだけど行けない隣のカップルをアオるシーンが好きすぎて(笑)!

ーエスパーのふたりが「ラブホに行くか!」って言い合って、それにノセられたカップルが「オレたちも行こう!」ってなるシーンですね。

北原 その後で、心の中で染谷君がエッチなことを叫んでたら実際に声に出して叫んじゃって。周りの人とか動物達が振り返るところ(笑)。あそこは何回観ても笑っちゃいますね!

ー確かにあの回は神がかってましたね…でも『みんな!エスパーだよ!』といえば、パンチラやらエロシーンがいっぱいじゃないですか。そんなドラマに出ることに抵抗とかなかったの?

北原 まったくなかったですね! そういうものって、人間の本能だと思うんですよね。

ーえ? 哲学ですか?

北原 哲学的にです! 私、いま哲学の話をしています! そもそも誰もが興味のあるテーマってなかなかないじゃないですか。鉄道だってアニメだって、アイドルだって変わらずみんなが興味があることじゃないと思うんです。でも『みんな!エスパーだよ!』は誰しもが興味のあるテーマを扱っていて、いっぱい笑えて最高のドラマなんですよ!(キッパリ)

エッチなシーンのこだわりがハンパない?

ーなんか、ものすごく高尚なドラマな気がしてきました。ちなみに今回の監督は『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』などで知られる鬼才・園子温監督です。お仕事するのは初めてですよね?

北原 はい! 実は私、もともと園子温監督も大ファンで。「園子温監督の映画に出る」というのが今後歩む予定の女優人生の目標だったんですよ。だから映画ではないにせよ、こんなに早く夢が叶うと思わなかったので相当、舞い上がりましたね!

ーじゃあ、かなり緊張も?

北原 もちろんしたんですけど「楽しみでしょうがない!」って気持ちで現場に入りました。最初から超?気合いが入っていたので。「やってやる! ビビってちゃダメだ!」って思えたんですよね。これまでの女優の仕事ではずっと緊張しまくりだったのに。そういう気持ちになったのは今回が初めてでした。

ーすごいじゃないですか! でも園監督って、ものすごく怖いイメージなんですけど。

北原 そうなんですよ。ウィキペディアとか、まとめサイトにも監督の厳しいエピソードがたくさん書かれていて。でも「厳しく指導してもらえるなら、それも次の1歩を踏み出せるチャンスでもある!」って思えて。だからドキドキはしてましたけど「よろしくお願いしまーす!」っていう気持ちでした。「もう一回、ここで生まれ変わってやる!」くらいな。

ー覚悟完了!と。で、実際厳しかったですか?

北原 それが全然そんな感じじゃなかったんですよ! もしかしたら映画よりもリラックスして撮られていたのかな?と思うんですけど。すごく楽しそうに撮っていらっしゃって。基本、エッチなシーンが多いんですけど、そのこだわりがハンパじゃないんですよ! 例えば、女のコを撮る時には、1回目は全身を引きで撮って、2回目は寄って撮って、胸を撮って、おしり撮って…みたいな。超~時間かかるんですよ!

ーなかなか撮り終わらない!(笑)

北原 それに対して、逆サイドの男のコの話すシーンはものすごくサラッて撮られるんです。私と染谷君が向かい合ってるシーンでも、私は本当にいろんなパターンを撮ったんですね。そしたら「はい、このシーン埋まり~」って撤収しようとして。「監督! 嘉郎(染谷将太の演じる主人公)の方のカット撮ってません!」って。

ー女子と男子の熱量が違いすぎ!!

北原 「あ、忘れてた」って言って、サラっと1回だけ撮って「埋まり~」って。あれはすごかった(ウンウンと頷きながら)。

「私は、生きている! 輝いてる!」

ーなんというか、園監督のことが好きになってきました。で、北原さんもエロい演技をしてたりするんです、か…?

北原 挑戦してますよ。パンチラもあります! たぶん私、今までのAKB48の中だったら一番挑戦してるんじゃないかって思います。少なくても小嶋陽菜さんが『メグたんって魔法つかえるの?』(2012年に放送された主演ドラマ。毎回、こじはる演じるメグたんがパンチラしまくった)で見せたパンチラには負けてないと思います。まぁ、それはオンエアを観てもらえれば、フフフ…(不敵な笑み)。

ーすごい自信! これで女優・北原里英のイメージは変わりそうですね。

北原 話題にはなりたいって思ってます。その評判が良くても悪くても。AKB48のファンの方の中には「キタリエ、ここまでするなんて!」って人もいると思うんですけど、いろんな感想があっていいと思うんですよ!

ーなんか、ほんと前向きな発言。それで今回「女優としての目覚め」的なものもありましたか?

北原 正直、撮影中「私、輝いてる!」って思いました。その時すごく忙しくて、全国ツアーから帰ってきてそのまま現場に行ったりしてたんですけど。全然つらくなかったです。夢が叶ってる瞬間ですから。

ー「夢が叶ってる瞬間」。いい言葉ですね。

北原 ちょうど今、梅ちゃん(NMB48の梅田彩佳)と田野ちゃん(AKB48の田野優花)がWキャストでミュージカル『ウィズ』(宮本亜門・演出)をやってるじゃないですか? ふたりの舞台を観にいったんですけど、本当に感動したんです。ステージから彼女たちが見えてる景色って、私には見えない景色だし、ふたりの充実感ってすごいんだろうなって思ったらすっごい感動して泣いちゃって。

…でも、たぶん『エスパー!』の撮影をしている時はそれに負けないくらい自分も輝いていたっていう自信があるんです!

ーそれってすごいことですね。じゃあ逆に『エスパー』前は結構ヘコんだりもしてたり?

北原 ヘコんでましたね。時期的には『AKB48 SHOW』の『たかみな総監督のお説教部屋』あたり(2014年11月8日オンエア)とか。

ー高橋さんと話しているうちに泣いちゃった時ですね。ファンの間でも話題になりました。

北原 そうです。1年くらい自分の中で「これ!」っていう道が見えなかったんですよ。…で、2014年も秋くらいになった時に「今年もこのまま終わるんだろうな」って思っていて。2014年、やり残したこともないし。…なぜなら「これをやろう!」って思ってたことがなかったから。

ー超ネガティブじゃないですか!

北原 そう。でも、そんな時に『エスパー』のお話をいただいて。パッと気持ちが開けたっていうか。

やっぱり好きでよかった、これしかない!

ーちなみに、撮影ってどのくらいの期間だったんですか?

北原 4日間です。

ー短いじゃないですか??

北原 そうなんです。4日間。でも、その4日間で「私は、生きている!」「輝いてる!」って実感したんです。思い出もいっぱいあって。普段、接することのない人たちとコミュニケーションを取ったり、考え方を学んだりすることで自分の幅が広がりました。

あと、自分が今後役者としてやっていきたいっていう思いがあるので、現場で他のキャストさんの芝居を間近で見られたことも勉強になりました。忘れられない4日間になりましたね。

ーなんというか、その「園子温と仕事をしている現場感」すごいですね!

北原 そういう空気に包まれた4日間でした。なんていうか…園さんの映画に出てくる人物ってどこか普通じゃないところがある役が多いじゃないですか。もし自分が出られた時に…自分の枠を超えて、ぶっ飛べるのかなって思っていて。結果、その4日間でその時にできるすべては出せたと思えたんです。

もちろん、あれから5ヵ月ほど経ってるので、オンエアを観たら「あそこはもうちょっとできた!」って思うかもしれないけど。当時は本当にその時の100%を出せた。この経験は初めてでした。

ー4日間終わって、何を想いましたか?

北原 やっぱり、この仕事をしていこう!って。

ーなんですか、そのカッコイイセリフは!

北原 本当に思ったんです。その前まで「女優さんになりたい」ってずっと言ってきたし、芝居をするのは好きだと思ってたけど、自分の中で全然うまくできなかったから。「もしかして向いてないんじゃないか」「うまくできないと思ってるから緊張してさらにできないんじゃないか」って悩んでいて。でも、全力でやったら「やっぱり好きでよかった、これしかない」って思えたことが嬉しくて。

秋元康が「北原を主演で映画を撮ります!」

ー素晴らしいです! そういえば昨年の『オールナイトニッポン』では秋元康さんが「北原を主演で映画を撮ります!」って発表していましたけど。

北原 本当にありがたいです。全力を注ごうと思ってます。でも、まだ具体的なことは何も決まってないんですよ。だから、もうひとつくらい大きな目標をもたないとって思います。大きな挑戦をしたいなって。

ー挑戦することって大変ですけど、大丈夫ですか? 

北原 でも、もうしなきゃいけない年齢だと思うし。いつかしなきゃいけないんだったら遅いくらいだと思うので。『エスパー』で、そういう前向きな気持ちになれるキッカケをもらったなって。なのでみなさん、ぜひ4月3日の『みんな!エスパーだよ!番外編 ~エスパー、都へ行く~』観てください!

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やる気にみなぎって、週プレNEWSに語ってくれたキタリエですが、そんな彼女はインタビュー後の3月26日、さいたまスーパーアリーナのコンサートで行なわれた「春の人事異動」でAKB48を離れ、新潟に結成されるNGT48のキャプテンに就任することが発表された。

「こんな大きな計画にイチから参加させてもらえることは人生でなかなかないと思いました。『まだ新しいことができる』というところを見せたいです!」

そう語った彼女の新しい第一歩を踏み出すキッカケになったであろう『みんな!エスパーだよ!番外編』は、ファンならずとも絶対に観るべきだろう!

■北原里英1991年6月24日(23歳)。2007年、AKB48に第5期生として加入。3月26日の『AKB48春の単独コンサート~ジキソー未だ修行中!~』にてAKB48から新しく新潟に結成されるNGT48のキャプテンに就任することが発表された。公式ブログ→http://ameblo.jp/kitahara-rie/

(取材・文/篠本634[short cut]  撮影・武田敏将)