2005年に10歳でジュニアアイドルとしてデビューし、今年3月に卒業した山中知恵(左)。今年1月までJカップ・98cmの爆乳を武器にグラビア界を牽引した桐山瑠衣(右)

自分が応援しているグラドルが引退するのは悲しい。しかし、彼女たちの第二の人生を応援したいという気持ちもある。終わりよければすべてよし。グラドルはいつ引退し、どう辞めるのが幸せなのか。

■第二の人生を歩むグラドルに望むこと

今年1月21日、桐山瑠衣ちゃんの所属事務所のホームページで、彼女が芸能活動を引退することが発表された。

続く3月21日には、山中知恵ちゃんもツイッターで卒業を公表。どちらもトップクラスの人気グラドルだったため多くのファンは驚きとともに戸惑いを隠せなかった。

ある山中知恵ファンがため息交じりに言う。

「本人が第二の人生を歩むと決めた以上は、その気持ちを尊重したいと思う。ただ、今まで自分の支えになっていた存在がいなくなってしまうのはとても悲しい」

とはいえ、30代、40代になっても芸能界で活躍できるグラドルはほんのひと握りだけだ。多くのグラドルはいつか引退することになるわけで、その時期が早いか遅いかだけの違いともいえる。

グラドルはいつ引退するのが幸せなのか? 延べ1千人以上のアイドルイベントでMCを担当し、アイドル評論家としても活躍する村山ひとしさんは言う。

「かわいさをウリにするグラドルなら、ひとつの区切りとなるのは25歳でしょう。ただ、その25歳を超えた時に別の魅力を備えているコはその後も息長く活躍できる可能性は高いと思います」

確かに、かわいいだけで通用するのは25歳くらいまでとはよく言われる。それ以降はトーク力やセクシーさなど違う武器を持っていないと生き残るのは難しいということだ。

グラドルの幸せを現役グラドルが吐露

また、世間一般的に“女性の幸せ”といわれている結婚と出産を考えると、30歳がもうひとつのターニングポイントといえそうだ。現役グラドルの小松詩乃さんは言う。

「私は今30歳ですが、グラドルとしての活動を何よりも優先しています。私がグラドルをしながらイベントのMCもしているのは、なんとかこの世界に残りたいから。今は恋愛も結婚も出産もまったく考えていません」

ただ、小松さんのようにできるグラドルばかりじゃないのも事実で、デキ婚して引退していくコもしばしば見受けられる。そのへんはどうなのか。

「確かに、仕事と恋愛を割り切れずにグラビアを続けているコもいます。本来ならば、もっと早くに売れてステキな男性と結婚し、芸能生活を続けながら子供を産んで、ママタレになって…。こういう夢を描いているコは25歳、30歳という分岐点でつまずくと思いますし、実際そこで辞めていくグラドルもたくさん見てきました。

私は30歳で子供はおろか恋愛すらできていない。はたから見ると不幸な女に見えるかもしれませんが、悔いなくやりきることが幸せになる道だと思っているので、今も全力投球でグラビア活動に取り組んでいますよ」(小松さん)

悔いなくやりきったかどうか。そこが大事だというのは前出の村山さんも同意見。

「仮に20歳で引退しても、自分はやりきったというものがあれば、第二の人生も幸せなものになると思います。

また、30歳を超えて尚、プリプリの衣装でステージに立ち続けている地下アイドルの方を私は何人も知っています。その人たちにとってはそれが一番やりたいことなので悲壮感はまったくないし、逆に応援したくなりますね」

現役アイドルでありながら、イベントのMCも務める小松さん

ますます重要な引き際の仕方

では、もうひとつ。グラドルはどう引退するのがベストなのか。東京・秋葉原のイベント会場で20人近いファンに尋ねたところ一番多かった答えは「形にはこだわらない。でも、フェイドアウトだけはやめてほしい」だった。

「ブログにしろツイッターにしろ、きちんと宣言して引退してほしい。理由も告げずに消えられるとファンはけじめがつかないです」(35歳)

「せめてラストイベントだけはやってほしい」(29歳)

前出の村山さんは言う。

「引退するなら時間をかけてもらいたいと思っています。せめて半年くらいは猶予が欲しい。そうすればファンは心の準備ができますから。お別れ会もやったほうがいいですが、諸事情で難しいならブログでファンや関係者にお礼を述べるだけでもいい。そうすれば皆が気持ちよく送り出してくれるはず。気持ちは絶対に伝わりますから」

小松さんが続ける。

「最近、イベントでお客さんからよく聞くんですよ。応援してたコが急にいなくなっちゃったって。ここ数年はツイッターやブログなどで気軽に交流できるようになりファンとアイドルとの距離がグンと縮まりました。

それゆえに、ひと昔前よりも結びつきは強くなっているともいえます。だからこそ余計にファンの皆さんに感謝の気持ちを伝えて終わることが大事だと思うんです」

ふたりの話を聞いていて、ふと、あるグラドルの引退を思い出した。彼女は数年にわたって活動を続けて20代前半でグラドルを引退。資格を取って、もうひとつの夢だった職業に就いた。引退宣言から数ヵ月後に行なわれたラストイベントは大盛況。温かい拍手の中、笑顔で第二の人生を歩んでいった。

…がしかし、引退から数ヵ月後に結婚してた…なんだよ!

グラドルの皆さん、引退する時はホント、フェイドアウトとすぐバレる嘘だけはやめてね。誰も得しないから。

小松詩乃(こまつ・うたの)Hカップ・95cmのバストが魅力のアラサーグラドル。最新DVDは『.coma』(スパイスビジュアル)

(取材/浜野きよぞう 撮影/渡辺義晴[小松詩乃])