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“つけ麺の父”大勝軒・山岸一雄氏が遺したもの。金儲けの欲がなさすぎた?

[2015年04月14日]

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東京・東池袋の人気ラーメン店「大勝軒」の創業者、山岸一雄氏が心不全のため4月1日、東京都内の病院で死去した。享年80歳。

彼が1955年にメニューに加えた「特製もりそば」は、つけ麺の元祖。日本そばのような食べ方と独特のおいしさがすぐに評判を呼び、大勝軒はわが国初の“行列のできるラーメン店”となった。

ただ、繁盛店となったのは、味だけが理由ではない。山岸氏の優しい人柄も大勝軒に欠かせない魅力だった。同店を30年以上前から訪れているラーメン評論家の大崎裕史氏が往時の思い出を語る。

「お会計の時に『ありがとね』と言いながら浮かべる笑顔が、なんともすてきでした。私も山岸さんのあの顔が見たくて通ったひとりです」

さらには、こんなちゃめっ気もあった。

「その日の行列の最初の16人までに並ぶと、開店と同時に入店できるのですが、彼らへの麺の中には、頼んでもいないギョーザやチャーシューが隠されているんです。店が開く3時間も前から並んでくれる人に対する、山岸さんからの感謝のメッセージでした。それはある時期まで常連にしか知られていない秘密の楽しみだったのです」(大崎氏)

そんなおおらかさは、弟子への接し方にも表れていた。彼は大勝軒のレシピを包み隠さず全部教えたのである。

「山岸さんは奥さまに先立たれ、子供もいませんでした。だから弟子をわが子のようにかわいがり、彼らが自分の味を引き継いで全国に残してくれればいい、という考えだったようです」(大崎氏)


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