フリーザ様が大活躍の映画も見逃すな! 原作者の鳥山明氏が初めて脚本を書き下ろしたことでも話題を集めている『ドラゴンボールZ 復活の「F」』2D/3D/4DX/IMAX3D 全国超拡大公開中!(C)B/S (C)2015 DBZMC

『ドラゴンボール』の新作劇場版『ドラゴンボールZ 復活の「F」』が現在公開中だが、何よりもインパクトを与えたのが今回、悟空と戦うことになる“F”なる存在だ。

そう、“F”とは同作のファンならずともご存じであろう、かつて悟空が倒した宇宙最恐の悪の帝王、フリーザなのである!

■ビジネス書の先生がまじめに分析!

そんなわけで、今再びフリーザ様にスポットライトが当たっているわけだが、実はドラゴンボールファンやネット住民たちの間では以前からフリーザ様について、ある説がささやかれていた。

それは…フリーザは実は“理想の上司”なのではないか?」という説だ!

はい、わかっております。あの極悪非道な敵に何をおっしゃいますやら…と思う方も多いだろうことは。

確かに、配下にあったサイヤ人を惑星ごと滅亡させたり、罪もないナメック星人たちを殺してドラゴンボールを強奪したりと残虐の限りを尽くしてはいました。

が、しかし! そのあたりの非道行為は、バトルマンガの悪役としての必要ファクターとして目をつむり、彼を一上司、一ビジネスパーソンとして見つめてみると…なんということでしょう!

フリーザ様の言動から“理想の上司”たり得る理由が枚挙にいとまがないほど挙がるではないですか!

そこで30万部突破のベストセラーとなった「『ついていきたい』と思われるリーダーになる51の考え方」(サンマーク出版)の著者であるリーダーシップコンサルタント代表の岩田松雄氏に上司としてのフリーザ様のあり方をまじめに分析してもらった。

フリーザ様は天下統一の信長?

「え~と…私の立場からは侵略、虐殺を繰り返し、私欲のために行動するフリーザを正直、“理想の上司”と言うことはできません(苦笑)。ただ、おっしゃるようにそのような行為はひとまずおいて、その他の彼の言動をベースに考えていくと、秀でた才能のあるリーダーといえる要素は確かに少なくないですね。

そもそもフリーザは底知れぬ実力と、そこに立脚した自信を持っている人物なので存在自体に惹かれる部下もいるでしょう。また、悟空やネイルなど敵であっても実力を客観評価してリクルートするスタンスは素晴らしいと思います」

たぶんサイヤ人に関してはM&Aのようなことをして丸ごと部下にしたのではと予測できますし、そうやってつくり上げていった多種多様な人材を擁した混成部隊は組織として厚みがあります!

「それにトップの人間がラディッツ(悟空の実兄)のような末端戦闘員の顔も名前もしっかり把握しているというのは、社員からすればモチベーションが上がるでしょうし、結果的に業績が上向く要素となると思いますね」

ナメック星という最前線で陣頭指揮を執ることで部下たちの士気も上がりそうですが、そのあたりはどうでしょうか?

「もちろんです。ですが、それ以上に現場を自分の目で見るということ自体が非常に大事なことなのです。もし現場を見ていなければ部下からの報告でその様子を知ることになりますよね? けれど、ウソをつくつもりはなくても、どこか報告にはその部下にとって都合のいいバイアスがかかっているもの。

つまり、実態を正確に把握できないのです。ですから経営者は大事な場面では現場に足を運び、ちゃんと“事実”を見る必要性があるんですよね」

もし、フリーザ様を歴史上の人物にたとえるとしたら?

「織田信長でしょう。フリーザも信長も目的を達成するためには手段を選ばず、結果にこだわる非情さを持っている。豊臣秀吉という人材を発掘した高いリクルーティング能力もフリーザとの共通点といえるかもしれません」

上記のように岩田氏も上司としての評価の高いフリーザ様! その7つの素質をまとめた。

理想の上司としての7つの理由

★フリーザ様の掟 其之一前線で指揮執るを“現場至上主義”ドラゴンボールで永遠の命を手に入れるという最重要ミッションの達成を目指し、部下に丸投げせずに自ら現場に足を運ぶ。「そのフットワークの軽さは素晴らしい」(岩田氏)

★フリーザ様の掟 其之二敵であろうと有能であれば“即スカウト”敵対する悟空やネイル(ナメック星人)もすかさずスカウトするフリーザ様。「組織には優秀な人材が必要不可欠であるということも、きちんと理解しているのでしょう」(岩田氏)

★フリーザ様の掟 其之三部下は種族や出身で差別しない“完全実力主義”ギニュー特戦隊を見てもわかる通り、フリーザの組織は多種多様な種族で構成されている。現代社会に当てはめるとすると、グローバル経営を進める多国籍企業といえるのだ!

★フリーザ様の掟 其之四部下や敵に対しても“敬語&さんづけ”で丁寧一人称は「わたし」であり、誰に対しても“敬語&さんづけ”で話す。その姿勢はまさに「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」。だが、時には我を忘れて激昂することも!

★フリーザ様の掟 其之五部下の顔&名前は末端構成員まで“しっかり記憶”ラディッツ(悟空の実兄)のような末端戦闘員の名前と顔もしっかり記憶。「部下にしたら、この社長のために頑張ろうという気持ちがわき起こるでしょう」(岩田氏)

★フリーザ様の掟 其之六失敗した部下にも“挽回のチャスン”を与えるザーボンの失敗に目をつむるなど度量の大きさが際立つ。最新作では、なんとベジータにも「あなたをフリーザ軍の最高司令官にしてあげますよ」と再びチャンスを!

★フリーザ様の掟 其之七実は孫子の兵法“戦わずして勝つ”を実践ネイルと戦う前に「私の戦闘力は53万です」と宣言し、圧倒的な力の差を誇示。“百回勝利するより戦わずに敵を屈服させるのが最善”とする孫子の考えと実は同じだったのでは!?

■発売中の『週刊プレイボーイ』18号ではさらにリアル“フリーザ様”のインタビューまでお読みいただけます!

(取材・文/昌谷大介、東 賢志[A4studio])

●週刊プレイボーイ18号(4月20日発売)「考えてみるとフリーザ様こそ実は最高の上司!かもしれない7つの理由」より