江戸時代に流行した「春画」の国内初の展覧会が、細川護熙元首相が理事長を務める公益財団法人「永青(えいせい)文庫」において開催されることが決まった(9月19日~12月23日)。

もともとは、大盛況に終わった「大英博物館」での展覧会(2013年10月~2014年1月)の直後に日本でも開催される計画だったが、受け入れる美術館が現れず難航。いまだにスポンサーも現れておらず、細川氏が“男気”で引き受けた形になっている。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

***

私には親切な友人がいて、生まじめにエロさを追求した結果、むしろ面白いことになってしまっているAVを見つけては爆笑タイトルを教えてくれます。笑いとエロが両立するのが男性の性欲の興味深いとこ。

どうやら春画も、江戸時代にエロさを追求した結果、とんでもなくクオリティの高い、やりすぎアートに昇華したということのようですね。歴史に残る人気浮世絵師たちも仮名(陰号)を使って描いており、今となってはまさに超一級品のアートでもあるのだとか。

これらを大英博物館では大々的に展示し、一方、日本では批判を恐れて開催決定が難航したらしい。ということは、日本では春画は今も劣情スイッチとして機能していると見なされているわけですね。

葛飾北斎が「鉄棒ぬらぬら」という爆笑陰号を使って描いたという『蛸(たこ)と海女(あま)』は有名な絵のようですが、こ、これも現役劣情画と見なされるのか?

そういえば日活ロマンポルノに海女ものがありますね。頭足類がエロアイテムとして不滅の定番だとするなら、今、ダイオウイカとスク水女子モノのAVとかもあるんでしょうか。なんかちょっと見たい気もします。

●小島慶子(こじま・けいこ)タレント、エッセイスト。夜な夜なタコが浜に上がってきて畑の芋を食うのでクレームをつけたところ押し倒されるという恐ろしい民話を読んだが、実際ミズダコは最大3mぐらいになるので油断ならないと思う