芸人として司会役までマルチに活躍、役者でも存在感を発揮するなど個性的魅力で人気の千原ジュニア

あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』

第4回のゲスト・ピーターこと池畑慎之介さんからご紹介いただいたのは、お笑い芸人の千原ジュニアさん。売れっ子としてエッセーなどでもマルチな才能を発揮、多忙を極める中、お台場でのスタジオ収録の合間を縫って楽屋でお時間をいただきました!(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)

―前回、ピーターさんにお話を伺って、お友だちを紹介していただいたのがジュニアさんということで。意外でしたか?

千原 へー。あの、何度か連絡いただいたり、お宅にお邪魔させていただいたりしたことはありました。

―伝言メッセージというか、「ジュニアって、なんかちょっとセクシーじゃない? 好きなんですよねぇ」ってことで。

千原 いやいや…(笑)。

―そのピーターさんの高輪会という食事会にいろんな皆さんがよく集まって。ジュニアさんも呼んだら、ひとりで来られたっていうのがすごい印象的だったそうです。

千原 普段、そういう会に僕ほとんど参加しないんですよ。ま、あんまり誘われること自体ないんですけど(笑)。そんなたくさんの人が集まるようなところ得意じゃなくて行かないですし。

ただ、そん時はピーターさんに誘っていただいて、なんかいつも遊んでる後輩とかを連れていくと、結局そいつらと喋ることになって。環境が違うだけで眼球に映る景色は一緒やなって感じがあって。ここはひとりで行ったほうが面白いんじゃないかなと。

―それはピーターさんも言ってました。誰か引き連れないでひとりで来るのがなかなないのにって。…で、行くんやったらひとりやろということで。実際それは新鮮でした?

千原 そうですね。結果、普段そんなじっくり喋ることのない方々とも、高橋恵子さんと萬田久子さんと3人でとか。2時間半くらい? 昔のすごかった頃の芸能界の話をいろいろ聞けて。後輩連れていってたら聞けなかったなと。

―普段はやはり後輩とか勝手知ったる人間達とつるむことが多いですか?

千原 のほうが、楽ですよね。楽やけど…新しいことは起きないですからね。うん。

―そう思ってたタイミングでピーターさんのお誘いが。新しいところに飛び込んでみようか的なことを思ってた時期だったんでしょうか。

千原 あ、それはそうです。はい。今年って感じですね。あれ今年やったかな? まぁそんな感じですね。

40になって、いろいろ変えてみようかなと

―そんな最近の話とは。じゃあ、自分の中で現状、遊びや飲みにしてもちょっと飽きてきたな、つまんななってきたなみたいな…。

千原 う~ん。同じことしててもしゃあないなって気はちょっとあるじゃないですか。40になって、ちょっとこう、いろいろ変えてみようかなみたいな。で、ひとりでこの間も人生初のひとり旅みたいなのに行って…。

―人生初! 趣味でバイクに乗られてる印象あるんで、そういうのも結構やってるのかなと。

千原 いや、ツーリングとかもみんなで行く感じで。ひとりはないですね。海外に行くとかっていうのも全然初めてで。

―それもまた今の心持ちというか、歳のこともあるし、いろんな初体験が必要なんかなっていう?

千原 そうですね。なんか面白いこと起きるかなっていう感じはありますね、そっちの方が。

―もしかして、ピーターさんの紹介っていうのもありますけど、この「語っていいとも!」に出てもいいかと思われたのもそういう変化が?

千原 いや、まぁまぁそれはまぁ、ね(笑)。

―ちなみに、週プレってどんなイメージでした?

千原 あぁ、なんか現場とかに置かれてること多いですね。松本(人志)さん、やってはりましたよね?

―はいはい。以前に本誌で連載をずっと。

千原 爆笑(問題)さんもやってましたよね。

―はい。もうずっと長いことやっていただいて今も連載中ですね。やっぱりお笑いの誰かがやってるのが、まず気になる感じですか?

千原 …と、後はまあ、グラビアですよね。現場に置いてあることが結構あるんで、ちらちらと(笑)。

―ちなみに、なんで今まで俺に連載とか話がけぇへんねんみたいなのは別になかった?

千原 あ、全然ないです(笑)。

見とかなあかんもんってのもある

―あははは。それも微妙な(苦笑)。…あの、こんな感じでテーマもなしに他愛もない話をして友達を繋げていくみたいな。危なっかしいというか怖い企画なんですが。芸人さんでもお題とかその番組のテーマとか、何もないとやっぱり怖くないですか?

千原 ああ、まさにテレフォンショッキングなんかは、僕レギュラーになる前に何回か出させてもらったんですけど。あれもほんまテーマないですからね。でもどっかでお笑い芸人はあそこで爆笑とったら、レギュラーなれるかもわからんとかっていう、すごい予選会みたいなとこあって。

でもその予選会を全面に出し過ぎてもさぶいし。頑張りすぎてもあかんし、自然体でどう笑いをとりまくるかみたいな。意外とあれ生放送で、時間あっという間なんで。もう終わり?っていう感覚が結構あるんですよ。それがたぶん10年前くらいですけど、ドキドキしながら出たん覚えてますね。

―だいぶそれで鍛えられました?

千原 そうですね。テレフォンは僕もう4、5回出させてもらってると思うんですけど。ま、いつかはこの世界入ったからには出たいなっていう番組のひとつでしたから。

―緊張もでしょうけど、初心に返るようなとこもありましたか?

千原 そん時は緊張したでしょうね、初めて出る時は。初心に返るというよりは「いいとも」にはまた別コーナーもあって、そこのゲストにたまに呼ばれたりっていうこともあったんで。それとも全く違いますからね、テレフォンのゲストは。

―あれもタモリさんのフリがまた何くるかわからないですもんね。

千原 どっちがイニシアチブをとるのかによっての時間の進み方も変わってくるんで。

―一番やばいなって思ったり、焦ったとか、印象に残ってるエピソードは?

千原 …う~ん。意外となんかこう、うまくいったなという思い出がありますね。なんやったかなあ。松本さん紹介した時とか…そういえば原田芳雄さんから電話いただいたこともあったんじゃないですかね。

―おおっ、それはメモリアルというか…そういう亡くなってしまった方もいますし。ほんと、あの国民的番組自体が終わって、次の若手の芸人さんや役者さんでも、この番組に出たろう!って目標が失われて寂しい人はいっぱいいるかと。

千原 この世界で「いいとも」のレギュラーとかテレフォンのゲストに出れてない芸人は寂しいでしょうね。ま、どの世代もあると思いますけど、僕らなんかでいうと、横山やすしさんにお会いしてないんですよ。すごい会ってみたかった、会っときたかったっていうのはありますよ。

―それはありますよね~。その時代に立ち会えなかった悔しさというか。僕もインタビューではだいぶ自己実現しているほうですけど。あの人をやれていればとかありますから。

千原 役者さんなんかでいうと、勝新太郎さんにね、会うてる役者と会うてない役者とじゃあ…っていうのとかあるでしょうし。あと、そういうので言うとね、辰吉(丈一郎)さんの試合とか、見とかなあかんもんってのもあるじゃないですか? もっと上の世代でいうと王貞治さんとか長嶋さんってことでしょうし。

ひとり旅なんて意味がわからへんけど

―それでいうと、一番会って嬉しかったとか、この人と対等に仕事で話せるようになったとか。自分の中でこれはスゴいぞというのは?

千原 やっぱりタモリさんの「いいとも」のレギュラーっていうのもすごい大きかったですけど。僕がバイクで事故って退院した直後に『さんまのまんま』で(明石家)さんまさんが「見舞い行かれへんで悪かったな」って、なんか欲しいもん言えやっていうんで「レギュラー番組です」って言ったのがきっかけで一緒の番組が始まったんですよ。

ほんで今、(ビート)たけしさんともレギュラーやらせてもろてるんで。この3人とレギュラーやらせてもらってるっていうのはちょっとね、まぁ言うても数人でしょうからね。

―それはかなりコンプリートしてる感じですよねー。

千原 ちょっと単発のゲストとはまた違う。うん…そういうのはありますかね。

―まさにON(王・長嶋)とプレイしてるみたいな。まあ、ジュニアさんもそれだけの立ち位置になったということですが。さっきのお話でも、基本は後輩とか芸人仲間を引き連れて遊び行くタイプなんですか?

千原 そうですね。誰とでもという感じでもないですね。でもまあ、それも40にもなって人見知りって…アホちゃうかっていう話ですよね(笑)。

―はははは(笑)。でも、そこでそろそろ食わず嫌いやめとこみたいな。新境地を?

千原 そうですね。ご飯食べるっていったら男ばっかりで、なんかなという感じはありますからね。もう最近はあんまり、回数も減りました。

―男メシでバカやってるのが楽しい時期ってもちろんあって。でも、歳もあるしそれだけじゃないやろと…。

千原 うーん…どうですかね~。まぁ、そういうのもそれでいいですし。面白かったらなんでもいいんですよね。だから、高橋恵子さんと萬田久子さんの壮絶ないろんな話を聞かせてもらってるのも、すげー面白かったし。

―自分が語って面白がらせるっていうのは仕事としてあるわけですが。人の話を聞いたり、ウォッチしたりするほうが楽しいとか?

千原 そういうところもあるかもわかんないですね。

―裁判の傍聴が好きで趣味的に通ってたというのも有名ですけど。それも人間観察みたいな?

千原 いや、そういうことでもないと思いますけどね。単純に面白いからですかね。これはネタになるなとか、そんなことは一切考えてないですしね。

―では、最近自分が変わってきたっていうのはなんなんでしょう。とにかく何か新しい面白いことを求めてと。

千原 どういう心境の変化なのか、ひとり旅なんて意味がわからへんし、ひとりで海外行くなんて考えられなかったんですけど。行ってみたら、その楽しさってこういうことかとか。あ、わからんでもないなっていう感じはありますね。

MGMでメイウェザーvsパッキャオ観戦

―ちなみに今回はどこに?

千原 それはラスベガスなんですけど。で、トランジットでえらい飛行機が遅れて、全然知らん日本人のおっちゃんとお酒飲みに行ったりとか。わ~っみたいな。

―ハプニングやアクシデントはそれもある意味、旅の魅力と(笑)。…もしかしてそのラスベガスって、あの週刊誌に名前が出てたボクシングの?

千原 あぁ、そうです、そうです。それの行く理由として、さっきのやっぱ会うとかなあかん人とか見とかないかんものっていう話があって。20年前に友達とラスベガスへ行った時に、ちょうどMGMでタイソンとホリフィールドの試合がやってる時期やったんですよ。

こんな中でいつか見てみたいなっていうのがそん時にあって。で、20年経って、同じMGMで今度はメイウェザーとパッキャオっていう。これはやっぱ、ちょっと観にいかなあかんなっていうので行ったんです。

―あの中のひとりだったんだ…それはものすごい生き証人になりましたね。

千原 なんかこう、20年を経て、MGMも僕初めてやったんで、ほんで(観客席に)タイソン来て、ワ~ッて。あん時に観られへんかったタイソンをやっと観られたみたいな。

―それがまた仕事も関係なしに自分の意志でひとり行ってるとこが感慨深いとか。

千原 そうですね。仕事やったらまた変わってくるでしょうし。ほんまに自腹で、なんとかチケット取って行ったんで。まぁ、そういう意味では楽しかったですね。

―全くコーディネーターもいないところで、ひとりでずっと?

千原 はい。友達が向こうで合流したんですけど、試合のチケットは1枚しかないし。そういう意味では全部ひとりで。

まあ、こういう仕事してるんで、そういう意味ではすごくありがたいですけどね。いろんな人に声かけてもらえるんで。MGMだってもうめちゃくちゃ広いから、出口出よう思ってもどっちに行ったらいいかわからへんのを日本人の人に出会って。どないしたんですかって声かけられるから、出口どっちですかって。あのスターバックスの左ですとか教えてもらえて。

―そういう会話があっても、何者でもない自分がポツンとそこにいたりするのが日常を離れて心地よかったり?

千原 そうですかね。ま、その辺歩いてても、一緒なんでしょうけどね。この間も恵比寿からずっと渋谷、原宿までひとりで歩いて、なんかブラブラしましたけど。何してるんですかとか声かけられて(笑)。

―そういうのから逃れたいという芸能人も多いじゃないですか。自分のことを誰も知らない街に行きたいとか。自分にはないですか?

千原 僕は、それは芸人なんでね。また男やし。別にこれが彼女いたりとか、家族があったら話変わってくるんでしょうけど。自分ひとりやし、芸人やし、別に盗撮されようが何されようがね。そりゃ気分はよくないけども、もうなんにも思わないですもんね。

―おっと、ここで時間も押してるようですが…まだ大丈夫のようなので、気になるお話の続きは後編に!

●この後編は次週、6月28日(日)12時に配信予定!

●千原ジュニア1974年生まれ、京都府出身。1989年、実兄の千原せいじとお笑いコンビ・千原兄弟を結成し、ボケを担当。芸人として活躍する一方で、執筆活動も精力的に行ない、多彩な才能を発揮している。現在、読売テレビ『にけつッ!!』、フジテレビ『オモクリ監督~O-Creator’s TV show~』など10本以上のレギュラー番組に出演中。毎月草月ホールにて千原兄弟トークライブ「チハラトーク」を開催。2015年8月9日(日)~23日(日)、パラッツォ ドゥカーレ麻布にて千原ジュニアも出演する「THE EMPTY STAGE 2015 SUMMER」開催決定。最新情報⇒ http://the-empty-stage.jp/

(撮影/塔下智士)