ローブ、エクスプレイに続く“第3のコペン”、「セロ」がついに発売!

コンパクトカーと同等の…いや、近頃ではそれ以上のゴージャスポイントを備えた軽が次々に登場している。

中でも注目はコペンが復活し、ケータハムの軽が登場! そして現在、売れまくりのS660で盛り上がっている軽スポーツ市場だ。惜しみなく投入された、各メーカーの技術の結晶がすげえ!というワケで…。

最近のゴージャス軽を象徴する出来事といえば、わずか1年ちょっとの間に本物の軽スポーツカー(以下、軽スポ)が3台も出てきたこと。 軽スポといえば、1990年代初頭の一大ブームを記憶しているオッサンも多いはずだが、現在はそれに続く第2次軽スポブームというべき盛り上がり。

こうして各社が200万円前後もする本格軽スポにあらためて乗り出そうと思えたのも、昨今の「高価格なゴージャス軽が商売になる」という社会状況が後押ししたおかげだろう。

現在の軽スポといえば、ホンダS660の「へたすれば1年待ち!?」なんて大フィーバーが取り沙汰されているが、なんの、軽スポ界ではS660の先輩格たるダイハツ・コペンだって、年明け以降も月間600台以上(年度末の3月は900台以上)と、着実な売り上げを記録。軽スポはマジできている!

S660はなんといっても、つくり手にいささかも「軽だから」という意識がないところがゴージャス。エンジン本体(とCVTの変速機)こそ、既存の軽用を活用しているが、それ以外は実質的に全身が専用新開発。それでも軽ワクに収めたのは「気軽にスポーツカーに乗ってほしい」という思いだ。

ホンダ「S660」αグレード 車両本体価格:229万8800円 諸費用:14万4190円(センターディスプレイなど、メーカーオプション含む) 合計:244万2990円全身専用開発のミッドシップでオープン…というだけで、ゴージャスという他ないS660。技量を問わないミッドシップらしい走りに「アジャイルハンドリングアシスト」というハイテクが激効き。200万円を切る「β」グレードでも、走りに関わる装備は同じだ。

世界的にも数少ない大スペクタクル技術がゴージャス!

一方で軽というワクがあったからこそのS660の魅力も多い。その最たるものが64馬力という自主規制のエンジン。エンジンが控えめだからこそサスペンションも必要以上に固める必要もなく、ボディ剛性に余裕が生まれた。だからS660に乗って思うのは「速い・曲がる」より「乗り心地がいい・しっかり」というゴージャス感なのだ。

もうひとつ、「気軽な軽スポ」というS660の基本思想を象徴しているのが「アジャイルハンドリングアシストシステム」である。これはホンダだとレジェンドや新型NSXに採用されているもので、走行状況に応じて四輪のブレーキを独立制御して曲がりや安定性を高める黒子ハイテク。

S660程度のパワーなら、これがなくても十分に成立しただろうが、誰でも安全にミッドシップらしい走りを体感するのに効果的。軽のワクを超えたハイテクである。

その点、コペンは走りの基本部分はほかのダイハツ軽と共通のFFレイアウト。ただ、実質的に軽専業のダイハツにとっては技術やセンスを見せつけるフラッグシップでもある。注がれた情念や技術に出し惜しみは一切ない。

なんせ、世界的にも数少ない電動格納ハードトップという大スペクタクル技術が軽に…というだけでゴージャス。しかもボディは世にも珍しい着せ替え式で、買った後も別のクルマに変身させることができるのだ。ゴージャス!

ダイハツ「コペン ローブS」 車両本体価格:201万9600円 諸費用:8万1080円 オプション:29万520円(アルティメットスポーツパックほか) 合計:239万1200円基本的にギリで200万円を切るコペンだが、ビルシュタインダンパーやレカロシートなどの有名ブランドパーツで固めたローブS(のMT車)だけがオーバー200万円となる。電動開閉「アクティブトップ」はスイッチオンから約20秒でオープンに。オープン時も最低限の荷室は確保される。

英国の伝統的マシンが世界を股にかけゴージャス!

軽スポの最後は、輸入車の変わりダネ。英国から輸入されるケータハム・セブンの軽登録モデルで、いわば「軽タハム」である。

軽タハムのアイデアは、そもそもケータハムの日本代理店の「エンジンとボディをちょっと変えれば、軽になるじゃん!」という思いつきによるもので、エンジンから変速機、そしてリアアクスル…までが日本のスズキ製(大ざっぱにいうと、ジムニー2WDと同じもの)。日本で生産された心臓部が英国まで海を渡って、軽タハムとなって日本に戻ってくる…という、世界を股にかけたゴージャス生産。

ケータハム自体が少量生産輸入スポーツカーなので価格のことをとやかく言うのはかわいそうだが、ベース価格はなんと400万円オーバーで、しかもその状態ではフロントウインドウすらない! これはもう、超ゴージャス!!

ケータハム「セブン160」 車両本体価格:413万5000円 諸費用:15万7680円 合計:429万2680円最高出力が軽自主規制ワクを超える80馬力のスズキ製エンジンを搭載。そしてリアをナロー化することで軽ワクに収めた伝統の名スポーツカー。価格は目ん玉が飛び出るほど高いが、維持費は軽!

●発売中の『週刊プレイボーイ』27号では、さらに動くホームセンターから最新自動ブレーキ、軽キャンピングカーまで徹底解剖しているのでお読みください!

(取材・文/佐野弘宗 植村祐介 友清 哲 撮影/池之平昌信 岡倉禎志 山本尚明)

■週刊プレイボーイ27号(6月22日発売)「ゴージャス軽自動車 5ジャンル18台大図鑑」より