発売されて100年以上になるコルトの大定番、M1911。各国の特殊部隊から絶大な信頼を誇る拳銃だったはずだが?

アメリカの老舗銃器メーカー・コルトが6月15日、日本円で約438億円の負債を抱え経営破綻ーー。

そんな報道が日本の銃器マニアに衝撃を与えた。しかしコルトといえば、『ルパン三世』の銭形警部の愛銃コルト・ガバメントから『シティーハンター』冴羽獠(さえばりょう)のパイソンまで、映画やアニメ、ゲームなどでも大人気の銃器メーカーだったはず。それが、なぜ破綻?

銃器関連の書籍を多く手がける作家の小峯隆生(たかお)氏は語る。「俺が初めてガバメントことM1911をバンバンって撃ったのは1983年…。もう、弾丸がズコーン!って夕日に吸い込まれるの! それが美しいんだよ。あとな…(以下、2時間熱弁)」

コルト破綻の理由を!

「コルトの主力商品、M1911シリーズは1911年に発売されたもの。これをほぼアップデートせずに売り続けていた。クルマにたとえたらフォードが『T型フォード』を現在も現役で売っているようなもの。破綻して当然!」

しかし、数多くのエンタメ作品で活躍するほど、M1911は人気だったのでは?

「M1911の製品特許が1986年に失効してからは、他の銃器メーカーが自由にM1911のクローン製品を作れるようになった。それが破綻に影響している。だって、他の銃器メーカーのM1911系のほうが性能いいから」

では今後、純粋なM1911は消滅する?

「それはない! M1911は20世紀、21世紀のアメリカが行なった戦争にすべてに参加し、現在でも強力なパワーと抜群の操作性で特殊部隊員が最も信頼する拳銃。アメリカの戦争の歴史であるM1911は今後も整備され、戦場で活躍し続けるでしょう!」

(取材・文/直井裕太 写真提供/小峯隆生)