喜多見電車基地では、映画に登場するロマンスカーを前に、くす玉を割る『ロマンス』出発式を開催

7月15日、都内にある小田急電鉄の喜多見電車基地で映画『ロマンス』の記者会見が行なわれ、主演の大島優子大倉孝二と監督のタナダユキが登場した。

この映画は大島優子演じる北條鉢子がロマンスカーのアテンダント(車内販売員)役ということで、小田急電鉄が全面協力。普段はなかなか許可の出ない、駅構内や車内でのシーンもふんだんに取り入れられている。

そんな経緯から、この日の会見を行なったのが喜多見電車基地。鉄道ファン向けのイベントでも開放されることのない、オタにとっては垂涎(すいぜん)ともいえるレアな場所での開催となった。

当然、この日も通常の運行通りに稼働しており、電車が真横を通過するためオープニングのくす玉割りも時間調整がされるなど電車基地内ならではの進行もいつもと違い、異例。

さらに会見も、実際に撮影が行なわれたロマンスカー「MSE(60000形)」の車内ということで、もちろん停車中の車内ではあったが、鉄道オタクの週プレ記者が覚えている限り、映画会見でのケースはないと断言。

くす玉割りの直前、隣の線路に「LSE(7000形)」が通過。線路上に集まった、多くのカメラマンがその撮影をしていたが、その中でも最前列右端に座る鉄オタの週プレ記者はいち早く反応し、カメラを構えていた

砂利が敷かれ、歩きにくい線路を歩き登壇する出演者たち。これも鉄オタにはたまらないはず…。また、普段は行き先などを表示する車両の電子掲示板もこの日は「ロマンス 8・29公開」と映画バージョンに

 

撮影の裏話も公開!

左から大倉孝二、大島優子、タナダユキ監督。よく見ると、大島のネームプレートには役名である「北條」の文字が

さて、アテンダントの制服姿で登場した大島だが、歩き方や立ち振る舞いも本物そっくりで、車内を歩いている姿を見て、思わず声をかけてしまいそうになったほど…。

そんな役を演じたことついては「生半可な気持ちではできないなと思いました。列車が動いている中で60キロのカートを動かすのがとても大変で。あと、言葉使いやお客様への対応とか、レディとしてのお行儀をすごく学べた気がします」と振り返った。

その大島について、タナダ監督は「忙しい合間に練習をしていただいたんですけど、本物のアテンダントの方がびっくりするくらい上達していました。私もちょっとだけカートを押してみたんですがとても難しかったです」と、飲み込みの早さに驚いた様子だった。

ただ、やはり撮影は大変だったようで、走行中の車内で撮影したことに大倉は「新宿から箱根への往復移動の間に撮らなくてはいけなかったんですが、結構押しちゃって。最後の大島さんと僕の車内でのシーンは代々木八幡過ぎてて…」と、あと数分で新宿に到着してしまうギリギリのスケジュールだったことを明かした。

映画『ロマンス』は8月29日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国公開。またそれに合わせて大島優子の車内アナウンスが7月18日(土)~9月6日(日)まで、「VSE(50000形)」、「MSE(60000形)」で運転されるロマンスカーで放送される。映画コラボのフローズンフルーツバーも車内限定で発売されるということなので、ぜひ映画を見て、ロマンスカーへ乗りに行ってはいかがだろう。

普通に乗車するならゆったりした座席で通路幅も余裕があるロマンスカーの車内。しかし、この日は50以上の媒体が集まったため、ごった返してしまい、撮影は2車両に分けることに

(取材・文・撮影/関根弘康)