「私たち、無料です。」のキャッチフレーズで話題となり、一気に注目を浴びた“フリー素材アイドル”MIKA☆RIKA

昨年末、「私たち、無料です。」のキャッチフレーズで突然話題となった、MIKA☆RIKA

1千点以上の写真や動画、声の著作権を放棄し、それらの素材が誰でも無料で自由に使える「フリー素材アイドル」として一気に注目を浴びると、企業などからニーズが殺到。

その活躍が評価され、7月中旬に発表されたモバイル広告及びモバイルマーケティングのクリエイティビティを競うモバイル広告賞「コードアワード2015」で“パブリックベスト賞”と“ベスト・イノベーション賞”をW受賞!

そんな勢いに乗る彼女たちが、受賞報告を兼ね、セルフPRすべく編集部にやって来てくれたので、MIKA☆RIKAって何者?って素朴なところから根掘り葉掘り聞いたみた!

-MIKA☆RIKAって、そもそも何屋さんなんですか?

MIKA 双子のヒップホップユニットをやっています。2013年11月にファーストシングル「FUNKY OL~仕事したくないよ~」でCDデビューしました。この時のリリックは餓鬼レンジャーのポチョムキンさんに書いてもらったんです。今年の4月には、サードシングル「MIKA☆RIKA QUEST」をリリースしてます。

-双子のラッパーが、なんで「フリー素材アイドル」になったの?

MIKA ファーストシングルが出て半年間、なかなかMIKA☆RIKAという存在が広がっていかなくて。元は会社員だったんですけど、会社を辞めたことも後悔することもあったくらいでした。

MIKA それを見かねた事務所の社長が、知り合いの広告代理店の人に「予算はないんだけど有名にしてくれ!」ってお願いしたところ、画像などが誰でも自由に使える「フリー素材アイドル」っていうアイデアが出てきて。とにかく顔を売ろうってことでやることになりました。

贈賞式では「みなさんのおかげで素晴らしい賞をいただく事ができました」と笑顔でコメント

PV数増えてるだけで幸せですよ!

(左)妹のRIKA (右)姉のMIKA

-フリー素材って、見方を変えると、自分の顔が世間にバラ撒かれてしまうことになるけど抵抗感はなかったの?

RIKA それは考えたんですけど、とにかく売れなかったし、社長から「そんな形でも使ってもらえれば成功だろ!」と言われて覚悟が決まりました。

-もしや、エッチなお店の看板になってたりする可能性だってね(笑)?

MIKA そういう使い方は禁止してますけど(笑)、当時はそれでも顔が売れることが大事だと考えていました。

-街で顔を指されたりするようになった?

RIKA ふたりで歩いていると気づかれることが多くなりましたね。「フリーのコじゃない?」とか「無料の双子じゃん!」とか。

-なんか「無料の双子」って、エッチな響きが(笑)。で、スタートして、どのくらいで反響を実感したの?

MIKA すぐに話題になりました。フリー素材の特設サイトをオープンした日にアクセスが集中して。サイトが落ちちゃうほどでしたから。

RIKA ヤフーニュースのトップにも載って、フリー素材は初月だけで30万ダウンロードを突破しました。その結果、井村屋さんや山芳製菓さんなど多くの企業広告に使われることになって。

-すごい! それでCDも売れるようになった?

MIKA ライブのオファーは増えましたね。あと新聞、TV、ラジオなどのメディアに出る機会も増えたので、顔は確実に売れてます!

RIKA ブログやツイッターのアクセス数も激増しました。あと、ユーチューブに上げているPVの再生回数が2万から4万に。

-2万から4万!? ちょっと微妙~(笑)

MIKA 増えているだけで幸せですよ! ふたりでNHKのドラマ(「美女と男子」)を見ている時に、喫茶店に置かれている本の表紙に私たちの画像が使われていて、すごく嬉しかったですね。

RIKA 他にはツイッターやフェイスブックのアイコンにする人も出てきてますね。

こんなふざけた歌、周りの社員はどう思うんだ!

(左)妹のRIKA (右)姉のMIKA

-でもフリー素材を使ったPRってすごく効果的だけど、誰も真似してないよね?

RIKA それはそうでしょうね。結局、無料なんでお金になりませんから。

-うーん、諸刃の剣ですね。

MIKA その一方で、ユーザーの方は商用もOKなので、許諾不要でグッズを作って商売することができますよ! そういえば、ライブに来るファンの人でTシャツ作っている人がいましたね(笑)。

-ところで、さっき「元は会社員だったんですけど」って言ってましたが…。

MIKA そうなんです。自分で言うのもなんですが、姉妹そろって大手企業で働いていました。RIKAはシステムエンジニアで仕事が大変だったみたいで毎日残業や休日出勤までして頑張ってたんですが、私は効率良く仕事をして、5時ピッタリに帰るようなOL(商社)でしたね。

-双子なのにキャラが違うんだ(笑)。OLさんがなんでまたヒップホップの世界へ?

MIKA 以前から知り合いだったDJの人に誘われて。ラップを知るためにライブを観に行くようになって。そんなことをしているうちにその世界の大御所の餓鬼レンジャーのポチョムキンさんと出会って、リリックを書いてくれることになって。それが大きな転機でCDデビューすることに。

RIKA 私は、最初は歌ったり人前に出るのが恥かしかったんですが、とりあえずやってみようかぐらいの気持ちでスタートしました。

-今、ヒップホップをしていて、どんな瞬間が楽しいの?

RIKA 会場と一体感が生まれる時ですね。セカンドシングルに「下っ端」って曲があって、私もそうですけど、誰にでも下っ端時代があって、それを会場にいるみんなが思い出しながら曲に合わせて全力で「下っ端」って叫ぶんですが、そういう瞬間が楽しいです。

-最初は会社には内緒で活動してたとか?

RIKA そうなんです。会社に内緒でやってたので、ファーストシングルが出た時にバレて会社に呼び出されて「ふざけてんのか! 仕事したくないのか?」って怒られて。「歌ですから、趣味ですから」って反論したんですけど、「こんなふざけた歌を歌って、周りの社員はどう思うんだ」って。

ラッパーですが、PUFFYを目指してます!

(左)妹のRIKA (右)姉のMIKA

MIKA 私も人事部に何度も呼び出されて「芸能活動をするなら会社を辞めます」っていうような誓約書を何枚も書かされました。当然、副業禁止でしたが、その時点では売れてなかったので「副業じゃありません。趣味なんです」と反発してました。「周りは芸能活動をしてるって言ってる。そういう目があるってことは、それは副業なんだ」ってねじ伏せられたりして。

RIKA 私も周りに知られるようになると、普段は気づかないふりをしながらも仕事中に検索して、横で私たちのPVを見ている同僚がいましたね(笑)。

-会社バレからどのくらい働いたの?

MIKA 私は1年くらいかな。

RIKA 私は最近まで働きましたね。

-生活に不安はなかったの?

MIKA そりゃあ、不安ですよ! それで「フリー素材アイドル」へとつながるわけです。

-なるほど! ではラッパーとして目指しているアーティストなんているんですか?

MIKA ジャンルは違うんですが、イメージ的にはPUFFY(パフィー)さんですね。雰囲気とか立ち位置に憧れています。

-確かに、MIKAとRIKAのふたりはラッパーらしからぬ衣装ですもんね。それで、今後どうしたいとかは?

RIKA フリー素材アイドルはまだまだ続けていって、名前が知られるようになったら、もっと大きなステージに立ちたいですね。今はまだ都内の会場が多いですが、東京を出て全国ツアーしたいです。

* * *ヒップホップ界のPUFFYを目指すMIKAとRIKA。ゴリゴリのミュージシャンとは違う、脱サラ組としての経験を生かし、従来のヒップホップの型にははまらない新境地を開いてくれることを期待しております!

(取材・文/週プレNEWS編集部 写真/OBC)

MIKA☆RIKA (みか・りか)大手企業の元OLのMIKAとシステムエンジニアのRIKAから成る双子姉妹のヒップホップユニット。2013年11月、1stシングル「FUNKY OL~仕事したくないよ~」でCDデビュー。2014年12月、著作権を放棄し、画像・音声などの素材が誰でも無料で使えるという「日本初、フリー素材アイドル」として話題となる。2015年4月、3rdシングル「MIKA☆RIKA QUEST」をリリース