映画、TV、舞台、グラビアなどで活躍し、先日ソロシンガーとしてメジャーデビューも果たした飯田里穂

アイドルを題材にした人気アニメ『ラブライブ!』の星空凛役で大きな注目を集めているのが飯田里穂だ。

りっぴー”の愛称で知られる彼女は、23歳のマルチ・アーティスト。10歳でNHK番組「天才てれびくん」に出演し映画、TV、舞台、グラビアなどで活躍。高い人気を誇ってきた。

そんな彼女がソロシンガーとしてメジャーデビュー。去る7月29日にリリースされたファーストアルバム『rippiーrippi』はアップテンポなポップスから、しっとりしたバラードまでバラエティに富み、その魅力を十二分に表した意欲的な一枚となっている。

りっぴーといえば、『週刊プレイボーイ』本誌や「週プレNEWS」でもグラビアからエガちゃん(江頭2:50)への取材まで、これまでも浅からぬ縁が。そこで是非話を聞かねば!と現在の心境を聞きに伺った。

* * *

―ご無沙汰してます! いや~、グラビアからエガちゃんへのムチャな取材までいろいろお世話になりました!

飯田 エガちゃん! やりましたね~。あははは。懐かしい!

―今は『ラブライブ!』の星空凛役で声優として大活躍中ですが、ソロシンガーとしてもメジャーデビュー! 前々から歌をやりたい気持ちはあったんですか?

飯田 ありました! それに『ラブライブ!』のイベントでも声優さん同士でライブをやって、音楽で人と人が繋がる面白さを学んでいたので、ますますやってみたいと思って。

―今回、ようやく念願が叶ったと!?

飯田 はい(笑)。でも嬉しい反面、レコーディングの途中まで不安だったんですけどね。

―それはどうして?

飯田 だって飯田里穂のアルバムですから。星空凛じゃなくて(苦笑)。みんな、私の歌を聞いてくれるかなって不安だったんです。で、始まったら始まったでレコーディング初日に泣いちゃって。

重い女だよなって…

―え、泣いた!? 一体なぜ?

飯田 自分のアルバムだって思いが強すぎて歌えなくなったんです。気持ちの上では自分らしく歌ってるつもりなんです。でもスタッフからは違うって。そのうち何が正しいのかわからなくなっちゃって。

―力みすぎたのかなぁ。で、どうしたの?

飯田 別の日に歌いやすそうな曲から、録り直し始めて。最初は「あなたがいたから」って曲だったんですけど、それがよかったんでしょうね。自分の気持ちをうまく乗せられた手応えがあって。

―なんでもない日常の中の幸せに感謝する曲ですよね。

飯田 そうそう。今こうしていられること自体が幸せなんだから余計なことを考えず、自分を素直に出せばいいんだって思えて。そう思ったら自然と他の曲も歌えるようになってたんですよ。

―それにしてもこの作品、アップテンポで可愛いポップスもあれば大人っぽいバラードもある。実にバラエティに富んでますね。

飯田 「りっぴーって、元気で明るいよね」って普段よく言われるんですけど、そうじゃない部分だってあるんです(笑)。だからいろんな自分を出したいなって。

―歌詞まで自分で書いてるそうで。「7月29日」って曲名はこのアルバムの発売日のこと?

飯田 はい。こうしてCDが出せるのはファンの皆様のおかげだと思うんですよ。だからその気持ちを伝えたいなって。でも作詞って難しいですね。最初、感謝って気持ちが強すぎて「あふれ続ける」とか「ずっと」とかそんなフレーズばかりで。読み返して重い女だよなって思いつつ何度も書き直しました(笑)。

―あははは。改めて聞くけど、そもそも声優にはなぜ?

飯田 『ラブライブ!』の話を聞いて、オーディションを受けたんです。自分では無理だと思ってたのになぜか受かっちゃって。

『ラブライブ!』がこんなになるなんて!

―前にやったことあったんだっけ?

飯田 全然。だから最初、何もわからなくて。リハブイ(リハーサルVTR)って、秒数が隅っこに出てるんですけど、それを見て自分のキャラの出てる時間を台本に書き出すみたいな。あとスタジオではどこに座ればいいのかとか…「かむ」「かまない」とか以前に声優の仕事を一から学びましたね(笑)。

―スタジオでは緊張します?

飯田 それがそうでもないんです(笑)。共演させていただく方たちに同年代が多いんですよ。だから物語同様、友達感覚でやれちゃって。それがすごくよかったですね。

―いいムードが伝わってきますよ。だからシーズン2が始まったり劇場版が始まったりと人気につながってるというか。

飯田 そういう部分はあるでしょうね。でも『ラブライブ!』がこんなになるなんて信じられなくて。私たちが一番びっくりしてます。劇場版がそういう内容で、主人公たちがいきなり人気者になって戸惑うんですけど、そんな感じ(笑)。

―どこに行ってもファンが熱いのでは?

飯田 この間も熊本、鹿児島にファンミーティングしに行ったんですけど、すごかったです。熱気がある上、会場にはめちゃ大きな「ようこそ!」の幕が飾ってあったりして。ありがたいですよね。

―そんな大人気で普段、休みの日はどうしてるの?

飯田 ずっとTVを見てますね。朝9時に起きて、あれ、もう夜中の2時? やばい寝なきゃみたいな(笑)。あと最近ブルーレイを買ったのでDVDもよく見ます。ま、ほとんど家にいますね。

―リアル・てれびくんですね(笑)。じゃあ外出はまったく?

飯田 私、お祭りが好きなんで「祭り一覧」みたいなのをネットで調べて、妹を誘って行くことはあります。縁日をうろついたり盆踊りを踊ったり。

私、ラッキーなんです(笑)

―そこはアクティブなんだ。ちなみに23歳だけど、実は今年がデビュー15周年なんですよね!

飯田 あははは。そうなんです。デビューが早かったんで。

―これまでいろんな仕事をされて、一番は?

飯田 それ、よく聞かれるんですよね(笑)。でも、どのお仕事も気持ちを伝える点で一緒だと思うんです。声優さんなら声をあてて姿は見えないけど、キャラの気持ちを言葉で伝えてるわけで。舞台でもグラビアでもそう。一番はないかな。ただ、今はアルバムを出して曲もあるんで、ライブをやりたい気持ちがすごく強いです。

―今やっている仕事が一番、みたいな?

飯田 というか、私、チャレンジャーでいたいんです。常に新しいこと見つけ、そこに全力を注いでいきたいというか。

―15年のキャリアがあればこそでしょうけど、こんなふうに歌、声優とさらに挑戦できる人ってなかなかいないですよ。

飯田 そうそう。私、ラッキーなんです(笑)。でも15年間、それを繰り返してきたんで、デビュー25周年も30周年もそれは変わらない気がします(笑)。

―ではグラビアもまたお願いしますよ。

飯田 あ、そうですね、またやりたいです(笑)。今までやってきたことも、もちろん大切にしていきたいし。そして常に新しいことに向かってゼロからチャレンジしていく、飯田里穂を見守ってほしいですね。

(取材・文/大野智己、撮影/石川耕三)

 

■飯田里穂 Iida Riho10月26日生まれ。埼玉県出身。2002年『天才てれびくん』に出演。テレビ、舞台、CM、ラジオなど活動の幅を広げ、2013年にアニメ『ラブライブ!』の星空凛役で声優デビューを飾る。2015年1月には作中のスクールアイドルμ'sとしてさいたまスーパーアリーナでの公演を実現するなど社会現象に。その他、アニメ『レーカン!』上原佳菜役、アニメ『VENUS PROJECT -CLIMAX-』流華・ソバガスキー役なども。https://twitter.com/rippialoha