映画のオリジナルキャラクター・ヒアナを演じる水崎綾女。原作にはいないキャラだが物語では重要な役どころだ!

同名の原作(著:諫山創[いさやまはじめ])はもちろんのこと、今月1日の公開から13日までに動員138万人、興行収入18.4億円の大ヒットとなった実写版映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(樋口真嗣監督)。

さらに完全連動し、映画にはない物語を描いたドラマ、dTVオリジナル『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 反撃の狼煙(のろし)』も8月14日より配信され話題になっている。。

どちらも原作とはストーリーも変更され、新たなキャラクターも登場。そのひとりが、セクシーな役柄から特撮などアクション作品でも活躍する水崎綾女だ。

水崎が演じる“勇猛なる母性”とキャッチフレーズの付けられたヒアナは、シングルマザーという設定で、今作では物語の大きなカギとなる人物。すでに観た人も多いと思うが、本人にその撮影の裏話を明かしてもらった。

―最初に役が決まった時はいかがでしたか?

水崎 役が決まってすぐ、全部揃えたんですけど、すごいハマっちゃって1日で読んじゃいました。でも、読んでいる時からこんな大きな作品の役が決まったんだっていうプレッシャーや、自分が出演してみんなに受け入れられるのかなっていう不安がどんどん大きくなっていきました。

―まだその時は読んでなかったんですね。

水崎 漫画がすごい大作なのは知っていて、いつか読もうと思っていたんですけど、まだ読んでなかったんですよ。『修羅の門』(※)とかも好きなんですけど、漫画は完結して一気に読む派なので。※1987年から『月刊少年マガジン』(講談社)で連載されていた川原正敏による格闘マンガ。今年6月に第2部となる『修羅の門 第弐門』が完結した。

―今回は実写版でしか登場しない新キャラクターでしたが、そのプレッシャーもありました?

水崎 それは逆になくて、世界観にマッチするのかなっていう不安はすごくあったんですけど、新キャラクターだからこそ自由に演じられるなという思いのほうが強かったです。原作のキャラクターのキャストの皆さんのほうがプレッシャーは強かったんじゃないかな。

―確かにそれぞれ個性が強く、また愛されていますからね。

水崎 この間、大竹まことさんに「原作を3巻まで読んだんだけど、ヒアナが出てこない。ヒアナはいつ出てくるの?」って言われました(笑)。今後映画から原作に登場するのが希望です。

―原作に登場するとしたら、どんな形で登場したいですか?

水崎 シングルマザーという設定はすごく面白いと思うので、映画のままの設定で登場できたら面白いなと。お母さんと子供を同じ人が演じるパターンってよくあるじゃないですか。なので、子供の何年後かの役でもいけるなって思いました(笑)。

セクシーシーンは当日急遽追加されて…

―まだ原作も謎が多く、何が起きるかわからないから可能性はあるかもですね! ちなみに役作りなどで原作の諫山先生に相談したりは?

水崎 諫山先生ではなく樋口監督と話はしましたね。観ていない人もいると思うのであまり詳しく言えないですが、ヒアナってエレン以外とはあまり関わり合いのないキャラクターなんですけれど、原作にあるミカサとエレンの関係性とは違いを見せられたらいいねって、何度か話してました。

―なるほど。

水崎 あと、やっぱり女性ですから、いつか自分が子供を産んだ時に同じ状況だったら闘いにいくよなとは思っていたんですよ。ずっと一緒にいたいんだけれど守らければならないモノがある人と、ない人では強さが違うというのも見せられればと感じてました。そこに女性はみんな共感してくれるんじゃないかなと。

―劇中ではエレンと一緒にいたわけですけど、女性として惹かれる部分っていうのはありましたか?

水崎 真っ直ぐなところはいいですよね。すごい野望があるというか、壁の中での生活が嫌だと思い、そういう何かを変えようとする人なので…人を引き付ける磁石みたいな人ですよね。少年なので上手なやり方を知らないんですけれど、知らないだけで「何かを変えたい」「このままじゃダメだ」という思いは伝わるので、そういうところに惹かれますよね。

―ちなみに劇中では唯一、セクシーシーンがありますけど…。

水崎 あのちょっとセクシーなところは当日になって監督に言われたんですよ! シーン自体は台詞だけだったんですけど、急遽追加されたところなんです。その後のシーンとのギャップを出したかったのかなと思います。

―確かにその直後のシーンは驚きました!

水崎 あのシーンも1日中ローション風呂に入って、足の先から頭の先までずっとじゃぽんじゃぽんとローションにまみれて大変でした。休憩中、それを落とす時もお風呂に浸かっていたので、肌がふやけて、ふやけて(笑)。

―ローション風呂って(笑)。

水崎 それだけじゃなくて、とにかく撮影中はとことん汚くされたんですよ。朝からはったい粉(※)をまぶされ、爪に泥を入れられ…。朝のロケ弁っておにぎりなんですけれど、持ってると黒くなるんですよ。そういうのもある意味役作りにはなったんですけどね(笑)。※大麦を挽いた粉。撮影では土埃などを再現する際にしようする

ハロウィンは六本木で巨人を駆逐!?

―でもあのセクシーシーンはドキッとしました。水崎さんってデビューはグラビアですもんね?

水崎 平成生まれのFカップ(笑)。

―ですよね! 2004年だからもう10年も経つんだなと。

水崎 そうなんですよ。最近、過去のことですごい出されるんですけれど、今は普通すぎて恥ずかしくて(笑)。もう今は「平成生まれ」も「Fカップ」も普通ですもんね。その時は「平成生まれのFカップ」がいなかったんですよね。今はもっと大きい人もいるし、21世紀生まれの人とかもいるからあんまり書かないで欲しいくらい恥ずかしいです(笑)。

―スイマセン! 失礼いたしました! でも素敵な体形のままで、衣装もお似合いでしたよ。

水崎 ありがとうございます(笑)。コスチュームも全部オーダーメイドで、みんなの体型に合うように作っているんですよ。そういえば私、サバゲ―をやっているんですけれど、サバゲ―のフィールドに行くと進撃の巨人のコスチュームをしている人が結構いるんです。

―そうなんですか! 確かにある意味、戦闘服ですもんね。

水崎 そうそう。あと今年のハロウィンは進撃の巨人のコスプレをしている人が多そうだなって。六本木とか絶対、巨人いると思いますよ! だからその時は駆逐しに行こうかなと(笑)。

―立体機動装置で六本木ヒルズから飛ぶわけですね(笑)、それは見たい! ちなみに本編以外にdTVオリジナル『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 反撃の狼煙」にも登場してますが?

水崎 そうなんです。ドラマの方ではリルの相談役みたいな、お姉さんというか、母としてアドバイスをしていたりして、ヒアナの人間味が溢(あふ)れているので面白いですよ。

―本編も含めてですけど、水崎さんというとアクションというイメージだったので、正直意外な感じでした。

水崎 そうですね。でも逆に言えば、アクションとは別の部分で私を買ってくださった方がいるので、水崎綾女にとっては大きな進歩だったかなと感じます。今までの私を知っている方にはいい意味で期待を裏切れると思いますしね。

それに、今までの私を知らなかった方は、アクションができるというイメージが全くないままこの作品に入ると思うので、観てもらってその後、違う作品の時に「あ! できたんだ!!」って思ってもらえると、ギャップがあっていいかなって。

―確かにそうですね。まだ観ていない人は要チェックですね!

水崎 そうしてもらえると嬉しいですね。

水崎綾女(Misaki Ayame)1989年4月26日生まれ、兵庫県出身2004年、グラビアデビュー。近年は映画『ユダ』やドラマ「相棒 season13」(テレビ朝日系)などに出演し話題に

■映画『進撃の巨人』公式サイト http://www.shingeki-seyo.com/index.html■dTV『進撃の巨人』特集サイト http://pc.video.dmkt-sp.jp/ft/s0000778

(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/五十嵐和博)