元気よく跳ね回るのは週プレ釣り部初の走水アジだ!

以前、釣った金谷の「金アジ」とは対岸の神奈川県走水沖に棲息し、金アジに並ぶプラチナアジ「走水アジ」をターゲットに釣りへ赴いた週プレ釣り部。

なかなか釣れないでやきもきしているところに出会ったのは、意外な人物だった!

***知る人ぞ知る超有名なブランドアジ・走水のマアジ。ここ走水港には約10隻のアジ釣り専門船があるが、年間を通じてファンが多く、釣り客が絶えない。今回はその中でも老舗の船宿「関義丸」さんに乗船した。平日にも関わらず満席状態と、人気が窺える。

そしてこの日は、どうしても釣り友K氏が同乗できず、人生で2度目の釣りとなる本誌編集K氏が同行することになった。アジ釣りであれば素人でも釣れるだろうと伝えるとやけに嬉しそう。何やらやりたいことがあるらしい…。

走水港に7時前に集合し、受付へ。編集K氏は道具もないのでここで一式借りる。諸々手続きを済ませて、関義丸は7時半に走水港を岸払いした。

船は港から真っすぐ沖へ。目の先の房総半島がやや霞んで見える。ものの10分程度で最初のポイントに着いた。ここは水深50m、観音崎灯台が左前方に見える。遠巻きに他の釣り船が点々としている。ある船が釣れ出せばみんな集まって来るのだろう。

我々は右舷胴の間(船の真ん中)に構えた。K氏は以前の釣りで教えた仕掛けに戸惑っていたが、なんとかできたようだ。

船が停止し、船長の合図で釣りがスタート。第1投目、やや濁りの海中に仕掛けは沈んでいった。着底したら1m上げてコマセを出しながら、さらに1m上げる。底から2mにビシがある状態だ。仕掛けは潮流に流されて真横になっている。コマセの煙幕が仕掛けに沿って流れるイメージだ。

出会いのきっかけはお祭り?

平日にも関わらず、満席状態の「関義丸」

連日の猛暑日で表面水温が高く、このところアジの食いが渋り気味。スポーツ新聞の釣果情報を見てもパッとしていなかった。ジリジリする朝の陽ざしを浴びながら、せっせとコマセを振った。早くも汗が噴き出る。しかし、これだけたくさんの釣り人がコマセを出したら、アジは必ず寄ってくるはずだ。

とその時、横にいた編集K氏の左隣の釣り人に魚信(アタリ)があったようだ。穂先がクンクンしている。上がってきたのは本命の真アジだ。25センチくらいだろうか体高ある魚体だ。ん~、一番乗りを取られてしまったか。

とはいえ、アジが集まってきた証拠だ。そう思えば、コマセ振りに気合いが入る。…が、何度投げても魚信がこない! 焦りの色が濃くなる。しかもさっきの釣り人はまたまた連続で釣り上げている。よく見ていると手返しが早い! 魚を取り、すぐコマセを入れ仕掛けを落とす。アジ釣りに慣れた人か? 常連さんか? その後も、もう一匹あげたようで、とにかく右舷でひとりだけ目立っているが何者なんだ!?

「周りはポツポツ釣ってますけど、大丈夫ですか?」と編集K氏が余計なプレッシャーをかけてくる。

しばらくして魚信が少なくなったので場所移動。5分くらい走っただろうか、この場所は根が荒いらしく、ビシの棚取り(魚の遊泳層にビシを位置取りすること)は上から40mとの指示があった。

ここまで私と編集K氏はまだオデコだ。何が悪いのだろうか? 仕掛けは皆、船宿のものを使っているから同じだし…。と、その時、編集者の竿が曲がった。「あっ! なんか来ました! めっちゃ重いです」と叫ぶ。しかし、いきなり曲がりすぎだ、何かおかしい。

すると、先ほどの慣れた人が「私とお祭りですねっ! 巻きあげてください」と編集K氏に伝え、ハサミで自分の仕掛けをプツっと一太刀。編集者の仕掛けは切られていない。なんと手際がいいのだろうか、かなりデキる人だ。

週プレ釣り部にまさかのライバル出現!?

ついにアジがここまで! ラッキーヒットか!?

さらに、その人は釣れずに若干投げやりになっている編集K氏に何やらアドバイス。

「リールにある水深の数値は場所によっては大きく変わってしまいます。ラインを見て深さを測ってみると釣れるかもしれないですよ!」

…以前の釣りで教えていたはずだが、すっかり忘れていたらしい。本人も「あっ!そうだった」と気づいたよう。さらに、教えてもらった通りに編集K氏が待つと竿先に魚信が! クンクンと出ているではないか! これは間違いなくマアジの魚信だ。

「えっ、本当ですか!? どうしたらいいんですか!」と騒ぐ編集K氏。アワセを手伝い、そのままリールを任せると小柄ながらマアジが上がってきた。しかし、自分も釣りに集中しながら、赤の他人である隣の編集K氏の様子を見て、的確な助言を送った左隣のベテランさん、その鋭い洞察力には恐れ入った。

「えっ! スポーツ報知の記者さんなんですか!?」

アドバイスをもらい無事に連れた御礼をしていた編集K氏が驚きの声を上げた。スポーツ紙には大体、釣り記事が掲載されているが、なんと先ほどのベテランはその担当である、釣り記者T氏だったのだ! そういえば、確かに船宿「関義丸」に報知新聞指定の看板が掲げてあった…。

闘争心がふつふつと湧きあがってきた。スポーツ紙と雑誌メディア。媒体は違えど、同じ釣り記事を任せられている身としては負けてられない! かくして(個人的に)釣り記者対決が始まった!

※8月28日(金)発売のスポーツ報知に週プレ釣り部が登場! さらに9月4日(金)のスポーツ報知で次なる新たな戦いも!!

■今回お世話になった神奈川県走水港「関義丸」http://www.gyo.ne.jp/sekiyoshi/

<プラチナアジ釣りのタックル> ロッド:アルファタックル真潮V2.1m2本継ぎ。8:2の先調子。オモリ負荷60号 リール:SHIMANO電動丸800 仕掛け:幹糸4号、枝ス2.5号×25cmの2本バリ。(アジバリ11号)チモトに蛍光玉 道 糸:PE2号200m(1m間隔で白のマーク) 先イト:リーダーはフロロカーボン5号3m ビ シ:負荷130号の横目ビシ 付エサ:イカタン5㎜角(食紅染め) ショックゴム:1.5mm×30cm