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「なぜ、日本の裁判所はこんなに力が弱いのか?」安保法制違憲訴訟で問われる“矛盾の上塗り”

[2015年10月01日]

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今回の安保法制は「矛盾の上に新たな矛盾を積み重ねるようなもの」だと批判するファクラー氏

戦後70年を迎え、大きな問題が山積する日本の姿を海外メディアはどのように見つめ、報道しているのか?  

新連載「週プレ外国人記者クラブ」第2回は、前『ニューヨーク・タイムズ』東京支局長、マーティン・ファクラー氏を迎え、9月に参院本会議で可決、成立した安全保障関連法に対する最高裁判所の「違憲審査」について聞いた。

反対派の憲法学者らは違憲訴訟の準備をしているというが、はたしてそれはどの程度の効力が期待できるのか?

***

─安保法制には多数の憲法学者も「違憲である」との判断を示しています。また、安倍内閣の「立憲主義軽視」の姿勢を問題視する声も大きくなっている。立憲主義を担保するのは違憲審査制です。

ドイツや韓国は憲法裁判所という特別の機関を持っていますが、日本は米国と同じように最終的には最高裁が違憲審査を行なう制度ですね。

ファクラー 世界的には、たとえ国会で決めた法律や大統領令であっても裁判所の違憲審査で「違憲」の判決が下されたことによって、政府の決定が無効となった例が数多くあります。

米国の連邦最高裁も、1964年の公民権法制定に向けて大きな役割を果たしています。公民権法が制定される以前の米国では黒人差別が公然と行なわれ、それを認める法律も存在していました。

たとえば、南部の多くの州には「人種分離法」と呼ばれる州法がありました。それを根拠として交通機関や学校、レストランなどで黒人と白人の席を分けたり、白人専用の車両や店舗を設けることが認められていたのです。

そんな中、1955年に「モンゴメリー・バス・ボイコット事件」が起きます。アラバマ州モンゴメリーで公営バスの白人専用席に座っていた黒人女性に対し運転手が白人客に席を譲るよう命じ、女性がこれを拒否したために警官に逮捕され、州の簡易裁判所で罰金刑を言い渡されたというものです。そして、これをきっかけにマーティン・ルーサー・キング牧師らが住民たちに公営バスのボイコットを呼びかける事態に発展しました。

これに対し連邦最高裁は56年、「バス車内の人種分離を認めた州法は違憲である」との判断を下します。その根拠となったのは「いかなる州も合衆国市民の特権または免除を削減する法律を制定あるいは施行してはならない」と定めた合衆国憲法修正第14条です。

他にも54年には公立小学校で白人と黒人の分離教育を認めていた教育委員会に対して違憲判決を下すなど、連邦最高裁の働きが差別撤廃運動を展開する人たちを勇気づけ、公民権法の制定へと繋がっていったのです。

2015年には、連邦最高裁は「同性婚を認めないのは違憲だ」という判決を下しています。同性婚に関しては、米国の14の州で禁止されていて、96年には連邦法でも結婚を男女の関係に限定する「結婚保護法」が制定されていましたが、連邦最高裁の判断はそれも覆(くつがえ)しました。


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