２４歳になり大人っぽい雰囲気も出す波瑠。ファッション誌の専属モデルの経験もあるが、ワンピースは新鮮なのだとか

朝の連続テレビ小説『あさが来た』でヒロインを演じ、話題を呼んでいる女優・波瑠。

発売中の『週刊プレイボーイ』４４号では、表紙＆巻頭で彼女の清楚で大人っぽいグラビアを掲載！　そしてインタビューでは作品にかける思いを直撃してみた！

＊　＊　＊

―撮影お疲れさまでした。まず今回のグラビア撮影の感想をお願いします！

波瑠　楽しかったです。こういうワンピースって普段着ることがないし、新鮮でしたね。

―以前はファッション誌の専属モデルを務めていたこともありますけど、男性誌の撮影だと意識します？

波瑠　露出に関しては多少気になるけど、気持ちの上では普段の撮影と一緒です。ただカメラに向かうだけというか。

―さすが堂々としてますね。さて、ヒロインとして出演中の『あさが来た』が早くも好評ですけど、波瑠さん演じる「白岡あさ」は幕末から明治・大正にかけて活躍した女性実業家。事前に役づくりはしましたか？

波瑠　覚えなきゃいけないことが多くて、それを撮影前に１ヵ月間、みっちりやりました。京言葉と大阪言葉、そろばんとお琴、あと時代劇の所作も。撮影が始まった今も、やれる時は勉強しています。

―時代劇の所作（しょさ）というと？

波瑠　言葉遣いや動きが現代と異なるものが多いんです。でもそうした制約があるから、逆に何ができるのか自分で考えることも多くて。そこは現代劇にはない面白さです。

―朝ドラは大変だと聞きますが、本当にそうなんですね。

波瑠　大変です（笑）。スケジュールもタイトで、セットの都合上、順番を入れ替えて撮ることも多いし。あれれ？って思いながら必死にやっています。

―あさという人はパワフルなキャリアウーマンということですが、波瑠さん自身は共感する部分はあります？

波瑠　共感より「ふむふむ」って感じかな。事業でいったん成功したものの、その後ダメになってくじけかけるシーンがあるんですけど、あさは自分より周囲を励ますんです。ちゃんと言葉にして気持ちを伝えることが、当たり前だけど大事なんだなとか…いちいち勉強になりますね。

自分に自信があったことがない…

「とにかく自分がベストだと思う演技を見せて、それでダメだったら仕方ないなと思っていたのでーーそういう意味では朝ドラだからって特別な自分を出そうとかいうのはありませんでした。でも一方で、やっぱりいろんな意味で特別なドラマだなという気持ちもあるので…使命感のようなものは感じます」

―これまで撮影した中で印象に残ってるシーンはあります？

波瑠　相撲を取るシーンが割とあるんですよ。着物姿で相撲なんて取ったことないし（笑）、しかも激しい感情を表現するので、そこは難しかったです。

―なるほど。

波瑠　あと、当時は女性が相撲を取るなんて考えられない時代で、いかに型破りな女性かを示す大事なシーンでもありますし。

―そういえば、今回のオーディションでも相撲を取ったとか。波瑠さんの熱い取り組みが関係者に好印象だったそうですね。

波瑠　事前に渡された台本にたまたま相撲のシーンがあっただけで、特別「相撲を取るんだ」という意識はなかったんですけどね。ただお芝居に必死だったので、他の方より熱くなっていると思われたかもしれません。

―過去に３回、朝ドラヒロインのオーディションに落ちたそうですけど、それで力が入ったんですかね？

波瑠　それはないです。普段と同じように真摯（しんし）に臨んだだけです。ただ、昔に比べてオーディションを受ける機会自体が極端に減ったので、初心に戻るというか、気持ちは引き締まっていました。

―タレントになった当時はどれくらい受けていたんですか？

波瑠　毎日受けていました。２００連敗くらいしたんじゃないかな。

―えっ！　２００連敗？　それは心が折れたりしませんでした？

波瑠　しないです。元々、お芝居の経験もなかったから自分に自信なんてなかったですし、落ちて当然だと思っていたので。ただ、中途半端にやって落ちるのは悔いが残るから、昔も今もがむしゃらにベストを尽くすことだけは心がけています。

「その質問、答えにくいんです（笑）」

―じゃあ、今回受かった時は嬉しかったのでは？

波瑠　それが…話をちゃんと聞かされないまま記者発表に呼ばれちゃって。「嬉しい」より「え、決まったの？」って戸惑いが先でした（笑）。

―その他にも今秋は『グラスホッパー』『流れ星が消えないうちに』と出演映画の公開が続きます。特に『流れ星が消えないうちに』は事故で恋人を失い、心の整理ができないまま日々を生きる女子大生の物語。年齢も近いし、やりやすかったのでは？

波瑠　等身大で演じられましたね。でも切ないお話なので、演じながら自分もちょっとつらくなりましたけど。

―彼氏を亡くして以降、そのショックから玄関に布団を敷いて眠るという奇行を繰り返すようになってしまったという設定があり、実際に玄関で寝るシーンが何度も出てきますが…。

波瑠　実はあの撮影の時期、すごく忙しくて。布団に入るシーンは毎回、３秒で寝ちゃっていたんです（笑）。しかも真冬で寒かったので、監督さんから「もう布団から出ていいよ」って言われてからも、しばらく布団にくるまっていました。

―そんなおちゃめな面もあるんですね。最後に、今後は女優業に専念していくそうですが、やってみたい役はありますか？

波瑠　時々聞かれますけど、その質問、答えにくいんですよね（笑）。どんな役を演じていても、目が離せないような存在感のある女優を目指したいです。そのために日々感じるちょっとした心の動きを大切にして、普段自分が生きる姿がそのままお芝居につながればいいなと思います。

●発売中の『週刊プレイボーイ』４４号では表紙＆巻頭で彼女のグラビアを掲載！

（取材・文／大野智己　撮影／西田幸樹）

■波瑠（はる）　１９９１年６月１７日生まれ　東京都出身　血液型＝Ｏ型　最近、プライベートでハマっているのは、『あさが来た』（ＮＨＫ、毎週月～金曜８：００～）で共演中の宮﨑あおいさんの影響で始めたという刺繍。「ハンカチなどに自分の名前を入れたり、ちょっと図版を入れたり。とにかく楽しくて、やりだしたら時間を忘れて没頭してしまいます。ゆくゆくはスタッフや共演者の皆さんに、刺繍を入れたものをプレゼントしたいですね～」