30代から50代のポッチャリ系メンズ向けのファッション&ライフスタイル誌が登場

10月26日、日本初のポッチャリ系男性向けファッション&ライフスタイル誌『Mr.Babe(ミスターベイブ)』(大洋図書・税込み680円)が創刊される。

ターゲットとする読者は、30代から50代の肥満体形の持ち主。創刊号の発行部数は5万部で、将来的には月刊化を目指しているという。

過去に『メンズナックル』など、異彩を放つ若者雑誌を手がけてきた倉科典仁編集長が、『Mr.Babe』立ち上げに至るまでの経緯を語る。

「随分、ピンポイントに読者を絞っていると思うかもしれませんが、厚生労働省によれば、今や日本人男性の約30%が肥満の範疇(はんちゅう)。しかも30代から40代の男性を中心に、年々増加傾向なんです」

ニッチ層どころか、実はなかなかのボリュームゾーンに向けた雑誌なのだ。

「僕自身も170cm、87kgのポッチャリ体形なんですが、5年以上も前からこんな雑誌を作れないかと構想を練っていたんです。というのも、周りの30代ぐらいの女性と話をしていると、『結婚対象として、太った男性でも全然問題ない』という声が驚くほど多かった。そのぐらいの年齢になると、男の外見にこだわらなくなり、内面を重視するようになりますからね」

ただし、どんなデブでもいいわけではない…

ただし、彼女たちはどんなデブでも受け入れるわけではない。

「『清潔感があって、おしゃれで、人生に前向きなポッチャリさんならOK』というわけです。一方でポッチャリ男性の多くは、太っているというだけで考え方がネガティブになったり、おしゃれを始めから諦めていたりする。その構図が見えた瞬間、新雑誌のコンセプトが固まりました。

前向きに自分自身を磨きながらポッチャリというライフスタイルを楽しもうよ、むしろポッチャリを武器にしようよと提案できれば、少なからぬ人が共感してくれるんじゃないかって」

創刊号の表紙には映画『スクール・オブ・ロック』などで知られるポッチャリ系の米人気男優、ジャック・ブラックをフィーチャー。

そして誌面ではポッチャリ体形向けのファッションの提案や恋活・婚活特集、さらにはおいしい料理をがっつり食べられるレストランのガイドや、お笑い芸人の島田洋七、元プロレスラーの佐々木健介らへのインタビューなど、すべての記事がポチャメンのために作られているという徹底ぶりだ。

「イロモノ雑誌だと誤解される方もいらっしゃるんですが、ファッションページは真剣に作り込んでいますし、第一線で活躍するポッチャリ系有名人へのインタビューでは、聞き手の僕自身、勇気と自信が湧いてきました。この喜びを、ぜひ読者の皆さんにもお伝えしたいんですよ」

同誌は創刊前日の25日、ビールが飲める書店として知られる東京・下北沢の「B&B」で、倉科氏らによる記念トークショーを行なう。さらに、読者参加型イベント第1弾となる、古今東西の著名ポチャメンの写真展「デブ博」を12月に開催すべく、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING Lab」で現在資金を募集中だ。誌面の内容だけでなくPR手法もまたイケイケなのである。

日本初のポチャメン向けマガジンに、果たして勝機はあるか?