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フクイチ周辺にだけ発生する“怪しい霧”に“異様な日焼け”が警告するものとは

[2015年10月25日]

視界を遮る白い帯は撮影ミスでもレタッチミスでもない。昨秋頃からフクイチ上空に現れるようになった謎の霧が今回訪れた際も出現した

福島第一原発事故から4年半――。『週刊プレイボーイ』本誌では当時の総理大臣・菅直人氏とともに、“フクイチ沖1.5km”の海上から見た事故現場の現状をリポートしたーー。

フクイチで今も続いている危機は、前回記事(「元総理・菅直人が初めての“フクイチ”海上視察!」で指摘したベント塔の老朽化だけではない。事故発生以来、港湾内外の海水から検出される放射性物質の濃度も上昇するばかりなのだ。

これは構内の地面から流れた汚染水と、フクイチ施設の地下を流れる汚染地下水が海へ漏れ出ている影響としか考えられない。さらに、1~3号機から溶け落ちた大量の核燃料デブリが地中へメルトアウトして、地下水流の汚染をより高めている可能性もある。

そこで本誌は、フクイチ沖1500mの「海水」1リットルと、海底(深さ15m)の「海砂」約3㎏を採取し、専門機関に測定を依頼した。その結果、事故当時に大量放出された「セシウム137」(半減期約30年)と「セシウム134」(同約2年)が検出され、やはりフクイチ事故の影響が続いていることがわかった。

さらに重要なのが、セシウムと同じくウラン燃料が核分裂した直後に放出される「ヨウソ123」(同約13時間)が、何度か変化して生まれる同位体の放射性物質「テルル123」(同約13時間)も微量ながら検出されたことだ。

この海水は、採取1日後から約47時間をかけて測定したので、微量ながら「テルル123」が検出されたことは「採取の数十時間前くらいにフクイチからメルトアウトした核燃料デブリが核分裂反応を起こした?」という見方もできるのだ。

では「海砂」の測定結果はどうか。船上に引き上げた限りでは、泥を含んだ様子もなく、生きたハマグリの稚貝も交じるきれいな砂だった。しかし測定結果を見ると、海水よりも多くの放射性物質を含んでいた。

まず注目されるのが、核燃料そのものといえる「ウラン235」(同約7億年)と「セシウム134」「セシウム137」。それ以外に「タリウム208」(同約3分)、「アクチニウム228」(同約6時間)、「ラジウム224」(同3・66日)、「ユーロピウム」(同4・76年)など、セシウムよりも半減期が短い放射性物質もいくつか検出された。採取に立ち会った、フクイチ事故の汚染拡大パターンを研究する長崎大学院工学研究科の小川進教授(工学、農学博士)は、こう分析する。

「このウラン235は自然界にも存在しますが、やはり採取場所からみてフクイチ事故で放出されたと判断すべきでしょう。そして、これは放射線科学の教科書的内容ともいえる基礎知識ですが、ウラン燃料が原子炉内で核分裂すれば、今回この海砂から検出された、すべての〝短半減期核種〟が発生します。

しかし、もうフクイチの原子炉は存在しないので、これらの短半減期核種とウラン235の発生源は、デブリの臨界反応とみるのが理にかなっています。もしデブリが建屋の地中へ抜けているなら、海の汚染を防ぐのは至難の業になるでしょう。

ただ、ひとつ気になるのは、3号機だけで使われていたウラン+プルトニウム混合燃料(MOX燃料)のデブリから発生するはずのプルトニウムが、この砂から検出されていないことです。もしかしたら3号機のデブリだけは、まだ格納容器内の底にとどまった状態なのかもしれません」(小川進教授)


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