TVで見せる素の顔以上に本音全開?なトークを繰り広げる南海キャンディーズ・山ちゃん

あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』

前回の山寺宏一さんからご紹介いただいた第13回ゲストは、芸人で南海キャンディーズの山里亮太さん。

10年ほど前、人気がブレイクし始めてすぐ週プレ本誌で連載を持っていただいた縁もあり、そのアイドル対談時の裏側を明かしてもらったが、そこからモテやデート事情の話になると「きたな、モテ期!みたいな感じでいたら地獄でした」と自身の闇をカミングアウトーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)

―やっぱりそういうところで疑い深くというか、冷静になっちゃうんですね。

山里 いや、冷静になるために、そういうコに会う前に風俗行く時ありますもん、俺。合コン行く前とかも(笑)。

―それ、書いちゃってOKなんですか?(笑)

山里 まあ、うちなら大丈夫。僕は全然、店名さえ出なければ(笑)。やっぱ絶対、男女の関係って問題の根源は性欲じゃないですか? 性欲に理性を持っていかれた瞬間に間違いが起きるっていう。それがいいほうに転がっていくのもあると思うけど、僕みたいなタイプは絶対悪い方向に転がっていくんです。

そういう行為をするために付き合う、付き合わないっていうのをぼんやりさせながら、典型的な悪いほうに陥るタイプだから。いつでも行きつけの風俗店に行けるようにしてるんですけど(笑)。

―ははは、それこそTV見ない女のコとかじゃないとバレバレでしょう?(笑)

山里 眼鏡外して、マスクつけていくんで。気づかないですね。「なんでマスクつけてんの?」って聞かれたら、年中花粉症って言って。だから、その時期の花粉がなんなのか覚えておかないといけないんです。この時期はブタクサ、この時期は杉だなあとか。ちょっとウソでクシュンとかやったりして(笑)。

―そんな労力を(笑)。でも確かに性欲で過ちを犯さないっていうのは大切かも…。

山里 いや絶対、失敗ってそこじゃないですか。付き合ってないのにそういう関係になろうとするって絶対許されることじゃないじゃないっていうか。世に言う、ヤリマンっていう人がいるんだったら、それはそれでいいんですけど。実際はそういないですよ。

しかもそれが男前の芸人とかだったら「ああやっぱりモテるから私、ヤリ捨てられちゃったんだな」って思うけど、僕の場合、「え? 山里のくせにヤリ捨てんの?」っていう恐ろしい憎悪に変わるはずですから、絶対!

―そこまで卑屈なシミュレーションを…(苦笑)。

山里 俺だったら思うんですよ。もし俺が女で、田中さん(卓志・アンガールズ)とかが相手で《え? こいつ今日、私とヤって、付き合うとかっていうのめっちゃはぐらかしてるけど、え? ヤリ逃げするだけなの? おまえのくせに? いや、ちょっと待てよ! めっちゃSNSいきますけど!?》…って。俺だったら絶対思うんです、田中さんにヤリ捨てられたら!

「付き合ったら怖さがでかいんですよ」

―報復しますか(笑)。

山里 マジ気持ちわりい、ヤっただけで帰られたんだけどって、やっぱなりますもんね。だから怖いですよ、本当にそのリスクがね。

―かといって、プレゼントからカラオケまで手間暇かけてセッティングしてね、一生懸命気持ちを尽くしても…。

山里 そうですよ。メシだってこの前も高かったんだよなあ。バンドマン来た時のショックったらなかったもんね(怒)。でもバカ高いカラオケボックスも物怖(お)じしないし、1発目の注文がフルーツ盛りだったんですよ。その時にダメだな、これ世界違うなって。

―そのコはだいぶ慣れてますね。しかしほとんど怨念のような恨み節ですが…(笑)。

山里 いや、本当に辛かったんで。そこからひとりで歩いてたら、呼び込みのオネエちゃんに誘われてガールズバーに入って。ちょっと愚痴って、たこ焼き食って帰るっていう…なんだったんだ、今日つって(再びダークな目つきに…)。

―でも、それで相手の女は傷つけた意識とか何も感じてなかったり?

山里 LINEで《また是非、今度はお寿司が食べたいです》みたいなの入れてきて。なんだよそれ?って。でもね、すっごい陽気なんですよ、全体的に。それで、すっごい好きだとか言うんです、俺のこと。

―罪深いですね、振り回し系で(笑)。しかしそうなると、紹介するよって人がいて出会いがあっても相手に心を許せない、いちいち疑心暗鬼にもなりますよね。

山里 そうそう。あと恐ろしいのが、付き合いたいって言ってるけど、付き合ったらいろいろ環境変わるんじゃないかって怖さがでかいんですよね。たぶんそういうのを取っ払うぐらい好きになっちゃうみたいなのが、世に言う、恋なんでしょうけど。

―やっぱりこの流れでいうと、出会いを待つだけじゃなく、きっかけひとつで一気にドカーンと。それこそさっきお話ししてた黒人女性を求めてアフリカ行ってみるか!くらいの。

山里 あー、そのね、未知との遭遇というか。新しい嫁のタイプですね。

―未知との遭遇(笑)。そう、第三種接近遭遇ぐらいなことをしないと。

山里 何かね、大きなことがないと…。そうなんですけど、たぶん何よりも今、なんだかんだ自分の環境の楽しさが尋常じゃないっていう。いやもう本当にありがたいんですけど、ライブとかも好きなライブやらせてもらえるし、収録とかもラジオも楽しいし、イヤな人にも会わないでいいようになってきたし…。

「女芸人として戦っていく覚悟は見えます」

―仕事の現状が充実しすぎていると。ちなみに、しずちゃんがボクサー引退を宣言して、コンビとしての活動はまた増えるんですか?

山里 どうなんですかね? なんかまあ、世の中のニュースが「南海キャンディーズ復活」っていうけど、いやそもそも休止してた覚えねーしみたいな。通常通りなんですけど。

世の中的には山里が南海キャンディーズを守ってて、いよいよしずちゃんが本格的に帰ってきて、お笑い再始動みたいな流れで盛り上がっちゃってるから。ネタ書かなきゃやべえなぐらいですよね。それで机に座ったけど、数年書いてないから、あれ? うちのネタってどんなのだっけ?って、ピタッと筆止まってますけどね、今。

―そもそも、しずちゃんの意思確認みたいなものは?

山里 あのコは、なんだかんだで南海キャンディーズでいろいろやりたいみたいなことを言ってるんで。まあ、今までストイックにボクシングというものをやって、それから解き放たれたから、それこそリバウンドというか。

ボクシングやってる時は、ハリセンボン見たりとか、森三中さん、友近とか見て、やっぱり自分よりはるかに芸人レベルが上だって、あのコなりに思っちゃってたはずなんですよ。でも女芸人としては負けてるけど、自分にはボクシングっていう特殊なものがあるっていう…まあこれは僕の推測ですけどね。

それがなくなった今、女芸人っていう肩書きだけになったんで、これから芸人としてのいろいろやりたがると思うんですよ。今、いろんなイベントに出て、ボケる回数が増えてるんですけど。あと変顔したりとか、エピソードトークを作ろうとする姿勢とかが確実に引退決意した時から増えてるんで。女芸人として残りの人生戦っていきますっていう覚悟は、なんか見えますよね。

―新たなアイデンティティ探しみたいな。でもそれはいいですよね、燃焼しちゃって、そのままやる気が失(う)せてフェードアウトとかじゃなく。

山里 まあ、ボクシングの最後のほうはとてつもないストレスだったらしいんで。もう、リング見ると過呼吸になっちゃうくらいだって言ってたから。そこから円満にやめれたっていうのが嬉しかったみたいで。今はご機嫌でやってますね。ま、あんまり会ってないけど。

―でもそこで、例えば彼女のほうから「引退することになったから、また一緒によろしくね」とか、逆に「しずちゃん、ご苦労様」とか、そういうやりとりは?

山里 あー、ありますよ。僕が驚いたことがあって、連絡がきたんですよ、ニュースになるちょっと前に。引退するという時にきたメールのタイトルが(ごめんなさい)だったんですね。なんだ? ごめんなさいって? で、《本当にごめんなさい、ボクシング引退してもいいですか》って。

「しずちゃんの中で一番怖いのが僕だった」

―そんなやりとりが…。

山里 そっから先の文章をかいつまんで言うと、しずちゃんの中で、この7年間のボクシング、本格的にやって4年半っていうのは、実は僕から許された時間というか。お笑いから遠ざかってる時間であって。僕はそういうのに厳しいから、お笑いから遠ざかるんだったら、それなりのメリットを持ってこいって考えでいると思ってるんですよ。まあ当初は確かにその気持ちもありましたし。

そのメリットっていうのがロンドンだったり、リオに出る、オリンピックを目指してるっていう商品価値があるから山里はボクシングを許してくれてるって思ってて。それが、もう辞めたい、心も身体も限界だと。トレーナーからの遺言もあって、その墓前に言うのは行けたけど、今一番怖いのが誰かっていったら、僕だったんですって。

―で、山ちゃんの許しを請わないと、と…。

山里 4年半、お笑いサボってきて、え? 何? オリンピックも目指さないで俺になんのメリットがあるの?って言われる怖さがめちゃくちゃあったみたいなんですね。

そもそも、なんでそうなったかっていうと、最初始めた頃、コンビ仲も最悪だったし、ボクシングやってる暇あったら、もっとエピソード作ろうよとか。顔に痣(あざ)つくって収録に影響が出るのはどうなの?とか、もうむちゃくちゃ言ってたから。それがオリンピック目指すんだったらって、手のひら返してじゃあいいよって言ったんで。あのコはその気持ちを4年半持ってたんですよね、ずーっと。

自分が今やめることは、あの恐怖の山里の顔がもう1回くる、私の商品価値がなくなる、だから怖いというのがあって。そこで俺がTwitterで普通にしずちゃんの引退に、まあお疲れ様でしたと。《これからは南海キャンディーズのネタを作りまーす、お帰りなさいませ》っていうのがニュースになったんで、それがめっちゃくちゃ嬉しかったらしくて。怒られると思ってたから、ありがと、みたいなメールはきましたけどね。

―でも山里さんとしては、今が尋常じゃなく楽しいところで、このまま自分だけでも居心地よくていいんじゃね?みたいな気持ちがあっても不思議ないですが…。

山里 それは諸々ありますよ。このまま、しずちゃんはしずちゃんのペースでやるのを促しといて、自分は好きなことやるっていう。ただ、俺がカッコつけたことを言ったことによって、ちょっとできなくなっちゃったかなって。

今、何をやったら一番カッコいいかはわかってるんですよ。今まで一度も単独ライブやったことがないんで、それをね。でもそこまで今、ちょっと自分の時間をさけないなっていう、変な葛藤みたいなのがあって(笑)。でも新ネタは書いてやろうかなって思ってます、何か。

次回ゲストは『アウト×デラックス』繋がりの…

―最後にふたりの間のイイ話をいただきましたね。

山里 でしょ? 上手でしょ、この話するの(笑)。

―というわけで、そろそろお友達を紹介していただければと。

山里 誰がいいのかな、友達、どんな人がいいですか? ちょっと携帯電話見ていいですかね。変な交友はあるんですよ、僕。…あ、大鶴義丹さん、どうですか。

―『アウト×デラックス』繋がりですね。一緒に飲み行かれたり、大鶴さんの舞台を観劇されたりもする仲とか。では何かメッセージはありますか?

山里 義丹さん、ちゃんとトークのブレーキ踏んでくださいね。あなたは無茶苦茶だから…って(苦笑)。

―それは楽しみなような怖いような(笑)。了解しました。ご多忙なところ今日は本当にありがとうございました!

●第14回は12月13日(日)配信予定! ゲストは俳優・監督・作家の大鶴義丹さんです。

●山里亮太1977年4月14日生まれ、千葉県出身。吉本の養成所、NSC大阪校に入るために関西の大学を受験し、関西大学に入学。その後、2003年に山崎静代と南海キャンディーズを結成。翌年2004年に、M-1グランプリでは準優勝、それをきっかけにブレイク。ピンでの活動も増え、ドラマ、映画出演も多数。2009年には朝の情報番組『スッキリ!』で謎の男としてレギュラー出演、2010年には日本テレビ『密室謎解きバラエティ 脱出ゲームDERO!』でゴールデンタイムのレギュラー番組初司会を務める。現在は『ヒルナンデス!』『アウト×デラックス』『センニュウ★感』などのレギュラー番組を抱え、またラジオ番組『水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論』も人気を博す

(撮影/塔下智士)