バラエティや料理のレシピ本でも新たな魅力を発揮する大鶴義丹さんが語るモテとは?

あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』

第13回のゲスト・南海キャンディーズの山里亮太さんからご紹介いただいたのは大鶴義丹さん。

父・唐十郎、母・李麗仙という劇作家&役者の血筋を引き、自身も俳優、監督として活動、また作家の顔も持つというマルチな多才。山里さんとは『アウト×デラックス』で共演、バラエティでも意外な素顔を見せているが、今回はーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)

―今年の4月から勝手に友達の輪を引き継ぐということでやらせていただいてるシリーズなんですが。

大鶴 番組の公認なんですか?

―いえ、全然公認ではないんですけど(苦笑)。ゲストにガチでお友達を紹介していただいて、インタビューもライブ感覚で生収録っぽさをそのままにという主旨でやってまして。

大鶴 文量はあるんですか?

―いただいた時間次第で様々ですが…結構、皆さん、語っていただいて前後編が基本になってますね。声優の山寺宏一さんなんか2時間も喋っていただいて4回も続いたり。雑誌と違ってネットのオリジナルなんで、制限なく遊びができるというか。

大鶴 そうですよね、ページ関係ないですもんね。

―ええ、ほぼ全文掲載のような形でざっくばらんに語っていただいてる感じです。それで前回は山里さんにだいぶモテについてとか、いかに相変わらず女性関係でダメかなど赤裸々に伺ったんですけど(笑)。

大鶴 山ちゃんは外でも一緒に飲んだことあるんですけど、モテないでしょうね。

―ははは。いきなりバッサリ、そうきますか(笑)。

大鶴 いや、山ちゃんの思うモテ方はしないでしょうね。例えば、権力を使ったりとかすれば落とせるんでしょうけど。女性に対するサービス精神もあんまりないんじゃないかなぁ。

―いろいろ学んでプレゼントしたり、気に入ってもらおうとはしてるようですけど。

大鶴 もう、遅いんじゃないですか。40近くだったら(笑)。

―まぁ自分でも、女はみんな俺の後ろに福沢諭吉を見てるだけとか、芸能人だから寄ってくるようなことはおっしゃってましたが。

大鶴 そうです、そうです。それ以上に何求めるんだって感じですよね(笑)。

―ははは、本当に厳しいですね~(苦笑)。山里さんからは「ちゃんとトークのブレーキ踏んでくださいね。義丹さんは無茶苦茶だから」という伝言をいただいてますが。

大鶴 山ちゃんとは『アウト×デラックス』で2年間、ずっとレギュラーで一緒なんで。まぁでも、モテるモテないってのも、僕自身が今の歳になって、なんかわかってきたとこもあるんですけど。

やっぱり20代とかにはもう逆立ちしても戻れないわけじゃないですか。じゃあどういう男としての在り方であるべきか、自分の持ってる武器とかツールとか、お金じゃない財産含めて、スゴく考えるんですよね。男がモテるってどういうことなのかな?って。

「やっぱり財力が基本ですけどね(笑)」

―それを山ちゃんにも飲みの席で語ったりは…?

大鶴 ありますよ! よくそういう話するんです。イケメンとか、入口ではよくモテるヤツでも、付き合い出すとろくでもないよなって。女の人もバカじゃないから気付いてね、まともな女は離れていっちゃうでしょう。もちろん依存体質みたいな、ホストクラブにハマるような感じでハマるコはいつもいるんだけど、本当にあの女、いいコだったんだよねっていうコにはすぐ見透かされるワケで。

結局、薄っぺれーなって見られちゃって。顔とかバシっとしたヤツは山ほどいるじゃないですか? でもやっぱり一歩入るとモテないわけですよ。それでいうと、たぶん山ちゃんもある種のイケメンなんじゃないですかね。

―ある種というのは内面的に?

大鶴 芸能的にイケメン。

―芸能的イケメン…表面的な入り口ではってことでしょうか。内面もすごく頭の回転が早くて、常にいろいろ考えて分析してる印象ですけどね。

大鶴 なんかイケメンスタイルでサービス精神がないんじゃないかな。俺もそんな偉そうなこと言えないけど(笑)。あと、ナルシストだしね!

―あ、それは自分でも言ってましたけども。

大鶴 ナルシストのイケメン力が芸能力に変わってるだけっていうか。その芸能力とかお金とかでTV局のプロデューサーがモテるようなモテ方すればいいわけですよね。女優さんが寄ってきますよ。

―そんなベタでいいんでしょうか(笑)。ただ、山里さん的には、なんかあってSNSで流されたりとかトラブルの元になるんじゃないかって。またいろいろ考え過ぎてるみたいですけどね。

大鶴 でも、イケメンじゃなくても本当にモテる人ってなんか違うじゃないですか。ちょっと小太りで優しい感じの人でね、隣にバシっとした女の人が必ずいるヤツとか。まあやっぱり財力が基本ですけどね(笑)。別に年収何億は必要ないけど。

―やっぱそこなんですか…。自分もモテの考え方が変わってきたということですが、昔はイケイケだったり、押していけばっていうのがあったのでは?

大鶴 そういう意味では、本当にはモテてなかったかもしれないなと思うよね。自分が薄っぺらいイケメンとは言わないけども、ある種、どっかそういう部分が若さゆえにあったんじゃないかな。それを女のコにも見透かされてたなっていう。

あの時、どうもモテなかった、恋愛が成就しなかった記憶がいくつかあるんだけれども…それは何か見透かされてたのかなって。

「基本はミランダ・カーでも結局一緒」?

―成就しなかったほうが意外と残りますよね(笑)。痛い記憶でいろいろあーだこーだ、男はずっと考え続けるものだと…。

大鶴 そうですよね。でも俺は今、再婚しちゃってるから基本的にあれなんだけど…40代後半の男のモテるモテないって、なんか意味考えちゃいますよね。恋愛体質の女性と何をもって成就とするのか…いろいろあるけども、それで成就することになんの意味があるのかなとか。

まぁ計算できない、ふいのことが起きるっていうことはあるんだけど(笑)。肉体的なことはもうつまんないっていうか。結局一緒だみたいな気持ちもあって。変な話だけど、お尻が6個あるのかっていったら、みんな一緒じゃないですか。お尻の山はふたつで…。

―ええっ~、そこに行き着いちゃったんですか。

大鶴 おっぱいはふたつあって、これが人によっては8コあるとかさ。おっ、今回は8コだった!みたいな…宇宙人を相手にするようならね。だけど、基本はミランダ・カーでも結局一緒じゃないですか(笑)。

―ははは、なんでミランダ・カーを例に出すんですか(笑)! いや、でもそこに行き着くにはよっぽど2個と2個を味わい尽くした男でないと…。

大鶴 尽くしてないんだけども、結局一緒だなとか思う。つまんない数値にとらわれてたなっていう。微妙な色の濃さとかもね。

―色の濃さ(笑)。まあ、形に見えるものが全てじゃないというか?

大鶴 そうそう。そんなことよりもなんか究極に言うと、体臭が好みとかね。そういうほうがこう、変えられないものというか。声の質とかもそうですけど、数値化できないことにすごく萌えますね。

―なんかマニアックな嗜好の方向に…また別の深い話になりそうですけど(苦笑)。

大鶴 いやいや、山ちゃんから始まったんで(笑)。

―ところで最近、いきなり料理本を出されて。発売イベントがワイドショーにも取り上げられてるのを見てビックリしたんですけど。『大鶴義丹のつるっと円満パスタ』、見させていただきました。

大鶴 料理は実際、マニアで。本気で研究してるんですけど、和食も刺し盛りとかできるぐらい好きなんです。ブログに結構載せたりしてたら、それをちょっと本にしませんかって。じゃあ一回ぐらいやってみようかなって、半分冗談で出した感じなんですよ(笑)。

―料理が得意で好きだっていうのはわかりましたけども。それがパスタに特化した本とは。

大鶴 まぁなんか、妻のために年間100皿以上とか、そういうの逆におもしれーなと思って。なんかネットでは評判イイみたいなんですけど、誰も信じてないんじゃないかな、きっと。

―昔のアウトローというかツッパってたイメージでいうと、料理本なんか俺ができるかよっていうね。でもそのギャップがまた意外性あって。

大鶴 だからそれが面白いなって。実はこれ、すごく男の人のほうが買ってくれてて。やっぱり料理本とかたくさんあるけど、どれも家庭的なね、主婦で子供いる方が作ったりする簡単メニューとか、子育てしながらお手軽メニューとか。

これはどっちかっていうと、マニア道みたいな感じで。子供なんか食うんじゃねぇみたいな。逆にそこはこだわったんですけど、お子様の味とか全く無視で、いかにアマチュアのパスタマニアが追求できるかってとこを本気でやりましたね。

「盗っ人猛々しいって話もあるけど(笑)」

―料理はずっと好きだったとして、なぜパスタだったんですか…。

大鶴 イタリアン好きっていうのもあるんですけど、パスタって唯一、アマチュアがプロ越えできる料理なんですよ。他の懐石にしてもね、絶対に得られないテクニックとかあったりして。でもパスタだけは予算度外視で、材料のこだわりとかタイミングさえ覚えておくと、意外とプロ越えできちゃうんですよ。プロの方も言うんですけど、ちょっとコツ覚えられるとやられちゃうんだよなって。

―確かにイタリアでも家庭料理として、材料とかもシンプルでよかったり、ひと手間加えるにしても結構気軽にできて。それでバリエーションも豊富だったり。

大鶴 そうなんです。ずっとこだわってるカルボナーラとかも、やっぱりものすごいイイ卵とか使って、イイ生麺とかでやると、プロ越えできちゃうんですよ。だから商売になんねーんだよって知り合いのイタリアンが言ってて。その知り合いから僕はタイミングとかマジで教わって、そこは守ってるんですけど。

ただ、あの人達の腕っていうのはそれを5人前とかいっぺんにできるところにプロの腕があるんですよね。僕は正直言って、2人前以上うまくできない。2人前の量を3人前にすることはできるんですけど、それはプロの腕が必要なんで。そこがまた面白い。ある種、格闘ジャンルでもあるんですよ、ゲームとしての。

―きっかけは特に奥さんがパスタ好きだったからとかでもなく?

大鶴 レストラン業界で働いてる人ではあるんですけどね。自分のレストランとかいくつか試食会とかもフリーランスでやってるんで、新メニューを食い比べたりとかするんですよ。あ、これは勝ってるねとか言われたりするし。これはちょっとアレだなって時もあるんですけど。

―自分で作って、パートナーに供して、パスタを通して夫婦関係、男女関係もほっこりできるという。

大鶴 パスタはね、みんな好きっていうのはあるんじゃないですか。料理をゲームとしてとらえると、いろんなバリエーションを構築しやすいし。麺の太さもいろいろあって、サイズが4~5種類、丸いのもショートもロングもあるし。ソースもクリーム、オイル、トマト…代表的に3つくらいありますけど、そこで組み合わせが無限にっていうか。よくできた遊び、ゲームとしても面白いんですよ。

―日常的に料理という遊びで会話して夫婦円満の秘訣にもなってる?

大鶴 盗っ人猛々しいって話もあるんですけど(笑)。僕みたいに離婚経験あるほうが逆にね、こういうのやっても説得力あるかなと思って。ほら、CIAとかが刑に服してたハッカー雇ったりするじゃないですか、サイバーセキュリティーに。

―わかりづらいような、わかるような(笑)。確かにそれを言ったらツッコミどころというか、前の結婚でマルシアさんの時はパスタ作ってなかったのかっていう(笑)。

大鶴 作ってました、作ってました! 前もね、一緒に料理番組に出たこともあるんですよ。うちの旦那、パスタ得意だからって。ペスカトーレかなんか作ったのかな。18年ぐらい前かな~。

「意外とね、たまに疲れる時あるんです」

―その頃はまだ円満だったのかという…(苦笑)。でも漠然と自分のための料理だったのが、今はもっと相手のために作ってあげようとか、意識も違うんですかね?

大鶴 う~ん、まぁ年齢が違うっていうのもありますけどね。でも今こういう世の中で、『北斗の拳』じゃないですけど、世は乱世じゃないですか。

―いきなりまた突飛な例えが…不穏な時代背景も何か関係があると?

大鶴 なんていうんだろう…やっぱりこう、自分のパートナーとか家庭とかきちんと向き合ってる人間のほうがある種、僕自身もカッコいいと思うようになりましたね。だって、俺よく言われるんですけど、結構、浮き名を流したみたいな感じで。でもそういうのって、最初に離婚した後に8年ぐらいひとりだったんですけど、36、7歳くらいの話なんで。体力とかも変わってきてるし(笑)。

―ははは(笑)、それは変化してるほうが当然ですよね。

大鶴 だから、昔と同じように求められると、結構辛い時あるんですよね(笑)。じゃあ、ここで瓦割ってくださいみたいな。いや、もう現役辞めたんで、もう瓦割れないんですよって。いやいや、もういいでしょ、瓦とかはねぇ。

―そういうイメージのまま自分を保たなきゃいけないのかってね(笑)。確かにありますよね、昔で言ったら、火野正平さんはプレイボーイじゃなきゃいけないみたいな。

大鶴 ええ、そういうの興味がなくなってて…。貝山さん、僕と一緒ぐらいですか?

―年齢は2コ上ですかね。学年でいうと、3年と1年とか。

大鶴 だから、わかりますよね(笑)。

―わかります…ということに(笑)。

大鶴 意外ともう、どうでもいいんですよね。結構、毎回言っても納得してくれる人いないんだけど、大型犬の雄を飼った人はすごいよくわかるって言ってくれるんですよ。大型犬って7歳ぐらいになると、すごく大人しくなるんですよね。

うちもデカイ犬がいるんですけど、本当に7歳ぐらいから言うこと聞くようになって。みんな理解してくれないんだけど、飼ったことがある人はみんな、なるほどって言ってくれる。

―狂犬は狂犬のままのイメージ持たれて、いつまでも噛み付いてられないしって(笑)。

大鶴 そう、犬でも大体おとなしくなるんですよ。そこで、また瓦を!みたいな感じで、たぶんやってほしいわけですけど。意外とね、たまに疲れる時あるんです(笑)。

●この続きは次週、12月20日(日)12時に配信予定!

●大鶴義丹1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督として活躍。劇作家の父・唐十郎と舞台女優の李麗仙の元に生まれる。高校生でNHKのTVドラマに出演。その後、映画や舞台にも活動の場を広げる。大学在学中に執筆した小説『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞。1995年には『となりのボブマーリィー』で映画監督デビューを果たすなどマルチな才能を発揮。タレントのマルシアと2004年に離婚後、高校時代の同級生と再婚。現在はフジテレビ『アウト×デラックス』にレギュラー出演中。また趣味の料理を活かしたレシピ本『大鶴義丹のつるっと円満パスタ!』(ぴあMOOK)が絶賛発売中!

(撮影/塔下智士)