「中年女はかわいい男を好むだろう」という図式は大間違い!

スペイン・バルセロナで開催されたフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル2015で、日本の羽生結弦(はにゅう・ゆづる)が自身の持つ世界歴代最高得点を更新して男子初の3連覇を達成ーー。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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今年の冬が暖かいのは、羽生君の人気のせいかもしれません。銀盤の貴公子、羽生結弦。ファンにとっては理想の息子、理想の恋人、究極の王子さまです。実力があり、清潔で、知的で、上品で、情熱的で、でもかわいくて、とまさに完璧。

そうした王子資質をご本人も疑っていないところが、また強さの秘訣なのか!?

しかし最近気になるのは、この羽生君人気に乗じた“滑れない結弦”たち。TV番組でも女性MCに若い男子のアシスタントとか、中年女性ゲストにモデル男子がジュースを運ぶとか、ありますよね。そう、「中年女はかわいい男を好むだろう」という図式ができているんです。

おい、ちょっと見た目がいいからって、私のような中年を見ると目を潤(うる)ませ、「ほうら、僕みたいなイケメン男子に優しくされると濡れちゃうでしょ?」みたいな顔する20代。中年ナメんなよ! 滑れないくせに王子気取りか! そんな小手先のぶりっ子で世渡りできると思ったら大間違いです。

実力もないのに媚(こ)びるやつは、男も女も生き残れません。自分に酔うなら、まずは周囲を本気の夢で酔わせてから…。それが世の中の鉄則なのですから。

●小島慶子(こじま・けいこ)タレント、エッセイスト。スケート経験は、過去に長野・軽井沢の凍った池で木の椅子を押しながら滑ったぐらい。実際やってみたら、跳ぶとか回るとかがどれくらい尋常じゃないかが実感できました