2015年度の「プロレス大賞」で3度目のMVPを獲得した現IWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカ

2015年度の「プロレス大賞」で3度目のMVPを獲得した現IWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカ。今年は天龍源一郎の引退試合で最後の介錯を務め、昔からのプロレスファンにもその実力をアピールした。

オカダ自身も「“プロレス女子”も増えましたが、昔見ていた人にまた見てもらいたいっていうのもあります。力道山先生の時代や馬場さん、猪木さんの時代の人たちにもオカダを見てもらいたい」と語るように、“新時代のスター”というだけでなく、プロレス界を代表する選手へと成長しようとしている。

元『週刊ゴング』編集長にして『ワールドプロレスリング』解説者の金沢克彦氏が、そんなオカダの本音に迫った。

―11・15両国国技館の天龍源一郎引退試合では見事に天龍さんの介錯を務めたわけだけど、会場の年齢層が高めでしたよね?

オカダ 天龍さんとの試合に関しては、昔からのファンの人たちにどう響かせるかっていうのが僕の中のテーマでした。「昔のほうがすごかったよ」って言う人がいるじゃないですか。そういう人たちにも今のすごさを見せたかったというのはありましたね。

天龍さんに関しては、正直「またやりたいな」って、あれが最後かっていう寂しさがありますね。全盛期はどんな感じだったのかなって考えたりしても、すごい魅力的な相手ではありますね。

―顔面キックを食って、試合後には額に赤いミミズ腫れが2本できていましたよね。

オカダ 靴ヒモの痕(あと)ですね。顔もグーで殴られて腫れましたし。よけることもできましたけど、昔の人を黙らせたかったっていうのもあります。俺は全然食らえるんだぞ、今のプロレスは食らえるんだぞっていうのを見せたかった。

―オカダ選手はドロップキックだけで試合を進めていた。

オカダ わかりやすい技だからこそ、オカダのドロップキックすげえんだなって思わせたかった。あの試合は、ここ最近で一番注目度の高い試合だったんじゃないですか? オカダ・カズチカという現役のチャンピオンを見せつけることができたという意味では、やってよかったと思いますね。

―では、1・4からスタートする2016年の目標を。

オカダ チャンピオンベルトは、初めて見る人にとっても、久しぶりの人にも「あいつが今のIWGP王者なんだ」って、一番わかりやすいもの。海外にも行きたいし、国内の地方の小さな街でもやりたい。鞄に入れるとずっしりと重い、このベルトを持っていろんな所に行きたいですね。

* * *

しかし、オカダは未だに1・4東京ドームのメインで勝ち名乗りを受けたことがない。今年も目の前に立ちはだかるのは棚橋弘至。勝つのは王者か、エースか? 2015年を総括し、2016年のプロレス界の行方を占う決戦に要注目だ。

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(取材・文/金沢克彦 撮影/平工幸雄)

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