ルームシェアを始めて3年半になるという芸人の小島よしおさん

2012年から14年にかけて放送された『テラスハウス』(フジテレビ)の影響もあり、複数の赤の他人と共同生活をする「シェアハウス」は若者の間ですっかり定着した。

一方、もっと手軽に友人同士で部屋を借りて住むのが「ルームシェア」なのだが、それが今、芸人の間でじわじわ流行っているという。一体なぜ彼らは男同士で共同生活をするのか? ルームシェアを始めて3年半、芸人の小島よしおさんにそのきっかけを聞いた。

「3年半前に引っ越しを検討していたら、気に入った部屋が3LDK(80平方メートル)で。さすがにひとりで住むには広かったんで、当時よく遊んでいた先輩芸人ふたりを誘ったんですよ。ちょうど先輩ふたりが奥さんと彼女と別れたばっかりで寂しそうだったし。そしたら、ホントに住むことになったという感じで」

元々、ルームシェアが気になっていた?

「正直、先輩たちとネタの話が常にできる環境は欲しかったです。別々に暮らしてたら、ネタを見てほしいと思ってもすぐには無理ですし。まず時間と場所を調整しなきゃいけないですから。でも、ルームシェアしてると、その手間が省けるんでかなり効率的。徒歩0分でネタの打ち合わせができるって最高の環境ですよ」

では、生活費や時間の節約になる以外のメリットとは?

「自分以外の人間の人生が垣間(かいま)見えるのは面白いですよね。ひとりで生活していたら、見るテレビも決まってるから固定されてしまう。でも、帰宅すると映画好きの先輩が映画を見ていたりする。自分が知らない作品なら『これはなんて映画ですか?』と聞けるんですよね。ひとり暮らしだったら入ってこなかった知識や情報をルームシェアすることで得られて。世界が広がりました」

ただ、些細(ささい)なことだが、デメリットもあるという。

「男ばかりで住んでると、やっぱりゲイだと勘違いされることが多いですね。海外だと男3人で住むとかあり得ないみたいで。むしろ女性がひとりぐらい入ってるほうが自然に見えるって聞きました」

ルームシェアで気になる性欲処理の問題

また、性欲の問題もある。

「自己処理は、自分のペースでやりづらくなりましたね。普通ならムラムラした時にするじゃないですか? でも、ルームシェアしてからは、家に誰もいないのを見計らってするようになりました。ただ、玄関の音には注意が必要なので、自然と神経が研ぎ澄まされた気がします」

とはいえ、小島さんはかなりルームシェアを気に入っている様子。一方で、楽な生活を続けていたら、いつまでも売れないような気も…。

「自分の夢や目的、たどり着きたい先がないまま安易にルームシェアしても、たまり場になって終わってしまいますからね。僕は今の生活が気に入ってるので続けますが、終わりにする時は結婚するタイミングでしょうね」

他にも『週刊プレイボーイ』52号では、パンサーの向井慧さん、ピスタチオの小澤慎一郎さんといった芸人たちのルームシェア事情を紹介。ピースの又吉さんと暮らす向井さんの日々はどんな生活なのか? 小澤さんの実家はお金持ちで、しかも東京なのにどうしてルームシェアを選んだのか? それぞれの本音を聞いているのでお読みいただきたい。

(取材・文/黒羽幸宏 撮影/松木宏祐)