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気鋭の若手憲法学者・木村草太が語る緊急事態条項の危うさ「結局はその時の政府に白紙委任をするだけ」

[2016年01月25日]

木村草太氏。1980年生まれ、首都大学東京法学系准教授。専攻は憲法学。近著に『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』(晶文社)など(撮影/藤木裕之)

参院選の争点?ともいわれる緊急事態条項の新設。「国民の安全を守るため」と安倍首相は言うが、憲法改正をしてまで設ける必要があるものなのか。注目の若手憲法学者に聞く!

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憲法改正を実現したい安倍首相が9条改正とともに必要性を訴えているのがテロや戦争、巨大災害などの緊急時に一時的に政府の権限を強化したり、個人の権利を制限したりすることができる「緊急事態条項」の新設だ。

昨年11月にパリの同時多発テロが起きた際には、フランス政府も「緊急事態」を宣言したが、世界各地でISによるテロが頻発する中、日本の憲法にもそうした「緊急事態条項」が必要なのか?

明快な語り口で知られる注目の若手憲法学者、首都大学東京の木村草太(きむら・そうた)准教授を直撃した。

―フランスのテロ以来、日本の憲法にも「緊急事態条項」を設けるべきだという声が出ているようですが…。

木村 テロというのは大規模ではあっても、要するに殺人行為の一種ですから国内法上、当然、処罰の対象になります。それを捜査したり警備したりする権限というのも警察にあります。

現行法で認められている検察、警察の強い権限や、それを使うための刑事訴訟法などの法整備もありますから、決して無防備なわけではない。従って、テロのために何か特別な法整備が必要ということではないと思いますね。

―ただ、テロの脅威に関しては単に犯人を捕まえるだけでなく、未然にテロを防ぐために今の法律で対応しきれない部分もあるのでは?

木村 それは、公権力の側が具体的に何が足りないかということを説明できるかだと思います。実際、現行法でも通信傍受は可能ですし、場合によっては令状がない場合でも緊急逮捕ができる。

また、無差別テロというのを日本は経験済みです。オウム真理教が起こした95年の地下鉄サリン事件ですが、あの時も警察の対応には批判があったとはいえ、少なくとも何か特定の手段が採れなくて不都合が生じたとか、テロ後の対応ができなかったという話は聞かれませんでした。

法の整備というのは、現行法の内容を細かく知った上で、どこをどう変えるべきかという具体的な議論が必要で、イメージだけで法律を変えてしまうのは危険です。


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