親が「面倒くさい人」になるのは感情コントロール機能が衰えるから?

白髪だらけになった、髪が薄くなった、皺(しわ)が増えたなど、見た目の変化で我々は親が年老いたことをまず感じる。

だが同時に、久々に会った親がなんだか頑固になっていて、面倒くせぇなあと思ったりしたことはないだろうか。この件について、精神科医の和田秀樹氏はこう語る。

「医学的には、人間の老化は体や運動機能よりも先に精神や感情のほうが衰えていくと考えられているんです」

どういうこと?

「頑固になる、怒りっぽくなるというのもその兆候。前頭葉機能は50代から徐々に衰えていくので、理性と感情のコントロールが利かなくなってくるんです」

確かに自分の母親も、正月に帰省した時、風呂の順番が遅れただけでものすごいけんまくで怒っていた…。

「それは、性ホルモンの分泌量の変化も影響しているでしょう。男性は男性ホルモンが減り、女性は男性ホルモンが増える。その結果、男性は意欲が減っていって社交性がなくなる。女性はその逆でオジサン化していく」(和田氏)

このまま親がどんどん面倒になっていけば、ケンカも増えそうだ。関係を悪化させないためにはどうすれば?

「当たり前のことですが、親を立ててあげる。自分の主張が認められているとわかれば、気持ちが安定することが多いですから。腹が立つこともあるでしょうけど、たとえまだ50代の親でも、年老いてしまったのだと思い、譲るところは譲る。こちらが“大人”になることです」

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(取材・文/羽柴重文 和田哲也 イラスト/はまちゃん)