これだけスレンダーなのに365日欠かさず肉を食べている長谷川さん考案の簡単ダイエット法「ハラミ運動」のキメポーズ

肉で痩せる! 長らくダイエットの敵だったはずの肉を喰らうことで痩せる事実が成功者から続々と届く昨今――。

そんな肉食ダイエッターで大注目されているのが“肉食女子”長谷川香枝さんだ。お菓子のダラ食いで半年に20kgの激太りから、肉食に挑戦し半年で15kg痩せたという彼女が開発した注目のダイエットプログラムとは…!?

■痩せ“肉食習慣”の基本ルールは3つだけ!

“人生を変える肉食指導”をする、肉ダイエットインストラクターの長谷川香枝さん。日本で唯一のキャッチフレーズで活動する長谷川さんは、女子大生時代に半年で20gk激太りしたが、肉食生活にしたことで半年で15kg減させたダイエット経験と、ホームヘルパー時代に指導していた高齢者の転倒予防健康体操を組み合わせて、ダイエットインストラクターとして活躍中。

現在は365日、毎日肉を食べる生活でスタイルをキープしている肉食女子なのだ。

自分の経験を突き詰め、理論的に体系化した「肉食習慣」を提唱しているが、この習慣はたった3つのルールを守るだけでいいという。早速、3つの基本ルールを説明しよう。

<1> 1日1食、肉料理を食べる目安は男性が200g、女性は150g。1食でも2食に分けて食べても、糖質が低いため食べる量が増えても構わない。体調で食べる肉をチョイスしてもいい。ダイエット効果が高いのはLカルニチンが豊富な羊や牛肉の赤身肉。甘いものやお酒がやめられない、ストレス過多の人の疲労回復にはビタミンB1を含む豚肉。ビタミンAが豊富で粘膜を強化し、美肌効果も狙うなら鶏肉。

<2> ひと口につき29回噛む脳が刺激されて満腹中枢の働きが良くなり、食べ過ぎを防止する。血糖値の急激な上昇も抑えられる。肉はよく噛まないと飲み込みにくいため、その点でも優れている。噛みごたえのあるステーキなど厚い肉の場合は、噛むほどに表情筋が鍛えられて、あご周りもシャープに。

<3>食べる順番を守る味噌汁などの温かい汁物→野菜→肉(もしくは魚)→ごはんやパン。まず温かい汁物で内臓を温めて動かし代謝を上げ、食物繊維を含む野菜を先に食べることで急激な血糖値の上昇を防ぐことができる。ごはんを最後にすることで糖質である炭水化物の食べ過ぎも防止。

「体が引き締まって、内面も明るく、お肉で心身ともに健康になりました!」という長谷川さんの体験がベースになった「Kae式ダイエットプログラム」。極意を書いた自著『デキる男の超・肉食習慣』

いいこと尽くしの「肉食習慣」だが…

肉を愛しすぎている長谷川さんの名刺入れと携帯アイテム

■肉のタンパク質が“痩せ”をサポート

肉食で痩せる理由は、肉には糖質が少なくタンパク質を多く含んでいるからだという。

「男性らしい筋肉やつやつやの肌や髪など、私たちの体を作る重要な栄養素がタンパク質。肉を食べればタンパク質摂取量が増えて、脂肪燃焼に必要な筋肉が増えて痩せやすい体へ導くんです」

肉や乳製品、良質の脂を摂取しないダイエットは肌がカサカサになりがちだ。ダイエットをしても見た目のダメージを防止するには、細胞膜の材料になる肉は必須ということ。

「しかも、“幸せホルモン”のセロトニンの材料のトリプトファンが多く含まれているのが肉や魚介類なんですね」

セロトニンは不安やイライラを抑え、ドーパミンによる衝撃的欲求を制御する脳内物質。肉食で情緒安定も促され、衝動的な食欲も抑えられるのだ。

「他にも肉食はいいことがたくさんあります。消化の際にもカロリーを消費するので、代謝の10%を占めるDIT(食事誘導性体熱産生)が高い。食べながらカロリーを消費してくれるんですよ。それに肉のタンパク質をしっかり噛んで食べると、自然と甘いものなど糖分を欲しなくなりますよ。これは肉の成分であるチロシンが食欲を抑制するためです」

いいこと尽くしの「肉食習慣」だが、長谷川さんが肉を食べるとダイエットができると気付いたのは、ダイエットをドロップアウトした瞬間だった。

「大学3年生の時のチアリーディング部の練習中に、落下して怪我をしてしまい辞めることになりました。その後も部活時代と同じ量のごはんを食べていたら、半年で20kg増! やる気が出ない、おしゃれも気にしなくなくなって、どんどん引きこもりに…」

外見の劇的な変化に驚いた友人らの心配の声、デブ・スパイラルに陥り巨大化した娘に母親が「糖尿病になるわよ」と言ったことで、ダイエットを決意。そこで野菜だけ、りんごだけなどの単品ダイエットや断食、エステに励んだが、やつれるだけで体重は減らない。減ってもすぐにリバウンド。もちろん、大好きだった肉は“太る”から食べなかった…。

ところが、おやつに砂肝を食べるくらい肉が大好き。あれもこれもすべて節制し我慢し続けた生活で、ついに“肉を食べたい”欲求が爆発したのだ。

「もうダイエットいいや、大好きなお肉を食べちゃえ!って諦めたんです。ところが、肉を食べていたにも関わらず1週間で3kg痩せたんですよ」

長谷川さんの人生MAX体重だった頃で、当時のおやつはスナック菓子→チョコレート菓子→スナック菓子→チョコレート菓子(ファミリーパック)のローテーション。

「食前ハラミ体操」でさらに痩せ体質に!

そこで、赤身肉をブロックで買いこみ、肉食中心の生活へ移行。最初に味噌汁を飲み、キュウリやレタスや水菜など歯ごたえがあるが糖質の少ない野菜を山盛り食べて、それから肉を200~300g、最後はごはんを少なめに。食べ方の順番+低糖質ダイエットを実践し、わずか半年で15kgも減ったのだ。

気になるのは停滞期だが…。

「実はなかったんです。肉食でお腹が満足する食事だったのが大きいと思います。だって、焼肉を思い切り食べた後にデザートいります?」

気をつけるべきは、停滞期よりもデザートなどの甘いものや白いものなど糖質を多く含む食品の摂取だとか。

「すぐ痩せたい場合は、特に糖質を低いものを選んでください。てっとり早く痩せ効果を実感したいならば、夜は糖質を抜く。調味料にも注意しましょうね。タレは砂糖やみりんたっぷり。塩コショウやレモン、ゆずこしょう、わさび、唐辛子などで食べましょう」

■食前の運動で脂肪燃焼率UP、痩せ体質へ

さらに、食生活を抜本的に見直して、肉食中心にする「肉食習慣」の効果をより上げるために取り入れたい運動を教えてもらった。前職のホームヘルパーで、高齢者に転倒予防体操を指導していた経験から生まれた、女性向けの「カルビ(軽美)体操」、男性向けの「ハラミ(腹美)体操」だ。

腹直筋・斜腹筋・腹横筋をまんべんなく鍛えられるが、今回はヒネりを効かせた「食前ハラミ体操」を教えてもらう。

「お腹が空いて、グーッと鳴った時に運動するのがいいんですよ。外からの刺激で内臓をさすって動かすことで温まるので痩せ効果が上がりますからね!」

■食前ハラミ体操

<1>姿勢を正して座る

胸の下に両手を置く。鼻から息を吸ってお腹をふくらませて、息を吐きながら斜め下に両手を動かして腹をさする。

運動嫌いでもさすがに続きそう?

<2>お腹を左右にひねる

手で椅子の背もたれをつかむ。鼻から息を吸い、口からはきながらお腹に力を入れて上体だけ右に5秒間ヒネる

ひざをつけて足を開かないよう注意。左も同様に行なう

オーダーした皿がテーブルに届くまでの間にさりげなくできそうな簡単さ! これなら運動嫌いでもさすがに続きそう。

「ダイエットは生活習慣です。食べる前の“習慣”にして、脂肪燃焼しやすい体作りをしていきましょう! 男性は内臓脂肪が付きやすく、糖尿病や動脈硬化を引き起こしやすくなります。ですが、内臓脂肪は減らしやすい脂肪。満足感ある肉中心の『肉食習慣』を実践すれば、理想の体を手に入れられますよ」

食事も運動も“習慣”にしちゃえば、苦にならない! ダイエットでひもじい思いをしなくてもいいし、見た目を老けさせない栄養素が体に行きわたるのが利点の肉食ダイエット。ただし、野菜を先に食べるのも忘れずに~。

(取材・文/渡邉裕美 撮影/五十嵐和博)

■長谷川香枝さん肉ダイエットインストラクターとして、肉を正しく食べることで健康的に痩せられること事実を普及すべく「Kae式ダイエットプログラム」を開発し、多くの男女のお腹を凹ませて仕事&恋愛成功体質に導く。オフィシャルブログ『Kae☆modeでGo!ゴ・Go!』も更新中

長谷川さんのお気に入りの店のひとつ、シェラスコ店の『バルバッコア』。肉を存分に食べられるだけでなく、種類豊富なサラダバーがあるため「肉食習慣」のルールを簡単に守れるという

■取材協力/バルバッコア高輪店

ブラジル・サンパウロで1990年にオープンした、ブラジルで人気のシェラスコ専門店。岩塩のみで焼き上げたピッカーニャ(イチボ)、コステーラ(ショートリブ)などを目の前で切り分けてくれる。焼きパイナップル、焼きチーズ、またフェイジョアーダ、パルミット(やしの新芽)など本場ブラジルの味も揃うサラダバーも充実。ディナーはシェラスコとサラダバーで5670円(住所:東京都港区高輪4―10―18 京急ショッピングプラザウイング高輪WEST―Ⅱ 3F 電話番号:03―5447―5229)