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慰安婦問題“合意”から“解決”へ必要なこと。「両国のメディアは相手国の本当の姿を伝えるべき」

[2016年01月28日]

今回の合意に反発する意見は、韓国国内ではごく一部の声だという(撮影/細野晋司)

昨年末、日韓両政府は慰安婦問題の解決に向けて合意した。突然の合意の背景には何があったのか? また、真の解決には何が必要なのか? 

週プレ外国人記者クラブ第18回は、朝日新聞「WEBRONZA」に寄稿する他、様々なメディアで活躍する韓国・ソウル出身の国際法学者、金恵京(キム・ヘギョン)氏に話を聞いた。

***

─昨年12月28日、日本と韓国は「最終的かつ不可逆的に」慰安婦問題を解決することで合意しました。元慰安婦の支援を目的とする財団を設立し、そこに日本政府が約10億円を拠出するという形での解決ですが、どのように評価しますか?

 金 私は、研究を兼ねて年末年始に韓国へ帰っていたので、このニュースを聞いて家族全員で心から喜び合いました。日韓両国にとって意義深い、歴史的な一歩だと思います。

─しかし、電撃的と言ってもいい決定だったので、従来から両国にいる「嫌韓」「反日」の層は虚を突かれた反動で激しい反発を見せています。

 金 「歴史的な一歩」と言ったのは、今回の合意が非常に大胆な政治決断だったからでもあります。日韓両政府は「嫌韓」「反日」といった、立場を全く異にする層からの反発を予想し、それを避ける形で一歩を踏み出しました。ただし、省略した要素は合意後に処理すべき課題として残されることとなったのです。

しかし、両国政府とも自国民に対する事前の国内調整をもう少しできなかったのかという疑問は残ります。『柔らかな海峡』という本にも書きましたが、私は以前から慰安婦問題の解決のためには両国政府が「それぞれの“希望”と“限界”を明示すること」、そして「国内の調整をすること」が必要だと考えてきました。特に国内調整に関しては、韓国が元慰安婦女性に事前周知だけでもしておけば、現在の反発は多少抑えられたと思います。

いずれにしても、両政府は今後も国民の理解と納得を得るために説明・対話を続けていかなければなりません。村山富市政権下の1995年に設立された「アジア女性基金」(正式名称:女性のためのアジア平和国民基金)及び当時の日本政府は、メディアの反発に耐えられる共通理解を作れませんでした。

その結果、韓国でメディアへの影響力を持つ「挺対協」(韓国挺身隊問題対策協議会)など圧力的な市民団体の突き上げを受けて、韓国の姿勢は固定化していきました。一方で、アジア女性基金が頓挫(とんざ)した日本では失望が広がり、日韓の議論が交わらなくなったのです。

今回の合意は、「不可逆的」という言葉で意味づけられています。この「不可逆的」という言葉が持つ意味を、両国は尊重しなければなりません。そして、これまでと同じ失敗を繰り返さないためにも両国政府は史実や合意を踏まえて、自らの“希望”と“限界”を国民に正直に伝えるべきです。


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