2016年、「週プレNEWS」が“大注目する期待のアイドル”インタビュー」も、ついにラストの第6回!
最後に登場するのは、2015年の年末にセンターポジションに立っていた鞘師里保さんが卒業、新たなスタートを切るモーニング娘。’16から石田亜佑美ちゃん!
いつもメンバー内ではスベりキャラな石田さんですが、これからのモーニング娘。’16の未来を真っ直ぐ考えているメンバーとも言われています。そんな彼女の今の心境とは?
* * *
―さて、「2016年の注目アイドル6人」のラストです!
石田 ありがとうございます! 最初、「2016年の注目アイドルっていう取材が決まったよ」って言われた時にドッキリだと思ったんですよ(笑)。以前、メンバーの譜久村聖(ふくむらみずき)さんと工藤遥ちゃんのバースデーイベントがあったんですけど、その中で同じようなドッキリ企画があったんです。こう…嘘のインタビューの仕事が組まれていて。
くどぅー(工藤遥のニックネーム)は“イケメン企画”だって嘘をつかれて、めちゃくちゃイケメン風になりきって撮影していて。さらに、恥ずかしいセリフとかも言わされて。その動画がバースデーイベントで流される、みたいな。
―もう死にたいですね。そうなったら。
石田 それを見ていたんで、「そんな企画で私が呼ばれるはずない」って思って、「そういうドッキリだ」って思ったんです。
―大丈夫です! 安心してください、「2016年の注目アイドル」という企画ですよ!(笑)
石田 もうドッキリじゃないっていうのはわかったんですけど、逆に、「注目すべきアイドル」なんて言われることに…謙虚とかじゃなくて、「そんなことないよ」って思ってしまう客観的な自分もまだいるんですよ。それは自分自身、胸を張って「皆さん、私を見てください!」って言えないのがちょっと悔しいなって。
―いや、そういう性格なのもある意味、魅力ですよ。そんな石田さんですが、鞘師さんとともに圧倒的なダンスのパフォーマンスでグループを引っ張っていました。ダンスを習い始めたのって、いつ頃ですか?
石田 小学校1年生です。チアダンスを習っていたんですよ。それが始まりです。で、その後、小学5年生で楽天イーグルスのチアリーディングスクールに入りました。チアって、たくさんの人の前で踊る機会が多いので、人前で踊る楽しさは小さい時から知っていたというか。「ダンスで人を楽しませたい!」って思ってましたね。
―じゃあ、その頃から「ダンスで上に行きたい!」って思っていたりも?
石田 チアをやっていた時も、誰がセンターとかは一応あったんですよ。「あなた、真ん中で踊って」って。そういう意味でいうと、同じチームのメンバー内でしたけどライバル心はありました。さらに選抜ユニットとかもあったんで、やっぱり選ばれるために頑張りたかったですし。一度、チャンスが回ってきたのにダメだったことがあって。でも、その次の時には選ばれて嬉しかった思い出がありますね。
新しいモーニング娘。に進むタイミング
―その後、「アイドル」という世界に入っていくわけですけども。
石田 なんか、「アイドルになりたい!」っていうよりかは人前に立ちたいって。小さい時から、「TVに出る人になりたい」ってぼんやり思ったんですよ。すごい目立ちたがり屋だったんですよね。中学3年の時に学級委員をやったんですけど、その時もめっちゃやりたいのに「はい!やりたいです!」ってガッつけなくて。「まぁ、誰もやらないならやってもいいけど?」みたいな。
―なんか上から目線じゃないですか!
石田 恥ずかしいからです(笑)。中学生の時って、「気怠(けだる)そうにやってるのがカッコいい」みたいな時期あるじゃないですか。グイグイ前に出るのも恥ずかしい、けど目立ちたいとか。学級委員を決める時って、立候補者はあんまりいないし、1回沈黙になるじゃないですか。そうなった瞬間に椅子に寄りかかって、ちょっと揺れながら「あ、じゃあ…はぁい」みたいな(笑)。
―そうやってクラスの実権を握ったんですね!(笑)
石田 はい。仕切りたがりでした。気怠そうに見せて、バリバリやってました。ていうか、仕切るっていう意味でいうと、最近、たまに思うんです。例えば、舞台でお芝居をやらせていただく時とかに、私は演出なんてできないですけど、「演出助手ならやってみたい!」とかたまに思う時があって。ゼロから何かを決めるっていうのは苦手なんですけど、誰かの助手として仕切ってみたいって思っちゃうんですよね。
演技とか全然わかってないのに、人の演技に口を出したくなる時があるんですよ。「ここの表情ってこうなんじゃないかな」っていうのを。で、そういう時に「委員長」とか「演出助手」とか立場があるってすごくいいな、大事だなって。
―そういう意味でいえば、モーニング娘。内でも“10期という立場”というのもありそうですよね。今は9期メンバーが3人、10期メンバーが4人、11期メンバーがひとり、12期メンバーが4人。かなり上の立場ですもんね。
石田 それはありますね。それに10期っていう立場は、一番ちょうどいいと思います。それこそ「演出家は無理だけど演出助手なら」っていうのと一緒で、一番上になると、きっとたくさん考えないといけないことがあるかもしれないけど、9期の先輩にも甘えられるし。後輩には教えていく立場ですし。それが今はちょうどいい気がしていて。正直、居心地が良いんですよ。
―2016年、1番動きやすく、やりやすい良いポジションにいる、と。
石田 なのかもしれないです。しかも、さらに年明けに「13期メンバーのオーディションも行なわれる」っていう発表もあったので。新しいモーニング娘。に向かって進むタイミングで頑張りたいですね。
「王道」にはなれないんですよ
―そんな石田さんですけど、「前に前に!」と前に出て行ってスベる、というイメージがあるんですが、なんかこう…わかりやすい「アイドル」というものを目指してないんじゃないかな?って。
石田 まぁ、そうですね。ハロー! プロジェクトでいえば、Juice=Juiceの宮本佳林ちゃんとか、他のアイドルグループさんでいえば、AKB48の渡辺麻友さんみたいな、夢のある感じの“ザ・アイドル”ではないと思うんですよ。
―なんですか「夢がある」って。「石田亜佑美には夢がない」とでも?(笑)
石田 そんなことはないです!(笑) まぁ、彼女たちみたいな「王道」にはなれないんですよ。自分には向いてないだろうな、って。こう…私のことを「好き」って言ってくださる方で多いのは「いつも、ふざけてる瞬間が好き」とか。「でもライブになったらカッコいいのが好き」とか。だからアイドルアイドルしている私を見ても「石田がまたふざけてるよ」って言われると思うんです。
―ザ・アイドルを目指したことは一回もないんですか?
石田 ないです!(笑) 皆さんを楽しませるために、いつも笑顔でいようとは思いますけど。
―個人的には、アイドルっぽさって「女子力」と通じる部分もあると思っているんですけど。美容とかに気をつけたりはしてます?
石田 健康、とか気をつけてます。
―いや、健康ではなくて、美容です。
石田 えーっと…女性としてボディクリームは塗ってますよ! まぁ…一般的な同年代の19歳女子と比べると…女子力は低い気はしますけど。料理は作れます。香水とかも持ってます。まぁ、ファンの方に会わない時はつけないですけど。
―でも、ファンの前に出る時は香水をつけるんですね。いいと思いますよ。ファンのために努力するのがアイドルですから。
石田 まぁ、ファンの方の前に行く時も忘れたりしますけど。あと、お仕事じゃない時に街に出る時は、すっぴんなんですよね。
―おぉ! 19歳女子! まずくないですか?
石田 面倒くさいんです! でも、全然、すっぴんでも変わらないですよ。それに尊敬する道重さゆみさんも「お休みの日はメイクしない」って言ってましたよ。
―道重さんはお休みの日、家から出ないからですよ。
石田 あ! そうか! 家から出ないからか…。道重さんっていうお手本がいるから大丈夫だなって思ってました(笑)。
なんか…「鞘師さんに負けてるよ」って
―ちょっと心配になってきました…。でも今回、選ばせていただいたのは、これからのモーニング娘。を石田さんこそが引っ張っていくはず、と思ってまして。ある意味、卒業された鞘師さんを継ぐのは、石田さんなんじゃないかって。
石田 …なるほど。
―2016年のモーニング娘。’16について考えることってありますか?
石田 それこそ、鞘師さんのパフォーマンスが欠けたことによって、何かこう…「ドン!」っていう重みがなくなるんじゃないかっていうのが一番不安だったんですよ。それまでふたりで並んで踊らせてもらっていたんですけど、「石田ひとりになって、モーニング娘。のダンスってそうでもなかったね」って言われちゃうんじゃないかと思うと怖くて。
―そういう不安はありますよね。鞘師里保って自分にとってはどんな存在でしたか? モーニング娘。に入る前は意識していましたか?
石田 自分がオーディション受けている時に過去のオーディションの映像を見ていて。9期さんの映像見た時に「あ、むちゃくちゃダンスアピールしてる方がいるんだ!」って思ったんです。自分もダンスをアピールして入ろうとしていたから「すでにこんな人がいるんだ。しかも年下なんだ」みたいな。でも負けず嫌いなので「自分も負けてないぞ!」って思って加入して。ダンスのアピールをしたんですけど、ファンの方に「やっぱライバルは鞘師ちゃんなんでしょ?」みたいに言われるのも、なんか悔しかったんですよ。
―悔しかった、というのは?
石田 「鞘師さんに負けてない」って思っている自分もいれば、「でも鞘師さんのほうがすごい」って思っている自分もいて。ファンの方にそう言われると、なんか…「鞘師さんに負けてるよ」って言われてるような気分になって、悔しかったんですよ。そういう時は強がって、「別にライバルなんかじゃありません!」って答えたりしてた時期もあって。そういう始まりでした。
―実際、鞘師さんのダンスを見て、「これはやばい!」って思ったりは?
石田 それ、むしろ昔は思わなかったんですよ。「認めたくない!」って思ってたから。でも、2014年の終わり頃に鞘師さんのダンスが変わったんです。今まではわりとパワフルでストレートな感じのダンスで「シュパン! シュパン! シュパン!」って、効果音が聞こえてきそうなストレートなダンス。でも、さらに重みが増して、ただの効果音じゃ表現できなくなったというか。緩急がすごかったんです。すごくなったんです!
―ほほう。
石田 鞘師さんって、いろんなダンスを見て研究しているから、いろんなものからの影響だと思うんですけど。緩急がついて、メリハリがついて。本当に…真似しようと思ってもできないダンスだったんですよ。私はずっと「キレキレなダンスが自慢です!」って言って、それを貫こうとしていたけど、それだけじゃつまらないなってハッとさせられたんです。
「自分はモーニング娘。なんだ」って自覚していれば
―なるほど。でも、「ライバル」でなければ、どんな存在だったんですかね。
石田 …もし私の一方的な片想いだったら寂しいけど…「相棒」っていうイメージが強かったです。ステージ以外では深いお話とかできなかったんですけど「ステージ上に立つと気持ちがわかる」っていうか。そんな風に思っていた2015年に、鞘師さんのダンスが進化したから本当にすごいって、影響されましたね。
―では、鞘師さんが卒業してどうですか?
石田 メンバーに対して「卒業します」って発表があった時は、めちゃくちゃ泣きました。ずっと泣いていて、家に帰っても泣いてました。鞘師さんの卒業からずっと涙腺が緩んでますね(笑)。どこかで切り替えはしなくちゃって思ってますけど…。
―直接、何か受け取った言葉ってありますか?
石田 鞘師さんが卒業される前に、ある雑誌のインタビューで「どんな時でも自分はモーニング娘。なんだっていうプライドがあった」っておっしゃっていて。それから私も意識するようになりました。カッコよくパフォーマンスをしたい時もあるし、うまくいかないこともあるんですよ。でも、もし失敗したとしても、見ている方たちに、そこからでもいいものを見せたいっていうか。失敗だって、自分の表情ひとつでカバーできると思うんです。
どんなに自信がないことでも、「自分はモーニング娘。なんだ」ってことを自覚していれば、落ち込んだり、気持ちが下がってしまう瞬間を、お客さんに見せたりしないと思うんですよ。もちろん、私は今までもステージ上でつらそうな表情は見せないようにしようとしてました。でもそれはパフォーマーとしてって気持ちだったので、その気持ちを「モーニング娘。として」っていう“自覚”に変えたら、また何か違うものが見えるのかなって。
―「モーニング娘。としてのプライド」。素晴らしいですね。ところで、鞘師さんがいなくなった後は、誰がセンターになるんでしょう?
石田 わからないです。ファンの方もメンバーも気になってるとは思います。
―いわゆるCDジャケットのセンターであり、グループとしての“エース”というポジション。そこに立ちたいですか?
石田 …即答できないのが申し訳ないですね。でも、やる気はもちろんあります。話がきたら…やります! でも、撮影の1週間前に教えてほしいです。もともと女子力的なアレもないので、1週間、調整したいので!(笑)
―なるほど! でも、前向きですね!
石田 たぶん、まだ立ったことがないからセンターの気持ちがわからないんですよ。CDのジャケットで真ん中になるとか…。でも、現状に甘えることなくパフォーマンスを磨いていきたいです!
―中学校時代のように椅子に寄りかかって、ちょっと揺れながら「センター? あ、じゃあ…はぁい」みたいな。
石田 中学までです! それが許されるのは!(笑)
(取材・文/篠本634[short cut] 撮影/武田敏将)
■石田亜佑美(いしだあゆみ) 1997年1月7日(19歳)宮城県出身。ニックネームは「だーいし」。モーニング娘。の第10期メンバー。ダンス、歌唱力共に高い評価を受けている。現在、『モーニング娘。’15コンサートツアー秋~PRISM~日本武道館LIVEミニ写真集』が絶賛発売中! 公式サイトもチェックhttp://www.helloproject.com/morningmusume/ 3月12日から全国ツアーがスタート。3月19日&20日にハロー!プロジェクトのメンバーが総出演するコンサートがパシフィコ横浜で開催