悪質片づけ業者が存在! 作業員のパクリや高額請求などトラブルも少なくない

親や家族が逝ってしまった後、遺品の整理は悩ましい問題だ。ゴミなのか価値があるのか判断が難しいものもあるし、何より思い出深いものが多く、時間も手間もかかってしまう。

「親御さんが亡くなると、遺族は葬儀や相続などの手続きに追われてしまうため、家の片づけは専門業者に依頼する方が増えています。ただ、遺品をぞんざいに扱ったり、不法投棄したり、作業途中で見つけた貴金属やへそくりを懐に入れてしまう悪質な業者も残念ながらいるんです。

そういったトラブルを避けるためには、できるだけ作業に立ち会うことが基本です。また、事前に兄弟や親戚に連絡して、捨ててはいけないもののリストを作り、業者に渡しておくといいですね」(一般社団法人遺品整理士認定協会・木村榮治理事長)

業者に頼む場合は、料金に関しても注意が必要だ。遺品整理には統一された料金体系がないため、「高額な作業費用を請求された」というトラブルが後を絶たない。

「あくまで目安ですが、部屋数×8万円を上限にして見積もりを取ってください。例えば、2LDKだったら3部屋×8万円で24万円。それより高かったら、何に料金がかかっているのか明細を確認することです。

ただ、見積もりが安くても、後で追加料金を請求されることもありますので、明細は必ず保存しておくこと。問題が起こったら、国民生活センターや消費者庁など第三者機関に相談してください」(木村氏)

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(取材・文/羽柴重文 和田哲也 イラスト/はまちゃん)