混迷を極めた新党名は最終的に世論調査を行ない、維新が推した「民進党」に決まった

「選挙前の数合わせ」との批判もある中、民主と維新が合流。これに伴い“看板”は「民進党」と新しくなった。だが、変えるべきは党名ではなく、党首との声がもっぱらだ。

■「民主」の字が入ると選挙に勝てない

3月14日、民主党と維新の党でつくる新党の名前が「民進党」に決まった。全国紙政治部記者が説明する。

「民主党は『立憲民主党』、維新は『民進党』を主張していましたが、結論が出ないので世論調査を行ない、約5ポイント差で『民進党』案が選ばれたのです」

自らの推した案が採用されなかったにもかかわらず、民主系の議員たちは、何やら安堵(あんど)ムードだ。衆院当選3回の、ある議員が言う。

「『民進党』がベターでしょう。というのも『立憲民主党』ではずうたいの大きい民主が小所帯の維新に新党名をゴリ押ししたような印象を与えてしまうし、維新も不満を抱えて新党内部でゴタゴタしかねない。それに『立憲』という明治期の政党名のような語句は響きが古めかしすぎですよ」

別の民主系議員(衆院当選2回)もこう続ける。

「最後まで『民主』の名前にこだわった議員は少なからずいましたが、正直、民主という党名では選挙は勝てない。民主と聞くだけで、多くの有権者は顔をしかめてしまうほどですから。どんな党名だろうが、変えないよりはずっとマシだと思いますよ」

さらには、こんな自画自賛めいた囁(ささや)きも…。

「実際、3月10日の両院議員総会でも反対意見はなかった。むしろ安倍首相をはじめとした自民党のほうが『民主党のまま選挙を戦ってくれたら楽勝だったのに』と、残念がっていると思いますよ」(民主党関係者)

党名を世論調査で決めること自体がおかしい

ちなみに、字画の面でも「民進党」への改名は正解だとか。姓名判断を得意とする占い師、真央侑奈(まお・ゆな)氏がこう卦(け)を立てる。

「民主党は旧字体で30画。これは最凶の名前です。人望がなく、何をしたいのかがわからない。占い師なら、絶対に避ける画数です。その点、民進党は旧字体で画数37画。柔軟性があり、周囲から引き上げられる名前。時代の流れが読めるので、世渡りがうまいタイプでもあります。民主党から民進党への改名は正解といえるでしょう」

ただ、永田町ウオッチャーの評価は手厳しい。政治評論家の浅川博忠氏が指摘する。

「今回の党名変更は100点満点中50点。そもそも党名を世論調査で決めることがおかしい。政党名は綱領とやりたい政策を定め、それを体現する名前を政治家自らがつけるもの。しかし、新党の幹部連はその作業をやらなかった。中途半端さと無責任さが透(す)けて見えるだけに、選挙前の数合わせ、野合と見る有権者も少なくないでしょう」

こうした指摘を新党関係者はどう聞くのか? 前出の衆院当選3回議員がうなずく。

「正論です。党の中身が変わらないと、いくら党名を変えても無意味ですから。党名変更という第1ラウンドが終わった今、第2ラウンドでやるべきことはひとつしかない。それは新しい党首選びです」

「岡田現代表では勝てない」との声が若手中心にあり、「参院選前に新党の代表選を行なうべし!」との要求も高まっているというが、岡田代表に譲る意思はないようだ…。

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(取材・文/本誌ニュース班)