医師や弁護士などの職業に就きながら、なぜテレビカメラの前に出てくるのか…

タレント女医の脇坂英理子容疑者(37歳)が診療報酬の不正受給容疑で逮捕された。

露出度の高い服装と奔放な発言で一時期、バラエティ番組を中心にTVに出ずっぱりだった彼女だが、その転落は極めて早かった…。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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高学歴かつ高肩書、さらに美人でお金持ちという女性たちが多くTVに出演するようになったのはいつ頃からだったかな。

長く活躍されている方もいる一方、今回の脇坂容疑者のように転落人生を歩む人もいるのですから、人生はいつどこで道を誤るかわかりません。

そもそも医師や弁護士などの職業に就きながら、彼女たちがなぜわざわざTVカメラの前に出てくるのか、私はとても興味深く思います。

注目される仕事はいろいろ詮索されたりして、いいことばかりではありません。知名度が上がって本が売れるのはいいことかもしれませんが、やり方を一歩間違えば本業の信用を損なうことにもなりかねません。結構なリスクですよね。

私もそうでしたが、不特定多数の注目を浴びたいというのは、自分を受け入れることができないしんどさの表れだったりもします。人気はそれを埋めてはくれないと気づけば仕事と割り切って長く続けられますが、もっともっと注目されたいと思うと無間(むげん)地獄が待っています。

高スペックの優等生で、親にとったら自慢の娘。そんな全てに恵まれたように見える女性の悩みも、案外深いのかもしれません。

小島慶子(Kojima Keiko)タレント、エッセイスト。中学・高校では生物の授業が大好きで、メンデルと出会うまでは満点近い点数を取っていた。「ええと、シワのある豆は全体のうち何個?」という遺伝の問題でつまずいて、医師への憧れが霧散