今回はレアルマドリードのホーム「エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ」にも訪問

オラ! 南仏での祭り三昧(ざんまい)を終え、お次はスペインでサッカー祭り!

サッカーファンには「旅人のくせに生意気だぞ」と怒られるかもしれませんが、「チャンピオンズリーグ」のためにバルセロナに再訪です!

私はよく言う「ワールドカップの時だけ急にサッカーファンになる女子」でしたが、この数年、旅というフィルターを通してだいぶサッカーを身近に感じるようになりました。

というのも、世界では「ボールを蹴ってない子供がいない」というくらい、どこの国でも「サッカー」をしている風景に遭遇します。

言葉が通じなくても「メッシ」という呪文を唱えれば笑顔をもらったり心を通わすことができたし、「サッカー」は世界で共通の話題でした。その中で私は、サッカーに興味を持って好きになっていくというよりは、生活の中で自然と触れていく感覚。

そんな生活を送るうち、いつのまにか世界のスタジアム訪問も旅の楽しみのひとつとなりました。実はバルセロナの前に、先日もスペインの首都マドリードレアル・マドリーのスタジアムを訪問。

最近のスタジアムツアーというのは最先端の技術を駆使した映像などがなかなか遊園地ばりに面白い。大きなピッチに降りたり、ベンチに座ってスターの視界に映る景色を楽しんだり。しっかり気分も高めて…、さあ、チャンピオンズリーグの準備はバッチリです!

誰のが当たるかわからない入場券。私はマルセロをゲット!

今回、観に行くのは「バルセロナVSアーセナル」というチャンピオンズリーグのビッグマッチ。ワールドカップくらい、いや、それ以上の盛り上がりを見せるのでは?

「きっとまた皆が『MESSI』シャツに身を包まれて、街中がバルサ色に染まってるはず!」

そう思った試合当日、街にはひとりもメッシを見かけなかった。

中心地は普段と変わらず、もちろん路上でグッズを売っているような輩(やから)もいないし、静か…。

売っていたのはサッカーグッズではなく、パエリア鍋

いよいよ試合開始!

宿の女子スタッフにネットで購入したチケットの印刷を頼むと「今日サッカーの試合があるの? 楽しんで来てね~」だって。

まさか、この土地にいながら今日が大きな試合だというのも知らないの? 人のこと言えないけれど、さすが女子。スペインにいれば、誰でもサッカー熱はスゴイのだろうと思ってたけど、そういうわけでもないんだな。

…は! そういえばブラジルのW杯の時のこんな会話を思い出した。

「私、サッカーはキライ。だって男たちが騒いで酔っぱらうし、街も荒れるしクレイジーだから嫌だ!」

この発言をしていたのはひとりの女子ではなく、ブラジルのセクシーガールも、コロンビアの美人も、ドイツの真面目女子も確かにそう言っていた。よくよく出身国を考えてみると、それはどこもサッカー強豪国!

解釈をすると、サッカーが嫌いというよりもサッカーに狂ってしまう男子に我慢できないといった感じ。なるほど、サッカー強豪国ほど、サッカーアンチ女子も多いのかもしれない。

日本の女子がワールドカップにお祭り騒ぎができるのは、わりかし日本の男性と女子のサッカーの楽しみ方が、一緒に楽しめるものだからなのかも? 男ノリでクレイジーめに楽しんでいた方は、お気をつけて!

試合は夜だから、メッシの前にバル飯(メシ)で腹ごしらえ

ツルリと胃の中に滑り込む超美味な生アンチョビ

いよいよ会場に向かう時になって、雨がポツポツと降り始めた。こんな大事な日になんてこった! これまでの経験上、試合の日の電車は迷惑なほど大フィーバーするのだが、天気のせいか車内もやっぱり今日は静かめ。バスに乗り換えると、カンプノウ行きの車内は老人ばかり。今日、本当に試合あるよね…?

カンプノウに到着する頃には、雨は土砂降りになっていた。会場前はユニフォームではなくポンチョの人々であふれ、私もビショ濡れで、カンプノウ再訪の感動に浸る余裕もなく寒さに震えながらキックオフ。

客席はガラガラでスタートし、こんな良い試合なのにもったいない~。肉眼で見える選手の表情と飛び散る汗。ボコンッとボールを蹴る生音。やっぱ、いいな~。

そして、試合はネイマールの先制点が決まった! 「きゃあああ」と黄色い声で大興奮!!

大雨で外観を撮る間もなく入場してしまったので、去年撮ったカンプノウの写真を

試合後は大盛り上がり!のはずが…

けど、気付くといつのまにか客席はいっぱいになっていた。

バルサの2点目は、私の目の前で決まった。回し蹴りのような鮮やかなゴール。ブラジルW杯でイタリア選手の肩に噛み付いた衝撃的な男「噛み付きスアレス」だ!

あまり私のタイプではないが、歯がキレイなのはポイントが高い。歯磨き粉のCMに出てほしい。…そして3点目は安定のメッシが決めて、バルサ快勝。

アルゼンチン代表メッシ、ウルグアイ代表スアレス、ブラジル代表ネイマール。MSNトリオの3人がそれぞれ点を決めるというアメージングでパーフェクトな試合。ああ、グラシアス。

南米陣すごいなー。やっぱり強さの秘訣は肉かしら。赤身の多いアサードやシュハスコは筋肉付きそうだもんね。帰ったら私も市場で買っておいた肉を焼こう。さすがに宿もパーティー状態だろうな。サングリアでも飲んで騒いでいることだろう。

宿は毎日何かしらのイベントあり

「やぁ、お帰り。楽しかった? サッカー? 動画で見たよ~」

へ? そんなもん? もっと熱狂に溢(あふ)れているかと思ってたんだけど、拍子抜け。宿の広いリビングにはメッシのシャツを着たカップルが一組いるだけで、キッチンには男子が並んでせっせと料理をしている。

アルジェリア人の男たちは、冷凍ポテトをそのまま焼こうとして私に「この作り方あってる?」と聞いてきた。ドイツ人の男は私がレタスを茹でていると「レタス茹でるなんて初めて見た! 俺たちは生でしか食べないよ」と言ってきた。

「男子たち! 何しにバルセロナ来たの?!」

サッカーの話で盛り上がるはずの夜はキッチンでクッキングトークとなり、終了したのだった…。

ルームメイトのアルジェリア人とキッチントーク。冷凍ポテトに苦戦中

【This week’s BLUE】マドリッドの市場で食べた謎の物体。SURIMIと書いてあって、オリジナルは日本だって! 見たことないけど…。

●旅人マリーシャ平 川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】