今回は編集部でアルバイトとして働く鈴木くん(25歳)がモデル役に。春先は花粉の影響でマスク着用しており顔が隠れてしまう(左)。スタイリストの力で花粉も防ぎつつ大変身!

そろそろ花粉症のシーズンも終わりとはいえ、まだまだクシャミは出るし鼻水も流れる。マスク必携の人も多いだろう。

おまけに春先は花粉症のみならず、気温も定まらないため、冬物と春物がミックスしてファッション的にもどっちつかずになりがち…。

そこで、プロのスタイリストにお願いして、花粉症対策もオシャレもできる、この時期最強のファッションにトライしてみた!

■花粉を防ぐアウターとボトムスの丈感を見極めろ!

花粉症シーズンはずっと家に引き込もっていられればいいが、そうはいかない。

しかし、外出すれば花粉が…。この時、キモになるのがアウターである。アウターさえしっかり選べば、室内に花粉を持ち込む確率が低くなるからだ。

逆に言えば、このアウター選びを失敗すると大惨事に…。冬の寒さを引きずって肌寒い日が続く時もあるとはいえ、春なのに冬仕様の服装を続けていないか?

実は、今回モデルをつとめた週プレアルバイト・鈴木くんは、重度の花粉症。朝に薬を飲んでも鼻水が出るレベルのため「花粉が飛び始めたら冬物のコートは着ていられません」という。早々にウィンドブレーカーを着始めるそうだ。

冬物のコートがいけない理由は素材にある。ウールやコットンなど凸凹している繊維を使っているものは花粉をキャッチしやすい。それが、繊維の奥に入りやすいため、室内に入る前にコートを脱いで思い切りバサバサと振っても、花粉を落としきれるものではないのだ。

だからアウターが重要。花粉がつきにくい素材のものを上手に着こなせれば、室内に花粉を持ち込む確率をグンと減らせる。

右が今回着用したコート。左と比べるとツルッとしているため花粉がつきにくい

では、そのアウターをどう選べばいいのか。オシャレにはデザインも重要だが、花粉症対策のためには、まずタグで素材を確認してほしい。

ポイントは、ナイロン、テンセル、ポリウレタンなどといった合成繊維や化学繊維が使われ、その使用量が多いもの。これでアウターの表面はツルツルの仕上がりになる。できれば撥水(はっすい)加工をしているものがベター。

そんな花粉がつきにくいアウターを取り入れたコーデというと…。

おしゃれアイテムでもうひと工夫!

こちら、シャツの上にボーダーのカットソーを合わせて爽やかな好青年風に。若干大きめのボストン型のダテメガネで、目の周りに飛来する花粉もオシャレに防御!

【衣装クレジット】コート¥44,000(キート/HEMT PR)カットソー¥5,900(マーモット/デサント カスタマー リレーションズ)中に着たシャツ¥11,000(リー・ジャパン)パンツ¥19,000(ラコステお客様センター)眼鏡¥19,000(A.D.S.R./4K)靴¥21,000(ティンバーランド/ティンバーランド/VFジャパン)

生地全体が薄手のため、肌寒ければインナーを着こむ。気温が上がってきたらインナーを薄手にすれば比較的長く着られるアウター。

カジュアルにキメた、このコーディネートのポイントは、ボトムスをロールアップしたこと。コートの丈が膝まであるため、靴まで裾(すそ)があるとバランスも悪く重い印象に。足首を見せることで全体に軽やかでスッキリとまとまる。靴下ははかないか、見えないようにしよう。

裾を折る回数はコーディネートやコートの丈に関係するため、バランスを考えてやってみよう

しかし、コートに花粉がつかなくても、むきだしの顔に花粉がつくのは避けられない。マスクをしたくなるが、ここはあえてのNOマスク。その代わり、スカーフを取り入れてみるのもオススメ。

巻き方は簡単。長方形のスカーフの対角線をつかんで半分に折り、後ろで結ぶ。三角の部分は結んでからアウターの中に適度にクシャッとさせながら入れる。(※スカーフはスタイリスト私物)

スカーフを簡易マスク(?)として使えば、オシャレさもUP! 重度の花粉症の人には勧められないが、花粉が少ない日や雨の日などで風が強く吹いた一瞬などポイント使いならばしのげるだろう。ただし、かなりのオシャレ上級者テクニックではあるが…。

フォーマルもさらにキメる!

■スーツは、くしゃみも抑えて瑛太風カラーでモテる!

ビジネスシーンでは欠かせないスーツ。アウターを着て花粉をしのげればいいが、気温が上がってくるとスーツだけで移動する人も多いだろう。

そこで春先に着るスーツは、アウター同様に素材に着目して選びたい。スーツでよく使われがちなコットン・ウールは花粉をキャッチしやすいのでNG。コットンが入っていないもの、もしくは主にナイロンなど化学繊維を使ったスーツを選ぶべし。ネクタイもできるだけ表面がツルツルしているものにしよう。

今年の流行カラーはネイビーだが、同じブルー系でもあえてライトに。ライトブルーと相性のいいグレーをネクタイに取り入れれば清潔感があってモテ度がUP!

【衣装クレジット】コート¥44,000(キート/HEMT PR)ジャケット¥42,000、ベスト¥19,000、シャツ¥17,000、パンツ¥16,000(すべてラブレス青山)眼鏡¥19,000(A.D.S.R./4K) ※ネクタイ、靴はスタイリスト私物

さらに取り入れたいのが、花粉をブロックするスプレーなどのグッズ類。営業の外回りで頻繁(ひんぱん)に外出をする人は、いくら花粉がつきにくい素材を選んでも服だけで防御するのは難しいだろう。

花粉症の人が気にする髪の毛、顔の人体用と、服に使う静電気防止スプレーや花粉ガードをうたっている商品は使い分けが必要。他にも、鼻の中に塗る花粉ブロックのクリームを使えば、マスクよりもスマートな印象に。

花粉症対策のファッションアイテムは量産型で就活生のスーツのようなデザインも多いが、アウターのチョイス、花粉症ブロックのアイテムをポイント使いすることでスタイリッシュになれる可能性も! 取り入れやすいことから始めてみては?

(取材・文/渡邉裕美 撮影/榊智明[メイン写真左を除く] スタイリスト/八木啓紀)

●お問合せ先:HEMT PR/03-6427-1030、デサント カスタマー リレーションズ/0120-46-0310、リー・ジャパン/03-5604-8948、ラコステお客様センター/0120-37-0202、 4K/03-5464-9321、ティンバーランド・VFジャパン/0120-953-844、ラブレス青山/03-3401-2301)