日本ではリーダーに協調性が求められすぎだとふたりは語る

最近、日本が不倫問題に揺れている。乙武洋匡氏の他、ベッキーとゲス川谷氏、さらにはカップヌードルの新CMに矢口真里氏が出演したら、「不倫した人を出すなんて」と炎上したりと、不倫に対して社会がヒステリック気味に拒否する状況が続いている。

『週刊プレイボーイ』本誌で対談コラム「帰ってきた!なんかヘンだよね」を連載中の“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人ひろゆき氏は、そんな反応に違和感を覚えるという。堀江氏が言う。

「矢口さんにしたって乙武さんにしたって、不倫をして世間に迷惑をかけているわけでもないのに、なんでこんなに責められる必要があるんだろ? 奥さんとかには謝る必要があっても、別に世間には謝罪しなくてもいいでしょ」

ひろゆき氏もうなずく。

「僕もそう思います。『不倫は当事者同士の問題』で、『周りがどうこういう話じゃない』と思うのは少数派なんすかね?」

では、当事者ではないのに、不倫を糾弾する人々は何が気に入らないのか? 堀江氏はこう推測する。

「結局、批判しているのって嫉妬してるからなんじゃないの? 結婚して不満を感じているけど、だからといって浮気する度胸も別れる勇気もない。『自分が我慢しているのにアイツは不倫して腹が立つ』とか、そういう種類の嫉妬だと思うな」

そんな嫉妬深い人々が、矢口氏のカップヌードルCMに抗議の電話をかけ、乙武氏を参院選不出馬に追いやった。そう、ふたりは見る。

「なんつーか、ただでさえ見返りの少ない政治家という仕事に就こうとしている人の足を引っ張ろうとするのかがわからない。やっぱり、世間の反応はヘンだよ」と堀江氏。

しかも、こうした傾向は決して日本のためにはならないのではないか? ひろゆき氏はその疑問から次のような持論を…。

無難な人がリーダーになっても、ほとんどの人が得をしない

「政治手腕と不倫は関係ないっすからね。なので、今回の件を見ていると、世間は政治家に優秀な人を求めてないんじゃないかっていう気がするんですよ。って考えると、無名の官僚が粛々(しゅくしゅく)と政治を進めていくのが日本は向いてるんでしょうね。でも、それだと高度成長期とかバブルみたいに進むべき方向が決まってる時はいいんですけど、どっちに進むか決めかねるような状況だと、だらだらと衰弱してくパターンになるんですよね。日本にとってよくはない状況なんですが。

てか、万人に好かれる優秀な人ってほぼいないですよね。僕、ダライ・ラマぐらいしか思いつかないんですが、彼も中国では嫌われてますしね。むしろ、一部の人は嫌いだけど一部の人は大好きっていう人のほうが優秀な場合が多いですよ。でも日本は、賛否両論ある優秀な人より、無名な無能の人を選んだりする。

『個性的であること』が“欠点”になるか、“美点”になるかの違いがありますよね。日本って他の人と違っていることは悪いって教えられて育ちますけど、アメリカではユニークであることが重要っていわれて育ちますから」

実際、堀江氏も「小学校の時の通信簿でめっちゃディスられてた」そうだ。

「俺、小学校の頃は、褒(ほ)められたことないからね。ひどいもんだったよ。いやみっぽく聞こえるかもだけど、勉強ができすぎて逆に褒められなかった。テストは大体5分くらいで終わっちゃうから『先生、寝ていい?』『遊んできていい?』って言ってたし」

そうした環境では、優秀なリーダーなど生まれないとひろゆき氏は言う。

「日本の教育では勉強ができることよりも協調性のほうが求められますからね。そして、そういうヘンな教育のおかげで日本人は政治家という日本のリーダーにも協調性を求める。でも、同僚を選ぶなら人柄が良くて協調性がある人のほうがいいでしょうけど、リーダーに協調性はそんなに必要ないわけです。だって、周りの反応を気にしていると大胆な政策なんて打ち出せないですから」

こうして、日本では「協調性があって嫉妬の対象にならない無難な人」がリーダーになり、ほとんどの人が得をしないというワケ。「一体、いつまでこんなヘンなこと続けるんだろ?」と、一連の不倫騒動から日本人気質の不毛さを嘆くふたりだが…。

●このコラムの全文は発売中の週刊プレイボーイ18号(4月18日発売)に掲載。是非そちらもお読みください!

(イラスト/西アズナブル)