ついに憧れの青い街「シャウエン」にやってきました!

サラーム!(アラビア語で「平和」という意味の挨拶です)

旅人マリーシャ、ついに連載100回目を迎えました! 感無量です! わーいわーい! ここまでやってこれたのは、読者のみんながいたからです。シュクラン!(ありがとう!)

心より愛を込めて、今回はブルーハンターにふさわしい「青の世界」をお送りします。

やってきたのは「おとぎの国」とも称されるモロッコ北部の「シャウエン」。ここは街の中がすべて青で覆われた幻想的な世界で、旅人からとても人気の場所なんです。

私もこのコラムを初めた頃から、「いつか連載100回を迎えることができたら、その時は絶対にココ!」と決めていました。そしてその夢がついに叶ったのです!

青のラビリンスに迷い込む

港街タンジェから民営バスに揺られ3時間、そこからモロッコでの初タクシー(約120円! 安い!)に乗り、旧市街(メディナ)で降りると、そこは一面が真っ青な世界!

おおおお! 本当に青い! 壁もドアも窓も看板も全部!

このドアの先には何があるのかしら

これがずーっと憧れていた「青の街」シャウエンかぁ。涼し気でステキ…と言いたいところだけど、雨も降ってるせいでちょい寒。ブルッ!

コバルトブルー、インディゴブルー、サファイヤブルー、マリンブルー、アイスブルー。ブルーッ!

青のグラデーションに囲まれて、なんだか氷の世界にいるみたい。ちょっと古いけど、『アナ雪』気分で鼻からレリゴーです(鼻歌)♪

珍しい薄紫のところもあった! 紫もいいなぁ

魔法使いがウヨウヨ!

目印は青い建物……って全部だし!

「ところで、ここドコデスカ?」

街は迷路のように路地が入り組んでいて、どの建物も青いから同じようなところをグルグルグルグル。迷子になってさまよっていると、トンガリ帽子のフードとスッポリ全身を覆うルームウェアのような服を着たおじいさんが現れた。

「魔法使い!」

そう思わずにはいられない格好なのだが、どうやらこれはモロッコの民族衣装「ジュラバ」というものらしく、ひとりやふたりじゃなくて皆が着ている。

ただでさえ非現実的な空間にそんな魔法使いがウヨウヨいるんだから、不思議度はさらにUP! 『ハリポタ』ともまた違う、メルヘンチックな世界にトキメク~!

まるで魔法使いのような服「ジュラバ」。女性用もあるけど、圧倒的にオジサン率高し(笑)

ジュラバカフェかと思うほど全員がジュラバ

そしてやっと宿にたどり着くと、室内も見事に青かった。

シャウエンの街が青い理由は諸説あって、「かつてこの地に住んでいたユダヤ人にとって神聖な色だったから」とか、「蚊よけ効果」「まぶしさ回避」という説も…。

青い自然素材かと思ったら、人工的に青い塗料を塗っているみたい。おばちゃんが壁を塗っていたので、「おっと、スクープ!」と思ってカメラを構えたら「NOフォト」って言われちゃった。

宿内もブルーのインテリアに徹底

街中に売っている色粉。きっとこれが塗料になるんだな

こんな素敵な街では思わずカメラ構えっぱなしになっちゃうけど、シャウエンの子供はかなり高確率で「NOフォト」と言ってきます。まるで親にそうしつけられているかのように。

ある日、子供にカメラを向けたら「ペッ」ってツバはきかけられました(笑)。

ちょっと顔が怒っている子供。ごめん

この旅もいつかは……

街の中心地には数は少ないけれど観光客向けのレストランが並び、若いお兄ちゃんたちが勧誘をしている。

「タジン。クスクス~。チョット、チョットチョット。ワカチコワカチコ」

アフリカ大陸という距離感のせいか、インドとはまた違うギャグとたどたどしい日本語がかわいい(インド人は流暢だから)。日本で消えたギャグもシャウエンで生きていると思うと、それはそれで日本人として嬉しいかも。

そしてお次は路上屋台に人だかりが! 気になって足を止めたら、なんとカタツムリだったので、これは遠慮~(笑)。

カタツムリのスープ。シジミ汁みたいな見た目と八角のような香辛料の匂い

やっと目的のお店に着くと店内はこれまた青くて、モロッコでは定番のチキンタジン鍋は、塩漬けレモンやオリーブと一緒にグツグツと煮えたぎり、ヘルシーオイシー。

定番のハリラスープも、とろけたジャガイモと豆類に酸味とスパイスが効いて体の芯まで温まる。

タジン鍋30DH(約360円)、ハリラスープ5DH(約60円)

その後も私は、ツアー団体の行く有名店からローカルのおっちゃんしかいない激安店までいろいろ試した。お酒がなく、タジン鍋で温野菜いっぱいの毎日はなんだか体が喜んでいる。

健康ライフついでに宿のすぐ目の前の丘に登ると、山の中にポッカリ一部分だけ青くなっているシャウエンが見えた。憧れの景色をぼんやり見下ろしていると、これまでの旅やこれからのことを考えてしまう。

「一昨年の今頃はアルゼンチンで強盗にあったり、ブラジルのW杯行ったり、去年はインドでピンクの粉にまみれたり、タイの水かけ祭りでビシャビシャにされたなぁ。ついにここまで来たかぁ」

旅のコマがひとつ進むということは、旅の終わりに一歩近づくということ。旅が終わったら、私には何か残るのかな。旅人じゃなくなったら、何マリーシャになるんだろう。

なーんて、ちょっとブルーな気持ちになったけど、すぐに気を取り直す。だって、こんな広い世界で私の悩みって、なんてちっぽけなんでしょ。

ちっちゃなことは気にすんな! それ、ありのまま生きよーっと。こう思えるのもこの旅での成長かな。 何はともあれ、100回分のありがとぅーっす!

山から見た青い街シャウエン。大麻の産地でもあるので、登山中に大麻勧誘されたけど軽くかわしたよ

【This week’s BLUE】モロッコのシャウエンといえば「猫」が多い。青い街と猫とのコラボは旅人の撮影魂を刺激する~。

●旅人マリーシャ平 川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】★100回を記念に、instagram【marysha9898】にも力を入れてこうと思います! 見てね☆