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ヘイトスピーチ対策法成立も効力に疑問で低評価…「言論・表現の自由は誰かを傷つけるための権利ではない」

[2016年06月02日]

ヘイトスピーチ対策法成立は日韓関係にとって一歩前進だが、「禁止・罰則規定を設けなかったことは率直に言って残念」と語る金恵京氏(撮影/細野晋司)

5月24日、ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策法が衆院本会議で可決・成立した。

保護の対象となるのは「適法に日本に居住する日本以外の出身者やその子孫」で、現実的に在日コリアンが想定される。差別意識を助長する目的で生命や身体などに危害を加える旨を告知したり、著しく侮蔑したりすることを「差別的行為」と定義し、こうした行為は「許されない」と明記した。

しかし、禁止・罰則規定が盛り込まれなかった点、アイヌなど国内のマイノリティが保護の対象とならなかった点、また憲法で保障された言論・表現の自由との整合性について議論が続いている。

「週プレ外国人記者クラブ」第34回は、TV、雑誌など様々なメディアで活躍する韓国・ソウル出身の国際法学者、金恵京(キム・ヘギョン)氏に話を聞いた。

***

―ヘイトスピーチ対策法について、韓国ではどのように報道されていますか?

 日本で行なわれているヘイトスピーチは、自分たちや同胞に攻撃が向けられていることもあって、韓国でも大きな関心を集めています。「在日コリアンへの攻撃を規制する法律が作られる」と伝えられた時にはメディアも大きく取り上げたのですが、条文に禁止・罰則規定が盛り込まれないとわかると批判の声が高まり、その後はトーンダウンしました。ヘイトスピーチそのものに対する関心は依然として高いのですが、国会で対策法が可決したというニュースは、どのメディアもそれほど大きくは扱わなかったと思います。

―金さんご自身は国際法学者として、また「適法に日本に居住する外国人」として、ヘイトスピーチ対策法をどのように評価しますか?

 日本と韓国の未来に向けて、今回の法案成立は一歩前進になったと考えています。しかし、それが満足のいくものだったかといえば、疑問が残ります。やはり、禁止・罰則規定を設けなかったことは、率直に言って残念です。今後は、せっかく規制法を作ったのですから、被害者が救済される内容、さらに言えば被害者を生まないための効力を持つものとなるように力を尽くすべきだと思います。

日本にはすでに「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」(2000年公布・施行)が存在し、『人権教育・啓発白書』という白書も毎年、法務省と文部科学省が共同で刊行しています。この法律の条文と今回のヘイトスピーチ対策法の内容を比較すると、保護の対象が明確にされたこと以外は、大きな前進があったようには思えません。逆に「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」で定められたことが着実に実行されていないために、ヘイトスピーチ対策法が必要になったともいえるでしょう。


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