赤・黒・金がイメージカラーの「蒙古タンメン中本新宿店」(左)と、赤・黒がイメージカラーの「旨辛系タンメン荒木屋」(右)

旨辛ラーメンで有名な「蒙古タンメン中本」(東京・埼玉に14店舗を展開)と、中本の元社員・荒木氏が開店した「旨辛系タンメン荒木屋」(東京・蒲田)の間で激辛な〝のれん分け騒動〟が起こっている。

発端となったのは、5月25日に中本のホームページに掲載された「『荒木屋』との関係についてのお知らせ」だ。

その内容を簡単にまとめると、「荒木氏がのれん分けする形で、個人で開店した蒙古タンメン中本蒲田店だったが、客や取引先からの度重なるクレーム、さらには〝ある重大な事実〟により、蒲田店を閉店せざるをえなくなった(のれん分け契約を解除した)」

「今後、荒木氏と『蒙古タンメン中本』と類似しているメニューを出さないという約束をした(類似しないラーメン店なら出してもいい)」「しかし、見た目や味が似ているメニューを出す店(荒木屋)を開店した」というものだ。

これに対し、荒木屋サイドは「味や調理方法はオリジナルのもの」と一歩も譲らず…。フードジャーナリストのはんつ遠藤氏が語る。

「ラーメン業界では、有名店の味をまねして店を出すというのは、よくあることです。札幌の味噌ラーメンや久留米の豚骨ラーメンは、もともと一部地域のものでしたが、みんなからまねされることで全国的に広まっていきました。しかし、まねとはいっても本家のパクリではない。本家の味に自分なりのオリジナリティを加えたり、方向性を変えたりしているんです。

今回の騒動も中本さんのメニューと少しでも違う方向性のものだったら問題なかったのでしょうが、荒木屋さんのラーメンは見た目も中本さんのラーメンにそっくり。それがモメている原因だと思います」

ということで、両者のラーメンを食べ比べてみた。

違いがあるとすれば…

まずは中本の「味噌タンメン」(780円)。太麺の上に煮込まれた野菜がのっていて、薄くスライスしたニンニクの香りが微妙に漂う。ひと口食べると、辛いものが苦手な記者には「うっ…」とくる辛さだが、味はさすが。イメージとしては、唐辛子が入った味噌味の長崎チャンポンといったところか。

続いて、荒木屋の「味噌野菜麺」(750円)。太麺の上に煮込まれた野菜がのっていて、薄くスライスしたニンニクの香りが漂うところまでは中本とソックリ、というか同じ。違いがあるとすれば、ひと口食べると「うげー、辛れー!」と感じる辛さの度合い。

レンゲの入れ方やスープの色味などの見た目も似ていて、これは類似といわれても仕方ないような、でも辛さは異なるような…。

今後、中本は「断固たる態度で対処する」といい、展開次第では大きな動きがあるかもしれない。ホットな戦いはどんな決着を見るのか。

(取材・文/週プレ本誌ニュース班)