もう単なる人気投票にはうんざり…

先日２０日放送の日本テレビ系『スッキリ！』で、東京・渋谷で１０代の有権者に後任の都知事候補に関する調査を行なったところ、数々の政治家や立候補が噂される（本人は否定）前総務省事務次官の櫻井俊氏を抑えて、その息子の嵐の櫻井翔さんが３位となった。

ちなみに１位は橋下徹氏、２位は蓮舫氏だったがーー。タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む！

＊　＊　＊

「次の都知事には誰になってほしい？」とＴＶ番組で１０代の有権者に街頭調査をしたら、嵐の櫻井翔さんが元官僚のお父さんよりも上位だったとか。１０代に限らず「有名だから」という理由で投票したことのある人は多いでしょう。

でも、もう単なる人気投票にはうんざり。親が介護施設に入れないとか、いくら働いても報われないとか、誰にも不安や不満はあるはず。それを自分と同じかそれ以上に真剣に考えて、解決しようとしている人に思いを託すのが選挙なのに。

そうはいっても、やはり顔と知名度には左右されてしまうもの。いっそメディアでは、選挙戦が始まるまでは候補者は一切顔と名前を伏せて、政策だけ報道するようにするのはいかが。

都知事選なら顔写真は全部イチョウのマーク、名前はＡＢＣ。政策を見比べてＡ候補いいじゃん！とめちゃ共感しているところへ、いよいよ選挙戦が始まって一気に顔と名前が公開されたら、超地味な知らない人だった！とか、大嫌いなタレントなんですけど！なんて、あるかもよ。

じっくり考えを聞いた上で、人は見かけによらないな！と、いい意味で裏切られたいなあ。

●小島慶子（Ｋｏｊｉｍａ　Ｋｅｉｋｏ）タレント、エッセイスト。ＴＶの街頭インタビューでは「誰になってほしい？」とか「どんな人を望む？」じゃなくて「あなたは今、生活してて何に一番困ってる？」って街ゆく人に尋ねてもらいたい