本場スウェーデンでIKEAデビューを果たすマリーシャ。大きな青い倉庫に黄色いロゴは国旗のカラーと同じなのね!

ヘイヘイ! 旅人マリーシャです(←ノリノリのようですが、スウェーデン語のカジュアルな挨拶です)。

これまでも『魔女の宅急便』のモデル地と噂される場所を紹介してきましたが、今回は正真正銘ジブリ公認のストックホルム

日照時間が短く、冬が長い北欧の国スウェーデンで、夏の到来を祝う「Midsummer(夏至祭り)」を狙ってやってきました。クリスマスと同じくらい大事な行事らしいので、期待値大! ワクワク!

ストックホルムの街並みは『魔女の宅急便』の風景そっくり

ほうきに乗って…じゃなかった、飛行機に乗ってバビューンとやってきたら、「マジで? また!?」ーー空港で荷物が出てこない! ガーン。預けた時に限って百発百中でロスバゲする旅人マリーシャとは私のこってす。

とりあえずタオルなどの日用品を調達しようにも、お祭り期間中のため、かろうじて観光客用のお土産屋さんは空いているものの職場やお店はほぼ休み。

地元民は、多くの人が所有しているという田舎のサマーハウス(別荘)でバカンス中。せっかくのH&Mの輩出国で、街中には何軒ものH&Mがあるというのに全部クローズです。

でも北欧は空気が乾燥してて汗もかかないし、メイク道具がないのはイタイけど、デジタルガジェットと歯ブラシがあればギリギリ生きられるかな。放浪人も歯は命! 健康意識の高い「予防歯科」の先進国スウェーデンで虫歯になんてなりたくないもんね!

「北欧のヴェネチア」とも呼ばれる美しい都市ストックホルム

地元民がいなくてゴーストタウン化している街中。H&Mはビルに入った大きいものから小さい路面店まである

さっ、凹んでいても仕方がないので、私は早速、夏至祭りに出向くことにした。

しかし「お祭り」だというのに、街中では花冠を付けた女性を数名見かけるくらいで、それらしいことは何もやっていない。強(し)いて言うなら、レストランの特別メニューがあるくらいだ。

何ヵ所かにあるイベント会場のひとつでは、お菓子が釣れる魚釣りのようなゲームに興じる子供たちと、ちょっとした屋台。高齢者と家族連ればかりで子供がはしゃぐ中、ステージではなぜかオカマがMCで場を仕切る。

メインイベントである、草花で飾られたポールを立てる儀式が行なわれると、人々はその周りでフォークダンスのようなものを踊り出した。

どうやらこれはスウェーデン版盆踊り大会って感じ? スウェーデンといえば「ABBA」や「Ace of Base」などが有名だけど、会場内に流れていたのは民謡と童謡と『Y.M.C.A.』だった。ヤングマン!…って、若者いないんですけど(笑)。

夏至祭り。会場真ん中には十字架型に草花が飾られたメイポールが建てられた

酔っ払いがいない祭り

旧市街ガムラスタンのカラフルな建物

すると突然、少年が「ムルムル! ムルムル!」言って盛り上がっていたので、「ワッショイ」的な感じかなと私もマネして叫んだ。

そしたら、「ムル」というのはスウェーデン語で「女親」のことで、「ムルムル」は「母方のおばあちゃん」でした(笑)。おばーちゃん、呼んでただけかー! ちなみに父方のお母さんは「ファルムル」なんだって。

そんな家族交流が繰り広げられながら、夜遅くまで踊り続けるそうだけど、ほのぼのすぎっ(笑)!

パリピには絶対物足りない(笑)、これが「治安の良さ世界最高レベル」の国のお祭りなのね。スウェーデン人は人見知りで物静かと聞いていたけど、1年で一番のお祭りがここまで穏やかとは。

人は穏やかで街の治安は良いスウェーデン

そして、白夜でずっと明るいから夜になったことに気が付かなかったけど、いつのまにか23時。

私は宿に帰ると、北欧を旅する日本人のリカちゃんや宿で働くスウェーデンとイランのミックスの男・フーマン君にいろいろ質問をした。

「ねぇねぇ、スウェーデン人の特徴ってどんな感じ?」

「マジメで平等主義かな。そしてみんなが自立していて個人主義だから、女性も働くし、男も普通に料理や洗濯を自分でするよ。他人に頼らないのがセオリーだから、特にスウェ女はなんでもできるし強いよ。男子が手伝うと『なんで?』みたいな。でもなぜかイタリア人とか外国人男性に優しくされるのは嬉しいみたい(笑)」

個人主義なところは東京人ぽいし、それから地下鉄も日本みたいで人々は列にも並ぶし、お店ではお釣りも細かい小銭までピッタリとお勘定。考えてみたら他の国に比べてもなんとなく過ごしやすい。スウェーデンの街や人って結構、日本と似てるのかも。

だけど、基本は屋外でアルコールを飲んではいけないので、お祭りなのに街中に酔っ払いがいないのは日本とは大違い(笑)!

「ところでさ、フーマン君。スウェーデンといえばもちろん地元の人も皆、イケアで買い物するの? 家具とか食器とか」

「は? 何それ。ん~、知らないなぁ」

「えええ! 知らないわけないでしょ? この宿のカップもベッドカバーもタオルも全部イケアじゃん。イケアだよ? I・K・E・A!」

「あ、ああ! イキアのことね! イキアならよく買うよ! 電車とバスで行けるから、明日行きや!

微妙な発音違いがあったけど、そんなわけで早速、行ってきました。マリーシャ人生初のイケアは本場スウェーデンです♪

初イケアに興奮!。「IKEA」という名前は、創業者のイニシャルと、彼が育った農場や村の頭文字を取ってるんだって!

ヨーロッパのホステルはイケア天国

ドドーンと佇(たたず)む巨大な青倉庫に一歩足を踏み入れると、中はカワイイ北欧インテリアの展示がいっぱいで、私、大興奮!

厳しい冬と極夜(きょくや)の環境から家で過ごす時間が長いスウェーデンでは、軽やかで明るいインテリアで屋内に夏の陽光が射しているような感覚をつくり出しているのだそう。

リーズナブルだから、カジュアルで簡易的な家具ばかりなのかと思ってたけど、クールなデザインからホテルライクな感じまで幅広くて「あー、いつかこんな部屋に住みたいなー」なんて妄想しちゃう~。

商品名にはスウェーデンにある湖や島の名前だったり、街や人や花の名前が付いているって知ってた?

ファミリーだらけの店内

客層は、祭りに負けじと家族連れ多数で、子供たちはまるで公園で遊んでるかのように大はしゃぎ。共働きの多いスウェーデン人にとって、イケアは休日に子供を遊ばせながら買い物できる絶好のスポットのよう。

また人気なのは北欧に限ったことではなく、実は私、最近のヨーロッパの旅中ずーっとイケアに囲まれてきたんです。

というのも、今の宿もこれまで宿泊したヨーロッパ全土のホステルも、寝具や食器類は十中八九、イケアの商品。毎日のように宿は変わっているのに、ベッドの柄もコーヒーカップも面白いほどどこも一緒。

「スウェーデンにイケア製品がない家はない」との噂をはるかに超え、ヨーロッパのホステルはまさにイケア天国だったのです。

ホステルに必ずあるこの茶色のお皿で何度もゴハン食べてます!

ひとしきり買い物を楽しんだ後は、レジを抜けると買った人だけのごほうびと言わんばかりにイケアビストロが現れる。。日本の店舗にもあるみたいだけど、物価の高い北欧でホットドッグが5クローナ(約65円)は嬉しい! 家族連れもカップルも旅人も、大喜びで行列を作りました。

このように本場スウェーデンでもヨーロッパでも大人気のイケア。思わずいろいろ買い物しちゃいたいと思ったけど、タンス担いで旅するわけにもいかないので今回はクッションカバーだけ買ってガマン。

日本に帰ったら、絶対セカンドイケアしよーっと♪

巨大倉庫

イケアビストロの誘惑には勝てない

【This week’s BLUE】白夜の中、盛り上がる「グローナルンド遊園地」。22時でこの明るさ!

●旅人マリーシャ平 川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】