ヘルシンキ現代美術館のカラフルなアート作品

モイ!(フィンランド語でハロー的な挨拶)

スウェーデンから豪華な大型フェリーでフィンランドにやってきました!

フィンランドといえばオーロラ、サンタクロース、ムーミン、アングリーバード、北欧デザインやイッタラ、アラビアといったブランド食器などなど…日本人でも知っているものがいっぱい!

そしてなんだか親近感が湧くのが、フィンランド人の名前。名字に関西弁のような「~ネン」が付くネーミングが多くて面白い。

F1ドライバーのミカ・ハッキネンやキミ・ライコネン。それからスキージャンプの選手でヤンネ・アホネン。フィンランド神話(民族叙事詩)「カレワラ」にはイルマリネンという名前の偉大な鍛冶屋がいるネンけど、リップスライムのイルマリはヘルシンキ出身。そうか、フィンランドの名前だったんやねん!

3人の鍛冶屋像前は、人々の憩いの場所

シャイで優しくて寡黙な性格というフィンランド人は、スウェーデンよりもさらに日本人っぽい感じ。そして、そんな彼らが愛してやまないのが「サウナ」! なんと自作しちゃう人もいるし、奇抜な発想もたくさん生まれているんです。

郊外では、湖にボートのサウナが浮かんでいたり、軍隊のテント、ワイン樽、消防車や公衆電話ボックスにまで設置された「可動式サウナ」が集まる「サウナフェス」まであるんだとか。

そんな中、CNNニュースでも紹介されたのが、ヘルシンキのバーガーキングにサウナができたというニュース。

タオルやバスローブはバーガーキングのロゴ入り。サウナ内にはTVやゲーム機があって、ハンバーガーを食べることもできるんだって! 北欧っていうよりもアメリカーンな感じがするし、サウナでハンバーガーはヘヴィーだけど、こりゃあちょっと行ってみたい。

しかし、中心街のマンネルヘイム店に設けられたサウナは定員15人で、3時間の貸切料金が250ユーロ~(約3万円)と旅人には手が出せなかった…。

バーガーキング。この中にサウナがあるの?

WEBサイトでは予約待ちだというバーキンサウナだけど、実際、人気なのかをフィンランド人に聞いてみた。

「バーガーキングにサウナ? 初耳よ。たぶん、プライベートな感じのサウナなんじゃない? でもサウナは大好きで週3回は入ってる。ビル住宅にはサウナが設置されていて、みんなで使うのよ

フィンランドは1家に1台、サウナが基本と聞いていたけど?

「ここは首都ヘルシンキよ?(笑) まぁ、お金持ちの人ならマンション1室にひとり用のが付いてるけどね!」

そして近日、世界初のサウナ観覧車「スカイサウナ」なんてのまでできるらしいけど、これもまたお高い入場料となりそうだ。

マーケットで賑わう港。奥には観覧車が見える

兵役を経験して一人前の男になる

シンプルな安宿のサウナ

私は奇抜サウナを諦めて、普通サウナ付きの安宿に泊まることに。でも、ひとつ目は日本と同じような65度くらいの木のサウナであまり感動はなかった。

次の宿は新しいから期待してたのに、宿全体がまだスケルトン物件からの工事中。サウナはおろか、清潔だけど何もなく、ガラーンとした宿はまるで廃校みたい。元学校だったのかな?

「サウナなくてごめんね。この宿、昨日オープンしたばっかなの。それから元々は学校じゃなくて、アーミー(徴兵)の宿舎だったのよ。変わってるでしょ?」

へ? フィンランドって徴兵制あったんだ?

ヨーロッパの旅の間、「徴兵制」なんて言葉をすっかり忘れていたけれど、意外にもフィンランドには半年~1年の徴兵制があるのだ。徴兵は義務、もしくは社会奉仕に貢献するという選択肢もあるのだそうだけど、両方拒否すれば刑務所行きだそう。ヒエ~!

「青年たちは兵役を経験してようやく一人前の男になる」

フィンランドではそう言われてるらしいけど…。そういえば、日本の青年はどうしたら一人前の男なんだろう? なんてふと考えてみたりして。

「女性も希望すれば行けるのよ~」

いえ、大丈夫です(笑)!(正確には、フィンランド国籍ではないのでもちろん参加できませんが)

スーパーで買い物をするアーミーの少年たち

それよりも、フィンランドに来たらマリーシャ的に一番行きたかったのはマリメッコ本社だ。名前が似てるってシンパシーを感じちゃうよね。

1951年創業の「マリメッコ」の社名はフィンランド語で「マリちゃんのドレス」という意味。「ウニッコ」と呼ばれるケシの花柄パターンは日本でも大人気だから、きっとみんなも見たことがあるはず!

女子なら絶対知ってるし、「それ、マリメッコでしょ?」なんてさりげなく褒(ほ)めたら好感度アップかも?

ヘルシンキ郊外にあるマリメッコ本社。かわいいテキスタイルがいっぱい

アパレル、テキスタイル、生活雑貨など、その鮮やかなデザインに囲まれると、買わないと決めてたのに気づいたらカゴにはいっぱい商品が入っていたからコワイ。

南米ではボリビア、先日はアフリカ大陸のモロッコ、アジアだとタイが雑貨天国で購買欲に火がついてしまうけど、ここ北欧フィンランドも危険です。

オシャレなマリメッコ社員食堂

フィンランド人はオタク気質?

フィンランドを代表するブランドであるマリメッコは、もちろん現地でも大人気。100ユーロ以上買い物をするともらえる非売品のエコバッグも、数メートル歩けばひとりは持っている。

全員が同じファッションをしてしまうのは日本人特有かと思ったけど、フィンランド人って日本人と似てるかも?

マリメッコ フラグショップ旗艦店(マリクルマ店)。100ユーロ以上買うとエコバッグもらえるらしい

そんなわけで、フリーマーケットに行けばそこでもマリメッコはあふれていた。フィンランドの人々が使用した中古から、お店で生地を買ってきてオリジナルで作成した商品までいろいろ。フリマなら比較的格安でゲットできるだろうと思ったら、

「これは50年代に作られたナントカのデザインで、今はもう手に入らないの。とってもレトロでレア物だからプレミア価格よ。ディスカウントはできないわ!」

だって! 結構、こだわりがあるんですね。

ヒエタラハティのフリーマーケットを物色。掘り出し物ないかしら

街中は色鮮やかな北欧ファッションであふれている

結局、私はマリメッコではなくイッタラのキャンドルホルダーをゲットし宿に帰ると、日本人女子に話しかけられた。

「今日、この近くでやってる音楽フェスティバル行きますか? ジャンルはメタルで入場料は70ユーロくらいDeath(デス)!」

え? メタル? デスメタルやヘビメタなど、そのジャンルの起源はアメリカのはずだけど、わざわざここで?

実は北欧ではスウェディッシュ・デスメタルというスウェーデンで発生したデスメタルシーンがあったり、ノルウェーはブラックメタルシーン、他にもスカンジナビアン・メタルやノルディック・メタルなどが北欧メタルと総称され隆盛を見せているらしい。

そういえば「エアギター世界選手権」もフィンランドが舞台だけど、フィンランド人は穏やかな性格ゆえ、こういうことでストレスを発散しているんでしょうか。

ちなみに2014年のエアギター世界選手権20周年では日本のアイドルが優勝して、なんとフィンランドの切手になっちゃったとか!

中古品ショップには、誰かが誰かに出した古い手紙も売られていた。切手目当てかな

フィンランド人は、サウナといい、マリメッコといい、エアギターといい、熱中してマニア化してしまうその性格は「オタク」っぽいかも。日本人と似てるのってそこ?

フィンランドはやっぱり、世界では稀(まれ)に失くしたお財布が持ち主の手元に戻ってくる国のうちのひとつのようですが、かなり日本人に向いている国かもしれない。

ヘルシンキの世界遺産、要塞の島「スオメンリンナ島」

【This week's BLUE】港のマーケットではヘルシンキ名物、バルト海のニシンのフライを食べよう! カモメも大喜び。 ●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】