「党の推薦がなくても都知事選に出る」と強気の姿勢を崩さない小池百合子氏に対し、自民党幹部はカンカンだ。
「小池さんは、都内で行なわれた参院選の応援演説に出席したんですが、会話する議員はほとんどいませんでした。また、そこに安倍晋三総理と石原伸晃(のぶてる)都連会長が現れて、小池さんのほうに近づいていった。その時に、小池さんは会釈をしましたが、ふたりは小池さんを見ることもなく、目の前を素通り。自民党は小池さんをガン無視ですよ」(全国紙記者)
女性初の自民党総務会長を務め、将来の総裁候補とまでいわれていた小池氏が、なぜここまで嫌われるようになったのか。ジャーナリストの須田慎一郎氏が語る。
「小池さんは、小泉政権の郵政選挙(2005年)で、兵庫から東京選挙区に落下傘候補として参戦。当時の“刺客”の象徴的存在でした。そのため、敵対する自民党都連はかなり苦しい戦いを強(し)いられた末に敗戦。都連内では、造反組として小池さんに敗れた小林興起(こうき)氏に同情する声が多かったんです。
また、小池さんは日本新党の細川護熙(もりひろ)さんから始まって、新進党、自由党では小沢一郎さん、自民党では小泉純一郎さんと安倍晋三さんと政党を渡り歩き、常に時の権力者の側にいた。そして、前々回の総裁選では安倍さんから石破茂さん支持に変えるなど、節操のなさに党内では不信感が募っていたんです」
それが今回の「都連への相談なしの都知事選立候補表明」で爆発したのだという。しかし、それだけでこれほど嫌われるものなのか。よく知る人たちに小池氏の人物像を聞いてみた。
秘書たちに聞く、小池氏の人物像とは?
20年くらい前の話ですが、ある集会で壇上から聴衆に語りかける小池先生を見て、なんてキレイで誠実な人なんだろうと思いました。しかし、その後、控室にご挨拶(あいさつ)に伺うと、脚を組んでいて、態度もさっきとあまりに違っていてショックを受けたんです。裏の顔がある人と感じました」(50代・野党秘書)
「秘書にはとても厳しい先生だという印象があります。09年の総選挙で、小選挙区で負けた(比例で復活当選)のは秘書のせいだと言って、その秘書をクビにしたと聞いています」(40代・野党秘書)
また、キャスター出身ならでは(!?)のアピール好きを指摘する声も。
「小池先生は何かあると『党本部で記者会見を開きましょう』と言っていました。パフォーマンス重視で、映像を非常に気にします。テレビに流れたときのことを考えた話し方やジェスチャーは天下一品でしたね」(50代・与党秘書)
「小池先生は機転が利いて、当意即妙の切り返しがうまい。そういうところが小泉さんや石破さんには好まれるんですが、逆に森(喜朗)さんや安倍さんは余計なことを言うヤツだと嫌っていますね」(50代・与党関係者)
取材を進めるなかで多く聞かれたのが、かなりの「策士」だという声だ。
「小池先生は政治家になってから、うまく立ち回り脚光を浴び続けてきました。今回もある意味、絶妙のタイミングで立候補をぶち上げて党内をかき回し、自分は悲劇のヒロインを演じている。一般の人が『小池さんはかわいそうだ』と感情移入するのが先生の作戦なんです」(40代・与党秘書)
う~ん、聞けば聞くほど出てくるガッカリ情報の数々…。これでは党の幹部からガン無視されるのも仕方ない!?
(取材・文/本誌ニュース班)