『週刊プレイボーイ』本誌で「天空のブランコ 田村淳の脳内両極論」を連載中のロンドンブーツ1号2号・田村淳氏

ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏が『週刊プレイボーイ』32号で、「ネットで意見を述べること」について、自分の思いを語っている。

本誌で「天空のブランコ 田村淳の脳内両極論」を連載中の氏。時事問題について、あえて「アリ」「ナシ」の両極端な立場で思考実験をする「脳内議論」をテーマにした内容だ。

同連載が残り3回となったことから、連載を続けてきた理由について、次のように語っている。

「例えば、僕ってすごくイラチのところがあるから、何か問題が発生するたびに、すぐに人と衝突してしまう。特にネット上では“テレビに出ている人”という立場をすっかり忘れて、本気でケンカをしてしまったことさえある。

僕自身、常にケンカの火種となるイラチの性質を抑えなきゃ、と反省しているのだけど、その一方で、なぜに人はネットなどで心ない言葉を平気で書き込んだりできるのか不思議でならなかったんだ。まっ、匿名にすりゃ自分だとわからねえし、書いちゃえってことなんだろうが、その心理の中には理不尽な“思い込み”と“決めつけ”があるのではないかと思えてきて…。

それこそ、ある人が問題を起こすと、今やネットを通じて入ってくる情報だけを信じ、その人のイメージを勝手に思い込み、決めつけて批判や中傷をしたりする。なんとまあ、世知辛い世の中になったもんだわ。問題を起こした人にも、それなりのやむをえない事情があるかもしれないというのに。

つまり、こういう息苦しく人の情けもあったもんじゃない危険な状況を打破するには、性急に結論を出さず、一歩手前で熟考する姿勢が大切ではないかと思ったわけ。それを習慣づけるには、もうひとりの自分をつくり出し、いつでも頭の中でディベートをすることじゃないかと思いついたのだ」

淳氏は「この試みは大成功」だったと語る。自分も特定の価値観に縛られていたことが実感でき、新たな答えを見つけ出す手がかりを見つけたという。

「ネットなどで批判的なことを書き込む際に、もうひとりの自分と対話する習慣ができていたら、無機質なネット社会でも殺伐さは薄らぐんじゃないの。それが結局は、人を思いやる社会につながればいいと本気で願っている」

連載の終了を見据えて、そう“ひとりディベート”の意義を語った淳氏。『週刊プレイボーイ』32号でのテーマは「年金は払うべきか?」。様々な問題が露呈している年金制度について、どんな議論を展開したのか。ぜひご覧いただきたい。

(撮影/本田雄士)