ノルウェーの妖精トロール。日常生活でふっと物が無くなった際には「トロールのいたずら」と言われる

グダーグ!(ノルウェー語でこんにちわ) 北欧に戻ってノルウェーにやってきました!

ノルウェーといえば『アナ雪』の舞台だったり、ムンクの『叫び』やフィヨルドなどが有名。また産油国で潤(うるお)っているため、福祉国家としても名高く、世界幸福度ランキングでは常に上位の夢の国。

…のはずなんだけど、その幸せ(社会福祉)を求めてやってきた移民が増加し、問題になっているという。

治安が良いといわれる北欧だけど、オスロ中央駅周辺だけは 雰囲気がよろしくない。薬物依存症やスリ・強盗が多いとされ、獲物を品定めするような目つきで観光客を睨(にら)む。ピリつく空気の中、私はターゲットにされないよう緊張しながら歩いた。

中央駅の周りだけはちょっと治安が悪そうな雰囲気

しかし、それよりも(?)私がピリついたのは物価! ヤバイよ、ヤバイよ~。

喉がカラカラだったのでキヨスクに行くと、水やコーラの小さいペットボトルが500円近くする。

「えっ…冗談でしょ?」

ノルウェーの物価の高さに、ムンクと一緒に叫んじゃう

ここの物価の高さ、体感では北欧一。スイスやイギリスに並んで欧州トップクラスなんじゃないかと思う。駅構内だけが高いのかと思ったら、街のマクドナルドのビッグマックのセットも、移動販売車の手巻き寿司1本コーラ付きも、パブのビール1杯だって1千円くらいする!

特にお酒は25%の消費税に加えて、アルコール度数に応じて酒税が加算されるからね。そういえば空港の免税店でお酒を大量買いする人がいっぱいいたけど、これが理由だったのか! わざわざスウェーデンやデンマークまでお酒を買いに行く人もいるんだって~。

手巻き寿司1本+コーラで約1千円になりまーす

青空ジムでひたすら鍛える男たち

宿が高いせいだろうか、オスロ大聖堂の前で野宿している人たち発見

そんなこんなで外食はできず、夕食はスーパーの買い物で済ますことに。宿の共同エリアでウサギの餌のようなさみしい食事をむさぼっていると、宿の女子スタッフ登場。サンドウィッチをかじるそのコと、挨拶ついでに女子トーク。

ノルウェーではどんな男性がモテるの? どんな人がタイプ? 顔? 性格? それとも、こう物価の高い国だとやっぱり経済力を求めちゃう?」

すると彼女は、宿についているジムを指さしてこう言った。

「やっぱり男らしさでしょ。大事なのはマッスルマッスル!

なんでも、この国では腕っぷしが強い逞(たくま)しい男性がモテるんだとかで、ノルウェー男性は日々筋トレを欠かさないんだそう。

バイキングのように強い男性がモテる?

ある日、オスロフィヨルド沿いにあるウォーターフロント再開発エリア「フィヨルドシティ」へ向かうと、そこは雰囲気の良いレストランがズラっと並ぶ、ファミリーやデートに人気のスポットだった。

元々は港湾倉庫街だったところに、近代的な造りの集合住宅と商業施設が建ち、ノルウェーの豊かさがうかがえる場所。

高級レジデンスと思われる建物。住みたいなー

キラキラと輝く水面には白鳥がのどかに泳いでいる。ふと、対岸を見ると…なんだろか? 上半身裸の男たちがせっせと動いている。

青空の下で男性陣が必死になってやっていたものは、懸垂や腕立て伏せなど、腕、腕、腕のトレーニング! この鍛えっぷりを見ていると、どうやら「腕っぷし=モテ」の方程式は嘘ではなさそうだ。

それにしても、日本では高額月謝を払うジムが流行っているけど、世界では無料で使える青空ジムでみんな本気のトレーニングをしているなとつくづく感心する。

とにかく腕を鍛える男たち

ウォーターフロントの青空ジム

欧州初の女性徴兵制が開始

さて、筋肉は求められるが男女平等がモットーのノルウェーでは、女性は男性に経済力を求めていない。というのも、ノルウェーは女性の社会進出が進んでいる国で、女性が経済的にも自立しているから。

さらには「お母さんにやさしい国ランキング」のトップに輝くほどの子育て最強国。同時に離婚が多い国でもありますが、たとえシングルマザーになっても育児休暇の制度が充実していたり、国の支援があったりと十分、子供を養っていくことが可能なんです。残念ながら日本は他の先進国よりもランキングが低く、女性議員の割合の低さで減点されているんだとか。

海外メディアから「女性差別がはびこっている」「女性進出が遅れている」と指摘される日本ですが、ようやく女性が都知事になる時代も来たので変化を期待したいところ。

「お母さんにやさしい国」ノルウェー、いいな

そんな中、ノルウェーはここ数年の審議の結果、去年あたりから女性の徴兵制まで開始されたらしい。これまでも女性は志願兵として兵役に参加することができたが、ノルウェーは「欧州で初めて女性を徴兵する国」となった(志願兵に関しては他の国もある)。

ついに女子もマッスルになっていくのですね。…というわけで、強く自立した女性の多いノルウェーでは、男性に経済的なプレッシャーがかけられないけれど、半面、腕っぷしを鍛えてないと非モテ男子の烙印を押されてしまうリスクもある。

そのせいかな、男同士のカップルも結構見かけたけどね。

ショッピングを楽しむ男性カップル

まあ、求めるものは人それぞれでしょうが、私は経済力も筋肉も両方ともちょっとはあるほうがいいな。なんつって。

さ、北欧の物価高に財布がメソメソしてるので、ちょっくら日本に逆出稼ぎに帰りますかな。

というわけで来週は、これまでに書けなかった「実はこんなところに行ってました編」をお送りしたいと思いまーす!

求めるものは愛だろっ、愛!

【This week’s BLUE】オシャレなウォーターフロント・フィヨルドシティー

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】