芸能界きってのバイク女子・三船美佳さん

日本でのバイクの販売台数が減少し続ける中、危険なイメージが根強いオートバイが近年、若い女性に人気で、普通二輪免許取得者数がじわじわ増え続けているという。

そこで、芸能界きってのバイク女子に突撃インタビューしてみた! 記念すべき第1回目は、あの世界の名優・三船敏郎の娘というサラブレッドながら飾らないキャラクターでお馴染みの三船美佳さん。

インターナショナルスクール育ちで、16歳で結婚、21歳で出産、そしておしどり夫婦と言われながらも自分の生き方を追求して33歳で離婚…とハードでワイルドな人生を送っている彼女が、実はハーレー乗りだというので早速、“バイク愛”を伺ってきた!

―バイクに乗るようになったきっかけは?

三船 中型免許が取れる16歳になると、お友達同士でも「どうする~?」っていう感じで、意外と男のコよりも女のコのほうがバイクに興味持ってるコは多かったかな。近所の幼馴染の女のコが乗ってたり、近所のバイク屋さんで同い年のバイク友達ができたりして。その流れで。

―親しみやすい環境があったんですね。バイクはハーレーに代表されるアメリカンがお好きだとか。

三船 そう、憧れなの! なんかフォルムがすごい好き。うちの父が「陸王」(1934年より、ハーレーダビッドソン本社からライセンスを得て生産された国産アメリカン)っていう古いバイクに乗ってて。私が生まれる前の超白黒のめっちゃヴィンテージな写真で見たんだけど「ああ、パパも乗ってたから、やっぱり好きなんだ!」って納得したり。

あと、うちの母親は昔から『イージー・ライダー』とか昔のアメリカ映画のバイクファッションがすごく好きで、ハーレーのロゴが入ってる革ジャンとかチャップスとかをいっぱい持ってたんですよ。だから、元々そういう趣向の遺伝子があったんでしょうね。えーっと、誰かさんと出会う前から(笑)。

―はははっ。免許を取る時、母親の反対はなかったんですか? 大事なひとり娘ですし…。

三船 それがね、うちの母に相談したら「アナタねえ、女のコがバイクなんて心配だから…私も一緒に取りに行く」って! 「ダメ!」って言われると思ってたら(笑)。それで50代の母と一緒に取りに行くことになったんだけど、取るまでが珍道中で。私たち若者は教習中にバイクが倒れそうになっても踏ん張れるけど、母の場合は「あっ、危ない」ってガッシャーンって投げ出すんですよ。で、こっちでウインカー割り、あっちでミラーを割りで…教習所の人が「お母さん、バイクを守ってくださ~い!」って(笑)。

―あはははっ、豪快ですね! お母さんの言い分は?

三船 「もう自分を守るので必死なの~」って(笑)。試験では名前と年齢を呼ばれるんですけど、10~20代の男のコが多い中、「◯◯さん、5◯歳」って呼ばれるから、周囲が「ええ~っ」ってざわめいて、なぜか拍手が(笑)。最後には見事合格したんだけど、教習所の先生が「卒業は認めます。でもお母さん、お願いだから乗らないでね」だって(笑)。

―そんな危険な母親と親子でツーリングには行きましたか?

三船 そう、母を後ろに乗っけてね。「やっぱり気持ちいい! 運転した~い」とか言ってたから「ダメダメ~!」って、制止しましたよ(笑)。

「2年間、死と隣り合わせで乗ってたね」って…

―素敵な母娘ですね(笑)。いつか、娘さんともバイクを楽しみたいですか?

三船 楽しみたいですね~! 小学校6年なので、ぼちぼち「16になったら免許取るっしょ?」って再教育しなきゃ(笑)。そういえば、娘を妊娠していた時は胎教でハーレーにまたがってエンジン音だけ聞かせてたなあ~。

―そんなこと暴走族出身でもしないでしょうよ(笑)! 初めて乗ったバイクはなんですか?

三船 16歳で免許を取ってすぐに中古のスティード(ホンダ初の本格的アメリカン、400cc)を手に入れて。だけど、このコが雨になるとなーんかいつも調子悪くなるんですよ。ウインカーやヘッドライトも点かなくなるし、ある日、近所のバイク屋さんで見てもらったら、なんと配線がリアフェンダーの裏にガムテープで貼ってあった(笑)。「これは雨降ったらそうなるよね~」って妙に納得。

―ワイルドな修理法だったと(笑)。そのスティードは乗り回してました?

三船 そうですね、ちょっと離れた所にあるバイクショップで働いているお友達がいたから「新しいメット出たよ」とか「バイクの調子見てくれるって」と話しては一緒に行ったりしましたね。で、行こう行こうって盛り上がったのはいいけど、その時、私、ガソリン入れるの忘れてて。そのスティードはカスタム仕様でタンクがちっちゃかったから、途中でガス欠になっちゃって!

―じゃあ、まさか、200キロはあるバイクを押したんですか?

三船 押した(笑)! 「もうやだ~」って言いながら、冬なのに汗だく(笑)! 一緒に行った友達も先に進んでは戻って来て、一緒に押してくれてたんだけど、どんどん暗くなってくるし、やっとそのバイク屋さんに着いて「もう死ぬかと思った~」って、ふたりでゲッソリしてたら、そこのお兄さんが「あのさ、リザーブ(補助タンク)って知ってる?」って。

―…まさか、補助タンクにガソリンが残ってたんですか!?

三船 「リザーブ? 何それ~」みたいな(笑)。まだ免許取り立ての初心者で、その存在を知らなかったんですね。で、リザーブに切り換えたら、エンジンがブルンって元気よくかかって、もう超恥ずかしい~! まあ、そうやって初歩的なミスをしながら、バイクの取り扱いを覚えてきましたね(笑)。

―“バイカーあるある”ってやつですね(笑)! そのスティードって、どんなカスタム車だったんですか?

三船 もう完全に「(名作映画『イージー・ライダー』の)ピーター・フォンダか、おまえはっ!」ってぐらい(笑)。フロントフォークも「これで急ブレーキかけたらフォーク折れるよ」ってバイク屋さんに言われるぐらい角度が付いてて。やばいバイクでした。

あと、よく調べてみたら事故車で、フレームの軸がズレちゃってたんですよね。スピードを出すとハンドルがグラグラ揺れるから「ああ、これがアメリカンなんだ~」って、当時の私はそれが当たり前だと思っていたけど、バイク屋さんで「2年間、死と隣り合わせで乗ってたね」って言われて、冷や汗ですよ(笑)。

で、次にハーレーに乗り換えたら、全くブレもしないしビクともしなくて「何、この安定感? つまんね~の」って最初は思っちゃってました(笑)。

可愛くて! よく一緒に寝てたんですよ

―無事故で何よりです(笑)。 では、ハーレーに乗り換えるきっかけは?

三船 限定解除してすぐだから18歳かな。知人から「残ったローンを払ってくれるなら譲るよ」ってことで、受け継ぎました。ホントにこのコは可愛くて! よく一緒に寝てたんですよ(笑)。

―えっ、バイクと一緒に寝るって、どういうことですか?

三船 当時は学生だったし仕事もしてたから、なかなか乗れなくて。1週間開いちゃうと、もうバイクからオイルが漏れちゃってて、できる範囲で自分で対処するんだけど…。そんなゴキゲン斜めの時は、このコが「しょうがねえなあ、走ってやるか!」って言ってくれるまでは、タンクにピッタリとくっついて寝てました(笑)

愛車は89年のソフテイルで、この時代のハーレーってなんだか“人間臭い”んですよね。エンジン音がまるで心臓の鼓動のようで、気持ちいいリズムを刻んでくれるコで、止まるんじゃないかっていうギリギリのところまでアイドリング(エンジンが空回りしている状態)を低くして、「ドッドッドッ」ていうイイ音にさせて、ずーっとその音を聞いているのも好きだったし。オイルもお花のようないい香りで、一緒に寝てて心地良かったですね。

●この続き、「バイクで大怪我」「ハーレーでスーパーに行く主婦!?」などのエピソードは明日配信予定の後編にて!

(取材・文/明知真理子 撮影/松井秀樹)

三船美佳(Mika Mifune)1982年9月12日生まれ。東京都出身。身長160cm B82 W62 H88 趣味は乗馬、バスケットボール、バレーボールのほか音楽・映画鑑賞と多岐にわたり、特技は英会話。現在はABC『朝だ!生です 旅サラダ』、MBS『住人十色』、SUN『午後キュン』等、レギュラー番組多数。最新情報は公式ブログにて http://ameblo.jp/mifunemika/