「スポーツのなかでは、割と格闘技が好きな私。選手が我慢している表情を見るのが楽しいです」と語る市川紗椰

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める人気モデルの市川紗椰が、自身の特殊なマニアライフを綴(つづ)るコラムだ。

文科系のイメージが強い彼女だが、今回は先日閉幕した「リオ五輪」と、自身のスポーツ経験について語ってくれた。

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熱戦が続いたオリンピックが閉幕しましたね! 私は報道番組に出演させていただいているので、毎日、結果をチェックしていました。

私が今大会で興味を持った競技は、カヌーです。日本勢では、スラローム男子の部で羽根田卓也選手が銅メダルを獲りました。おめでとうございます!

私は初めてちゃんとカヌーを見たんですが、競技を行なう施設にビックリしました。自然の川で行なわれるんじゃなくて、人工の施設を使うんです。大きな貯水池から水を流して、爆流を生みだすさまは、まさに「巨大流しそうめん」。そのダイナミックさにテンションが上がったんですが、4年後の東京オリンピックでは、東京にもこの施設を造るそうなんです。今から楽しみです!

その後、カヤックの部門もチェックしたんですが…。こちらでは、練習中に突然、ソファが流れてきて驚かされました(笑)。こういうアクシデントが世界中に中継されるのも、オリンピックならではですね。

あとは、競歩も面白かったです。競歩って、絶対にムリな動きをしてるじゃないですか。“走らずになるべく速く歩く”って、どう考えてもツラい(笑)。実際に、選手たちのすっごい苦しそうな顔を見ていると、こちらも力が入ります。

しかも、少しでも選手の両足が地面から離れたりしたら、審判が選手に赤いカードを突きつけるんですよ。苦しんでる人の顔に向けて、“これでもか!”っていうくらい力強くカードを突き出す非情さには震えました(笑)。

過酷な競技だからか、たまに歩くのを忘れて走っちゃう人もいるんです。そのときに思わず浮かべてしまう、すがすがしい笑顔がまた…。「やっぱり競歩って、人間がやっちゃいけない動きをしてるんだな」と再認識しました。

中学でシンクロを始めたんですが…

いつもは相撲以外のスポーツ観戦をほとんどしない私なんですが、ごく一部の競技には興味があります。オリンピック競技の中では、シンクロと飛び込み。実は、アメリカにいた中学生時代に私もやっていたことがあるんです。

小さい頃から、水泳とフィギュアスケートを習っていた私。中学校に上がったとき、そのふたつを生かせる競技=シンクロナイズドスイミングに勧誘されます。シンクロは水中で息を止めるのが大変なんですが、なぜか我慢することが大好きだった私は、この競技がすぐに好きになりました。でも、試合に出ることになったとき、思わぬ盲点が発覚します。

大会では、ゴーグルの使用が禁止されていたんです。視力が0・01以下だった私は、練習中はコンタクトをつけた上でゴーグルをしていたんですが、ゴーグルを外して試合に出た際、すぐにコンタクトをなくして誰がどこにいるのかわからない状態になってしまいました。

それでシンクロをやめ、飛び込みをやってみたんですが、高い所から落ちるのが面白くてバンバン飛んでたら、背中からビターン!と落ちてしまい…。すごく痛い経験をして以来、怖くなってこれもやめてしまいました。

その後は、皆さんご存じのとおり、音楽やアニメ、鉄道など文化系の趣味にまっしぐら。すっかりスポーツ音痴になりました(笑)。

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカと日本のハーフ。モデルとして活動するほか、報道情報番組『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)ではメインMCを務める。中学生時代、学内ではオーケストラ部でヴァイオリンを担当