驚きのギミック満載! 理不尽ゲーの極み? 『アトランチスの謎』 

ファミコン全盛時代に数々の名作(迷作!?)を生んだゲームメーカー、サン電子(サンソフト)が今年で45周年を迎える。

そこで、ファミコン全盛期に発売され話題となったゲームの数々を振り返る。まずは伝説の名作『いっき』と『アトランチスの謎』から!

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●元祖クソゲーでも売り上げは100万本超!『いっき』 (1985年11月28日発売)

(左)伝説のパワーアップ(?)アイテム「竹ヤリ」はクソゲーの由縁のひとつ

“クソゲー”の名づけ親である、みうらじゅん氏が「天下のクソゲー」と評した伝説の作品、それが『いっき』。氏の「農民がひとり、ふたりで戦って、それを一揆っていえるのか(笑)」というツッコミは有名だが、ゲーム内容もツッコミどころ満載だ。

主人公の初期装備「カマ」は近くの敵に向けて8方向に投げられるが、パワーアップアイテム「竹ヤリ」をゲットすると前方向しか攻撃することができなくなり、要するにパワーダウンしてしまうのだ。

元となったアーケード版では「竹ヤリ」の入手で移動スピードが速くなるため一応パワーアップしていたのだが、ファミコン版では容量不足で実現できなかったもよう。

また、小判を集めるとステージクリアになるため、アーケード版では「小判レーダー」がついていたが、ファミコン版は同じく容量不足でレーダーを削ったため、“何をしたらいいかよくわからない”ゲームとなってしまったのだ…。

(左)ボーナス面のおにぎりキャッチは開発者のこだわりでFC版に健在。(右)当時、縦横無尽に8方向に動けたアクションゲーは画期的だった!

●驚きのギミック満載! 理不尽ゲーの極み?『アトランチスの謎』 (1985年11月28日発売)

アトランチスに探険に行き行方不明となった師匠を救出するのが目的!

「あの『スーパーマリオ』を超えた!!」

そんな挑発的なキャッチコピーどおり、開発者がマリオへの対抗心で作り上げた本作。実際、全101面というステージ数では、確かにスーパーマリオを凌駕(りょうが)している!(笑)

その真骨頂はステージワープの方法。基本的にフィールド上の扉から別ステージに行けるのだが、何もない場所で爆弾を爆発させると扉が出現するなど、一切ノーヒントのワープ方法だらけ! 中には自分で仕掛けた爆弾で吹っ飛ぶことでワープしたり、谷底が見えない崖から落下することでワープしたりといった、“自殺プレイ”で別ステージへ行ける場合も…。

また、入った時点で落下して死ぬことが確定するステージもあり、その理不尽極まりないクレイジーな仕様は当時の子供たちに衝撃を与えた。これらはメインの開発者がいたずら好きで、仕掛けや裏技をとことん盛り込もうとした結果なんだとか。

(左)平原、洞窟、遺跡、神殿、空中など多彩なステージがあったぞ。(右)1面を左に進むと崖があり、垂直に落下すると一気に33面にワープ!

続編⇒『こだわりと遊び心満載! サン電子のファミコン名作“クソゲー”選12』

(取材・文/昌谷大介[A4studio] (c)SUNSOFT