チーム創設初のCS進出に沸くDeNAだが、選手会長兼エースが今オフ流出となれば一大事だ

チーム創設初のCS(クライマックスシリーズ)進出を果たし、ラミレス監督以下、まさに一丸となっているDeNA。目指すは打倒巨人、さらには日本シリーズ進出と、優勝した広島に負けず劣らず燃えているのだ。

そんななか、ひとり“複雑な心境”に浸っているのが、エースで選手会長の山口俊(しゅん)投手だ。TV局関係者が解説する。

「実は彼、シーズン当初は今季取得したFA権を行使して、他チームに移籍する気持ちが強かったんです」

山口といえば、力士出身の父親から授かった、類(たぐ)いまれなスタミナが魅力の本格派投手。ただ、昨季までは制球力に乏しく、プロ10年で通算28勝。チーム内でエースと呼ばれても、絶対的な信頼感を得るには至っていない。

「年齢も29歳になるし、本人も環境を変えてさらなるブレイクを望んでいたんです。ただし、FAを行使する条件はCS進出を逃した場合と考えていた」(TV局関係者)

ところがチームは今季、CS進出を決めてしまった。

「さらに彼を困らせているのが移籍先。彼の本命はほかならぬCSで対決する巨人なんです」(TV局関係者)

巨人と対戦し、ねじ伏せればこれ以上の活躍はない。また、巨人というチームは「自軍を抑える投手、打つ打者を欲しがる」(スポーツ紙デスク)傾向もある。ただ、CSで活躍すればするほど、FA宣言したときにDeNAファンを敵にすることになる。

「今季は先発で自己最多の11勝(5敗)と初めて2桁勝利を挙げました。今、波風立ててDeNAを出る理由は薄れているものの、彼の巨人への憧れはいまだ強いと聞きます。そのためアッサリ残留とも決められない」(スポーツ紙デスク)

一部では、もう1年待ってメジャー進出も、という情報もあるが、いずれにせよ心穏やかならぬDeNAのエース。CSでのピッチングから目が離せない。