日本ではサッカーに次いで競技人口が多いバスケ。なのに、観戦する文化がこれまでなかったのが不思議 ※写真と本文は関係ありません

9月22日、東京・代々木第一体育館での「Bリーグ」開幕戦、アルバルク東京vs琉球ゴールデンキングスのチケットは、プラチナボックス席20万円、ベンチ横7万円などの高額席があったにもかかわらず完売。さらに地上波で、しかもゴールデンタイムに生中継。これはブームの予感がビンビンする!

このタイミングを逃さず知ったかぶりしたい!ということで、前回記事「旧bjリーグとNBL勢で実力の差は?」に続きBリーグの要点を紹介しよう。

●選手の年俸は?

2リーグ時代は最低年俸の決まりがなかった。NBLにごく少数ながら2千万円、3千万円という高額年俸をもらっていたトップ選手もいた一方で、資金面で劣るbjリーグには年俸100万円の選手や、シーズン中だけ月10万円という厳しい契約を結ぶ選手もいた。

しかし、Bリーグは最低年俸が定められ、B1で300万円、B2で240万円。そして上限もなく、リーグトップクラスの外国籍選手ともなると、年俸は8千万円ともいわれている。これはなかなか夢のある数字だ。

●注目チームは?

まずは秋田ノーザンハピネッツ。高校バスケの名門、能代工のある秋田県は日本有数の“バスケ県”。ホームゲームはチームカラーのTシャツを着込んだ“クレイジーピンク”と呼ばれる日本一熱いブースター(ファン)で埋め尽くされる。エースの田口成浩を中心に、第2回「スラムダンク奨学生」の谷口大智(だいち)などタレントも豊富だ。

次に沖縄唯一のプロスポーツクラブとして熱烈な地元人気を誇る琉球ゴールデンキングス。日本代表にも選出されるガードの岸本隆一がチームを牽引(けんいん)。「bjリーグ最後の王者」の意地を見せたい。

レバンガ北海道は11年に経営不振に陥り、運営会社が破綻。当時キャプテンだった折茂武彦が選手兼代表となり現クラブを誕生させた過去を持つ。その後、見事に再建し、旧NBL時代はトップクラスの観客動員を誇った。

注目の選手は!?

●注目選手は?

まずは現日本代表のエース、比江島慎(シーホース三河)。今年6月の親善試合でNBA選手を多数擁(よう)するフランス相手に23得点と奮闘。現在、リーグで最も危険なスコアラーだ。

また、千葉ジェッツに新加入したヒルトン・アームストロングは、ゴールデンステート・ウォリアーズなどNBAでのプレー経験がある211cmのビッグマン。アルバルク東京のディアンテ・ギャレットも、ユタ・ジャズなどNBAでのプレー経験を持つ。

リーグ最小の160cm、仙台89ERSの志村雄彦は、低身長をドリブルと統率力でカバー。全国の小柄なプレーヤーの希望となりうる選手だ。

そして最後に、やはり田臥(たぶせ)勇太(栃木ブレックス)を忘れてはいけない。日本人唯一のNBA経験者はもうすぐ36歳ながらいまだ健在。その独創的なパスを見るだけでチケット代を払う価値がある。

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Bリーグは日本に根づくのか、半信半疑の読者も多いはず。でも、『スラムダンク』で安西先生は「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」と言った。田臥勇太はリーグ開幕にあたり「継続が大事」と言った。ぜひ地元チームの試合に足を運んでみては!?

(取材・文/水野光博)