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東北被災地「巨大防潮堤」は誰を守るのか? “メガ復興事業”に異論噴出!

[2016年10月09日]

岩手県宮古市の宿漁港海岸では高さ14 .7mの防潮堤建設が進む。総工費は9億6千万円。現地には「命を守る新しい防潮堤」の看板があったが、浜の近くに民家は見当たらない

東北の太平洋側の海岸線、全長約400kmにわたり、巨大な防潮堤(ぼうちょうてい)の建設が進んでいる。

東日本大震災による津波で大きな被害を受けた人や町を、今後押し寄せるかもしれない津波から守るためだ。

ところが住民からは防潮堤の建設に不満の声が噴き出し、反対運動も起きている。一体、何が問題なのか? 取材を進めると、住民の意思に反して計画を進めようとする行政の姿勢が見えてきた。

■まるで何かの要塞のよう

宮城県石巻市雄勝町(いしのまきしおがつちょう)は東日本大震災で最大21mの津波が押し寄せ、町の沿岸部が流された。県は復興計画の一環で、雄勝町の中心部に高さ9.7mの防潮堤を造る計画を進める。

だが、住民らがそれに待ったをかけた。そのひとり、「持続可能な雄勝をつくる住民の会」の千葉正人さん(64歳)が言う。

「そんなに高い防潮堤を造れば陸から海が見えません。中心地が浜に接する雄勝は、海が身近にあってこその町。それを無機質なコンクリートで囲ってしまったら町づくりが思うようにできず、この先、観光客だって来なくなる。町が死んでしまいます」

千葉さんは震災後に津波が押し寄せた場所に戻り、そば店を再開した。雄勝が明治と昭和の三陸地震、十勝沖地震、チリ地震の4度の津波被害から復興を遂げてきたことを挙げ、防潮堤は震災前の4m程度で十分と話す。5年前の教訓から、住民は津波が来たら高台に逃げることを学んでいるからだ。

だが県は、「9.7mの防潮堤は住民や国土を守るため」と譲らない。今年4月、住民らとの話し合いが平行線をたどった後、県の漁港復興推進室の室長は詰めかけた報道陣に向けて、「話は出尽くした。(9月から)防潮堤工事を着工します」と宣言。住民のさらなる怒りを買った。

現在、東北の防潮堤整備計画は、津波で1万4千人以上が亡くなった5年前の悲劇を繰り返さないために、岩手、宮城、福島3県で建設が進められている。総事業費は約1兆円。そのお金は東日本大震災復興特別会計、つまり国税から拠出されている。

計画はまず、防災の基本計画をまとめる国の組織「中央防災会議」(安倍晋三会長)の専門調査会などで議論。それを踏まえて、2011年7月に農林水産省や国土交通省が、海岸を管理する各自治体に海岸堤防の高さの基準を通知した。


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